再び九十九折参道、中門〜転法輪堂
由岐神社からはまたひたすら九十九折参道を歩きます。この辺りから九十九折りの名に相応しい緩やかでジグザグに続く山道となってきます。(暑さで徐々に疲れ始め、撮影頻度が落ちています。歩くのに必死。)
川上地蔵堂→義経公供養塔→愛と光と力の像という、山の中に突然現れる人工的なオブジェ→双福苑→中門へ。鞍馬は牛若丸が修行をした地と言われ、義経公に関する逸話のある場所が多く見られます。
さて、中門。中門も結界という人が結構います。くぐる前と後では空気が違う、とのこと。(勿論、私は「ここまで来たー!」的な達成感意外、何も感じませんでした…)
元来、山麓の仁王門の横にあって勅使門または四脚門と呼ばれ、朝廷の使いである勅使の通る門でしたが、この場所に移築されました。
出典:鞍馬山公式サイト-山内案内
確かに歴史ある立派な門ですが、結界なのか?と言われたら、それは違うんじゃない?って思います。ここは柵や門で区切られているから、そう感じやすいだけではないか?と。
結界だとしたら、もっとわかりやすい宗教的な建物や石碑や像が立てられていたり、水の流れや岩などで遮られていたり周囲の木が捻れているんじゃないか?と思うのですが…どうなのでしょう?
※中門
中門には、由岐神社まで311m、仁王門まで602mという表示があります。そうです、汗だくなのにまだ600mくらいしか歩いていない、ということになります。
実は九十九折参道は約1kmの距離しかありません。九十九折参道はかかる時間と体力を考えると、意外に思う程短い距離なんです。1kmと聞くと余裕で歩けそうだと思えるのですが、急ではないものの延々と続く坂道と、大きな変化が少ない木々に被われた山道の景色が、実際の距離よりも少し長い距離に感じさせます。
中門にも無料の杖の貸し出し+返却用の杖立てがありました。九十九折参道は歩きやすく整備されているので、仁王門で借りたけれど不必要だと思ったら、ここで一旦お返しして先に進んでも大丈夫です。また、借りて来なかったけれど借りたい!という人は、ここに立てかけてある杖を借りて行ってもOKです。
九十九折参道の九十九折り感がある写真を全く撮っていなかったことに驚きですが、これくらい緩やかな坂道を歩く時間が長いです。急な坂道はあまりありません。そのかわり、じっくりゆっくり登って行くことになります。
山の中とは言えこの日は日陰でも暑く風もほとんど吹かず、汗が流れ落ちました。
巽の弁財天社→転法輪堂・洗心亭→寝殿を越え、いよいよ本殿金堂です。巽の弁財天辺りからは山道ではなく石階段になります。
全く写真を撮る余裕もなく(石段の写真は昨年秋のもの)、巽の弁財天社の水琴窟の涼やかな音を楽しむこともすっかり忘れひたすら登って来ましたが、転法輪堂・洗心亭で少し休憩をしました。
洗心亭前には長椅子などが置かれていて、喫煙所として灰皿が用意されていました。中には鞍馬山の模型があり、どんな道を歩いて来たのか?この先の山越えはどんな所を歩くのか?を見ることが出来ます。この日はかき氷も販売されていました。
転法輪堂には江戸時代に作られた木造の阿弥陀如来座像が鎮座されていて、お詣りすることが出来ます。今回、阿弥陀如来様と繋がっているであろう糸が隠されているのを見つけました。(糸というよりロープくらいの太さでしたが)
以前、東山区にある御寺泉涌寺塔頭の今熊野観音寺で御本尊と繋がっている五色の糸というのを握ったことがあったため、お!と思い、しっかり握らせて頂きました。
転法輪堂の五色の糸は目立たない場所に結んであったので、例祭などの時に使われるものを見つけてしまっただけだと思います。阿弥陀如来様の前なので無理矢理探さず、見つけられたらご縁、と感謝して握りましょう。
さぁ、いよいよ本殿です。
金剛床と本殿金堂
この最高気温35℃の日の午後1時頃。この日も鞍馬山には大勢いの人がいました。特に中国からの家族連れが多かった様で、中国語らしい言葉が多く聞こえていました。
宇宙のパワーを感じる修行の場、金剛床の周辺や三角形の上も、人が途切れることはありませんでした。人が居ない鞍馬寺本殿前や金剛床の写真を個人の方のブログで見かけるのですが、残念ながらこの日はそんな瞬間はありませんでした。
この三角形は鞍馬寺の正面を差す形で配置されています。この三角形の上に乗ると宇宙のパワーである尊天の波動を感じる人が多いとか。 前回一緒に参拝した友人も、今回一緒に参拝した友人も、この上では何かを感じられたようです。
本殿金堂は標高410m、比叡山頂は848mだそうです。比叡山の半分でしかないことに驚きました。
本堂前の狛寅さん達。山門だけでなく、本堂前も狛寅さんです。山門前に比べて猫背のせいか、猫のような愛らしさがあります。
本殿の中は広く天井は高く、奥の方に御前立てが祀られています。御本尊は秘仏で、60年に一度の丙寅の年に御開帳されます。次は2046年が丙寅年。残念ながら、まだまだ先です。
以前は毘沙門天王様を御本尊として千手観世音菩薩様を合わせて祀っていたようですが、鞍馬弘教となってからは毘沙門天王様・千手観世音菩薩様・護法魔王尊様を尊天(三位一体)として祀っています。かなり奥の方に祀られているため、御前立てであっても、その姿をしっかりと目にすることは難しいです。
本堂の中ではお守りや御朱印、御朱印帳などが販売されています。
鞍馬寺 本殿周辺で、自分だけのパワースポット探求
友人がパワスポ探しをしている間に、暑さと疲れでボーッと座っていました。端の方にベンチがあるので、疲れた足を少し休めることが出来ます。ベンチ前の灯籠には金剛力士様らしきお姿を見つけました。
二度目の参拝なのに何も感じられないのはちょっと悔しかったのであちこちフラフラ歩き回り、なんとなく感じた場所は、金剛床の北のマークの上。金剛床の円形の周りには方位を示す(であろう)三角形の石が置かれていて、北を差すであろう唯一三角形が2つ置かれた場所の上のわずか10cm程度の場所が、私が唯一ちょっと違うかもしれない、と思ったところでした。
なんとなく空気の粒子が細かいというか、柔らかいというか…周りの暑さとは違う暖かみがあるというか…それも、しばらく立ち止まって比べないとわからない程のわずかな違い、言い表すならそんな感じでした。
平安京の擁護授福のためご本尊が降臨した場所に、本堂後方から出土した経塚の蓋石を置いた金剛床の真向かいの翔雲台。御本尊が降臨…護法魔王尊様が降臨したのは、奥の院魔王殿ですから、ここでいう御本尊は尊天(毘沙門天王・千手観世音菩薩・護法魔王尊)の中の護法魔王尊様意外の毘沙門天様と千手観音菩薩様、ということ?…とここまで考えて、これ以上は考えてはいけない気がしました。
友人は鞍馬を訪れる前、この翔雲台の左手が気になると言っていました。そして、鞍馬寺の本堂周辺をウロウロ歩き回り、本殿横の閼伽井護法善神社の更に横を覗き込み、下に橋が見えててそこに沢があって、その辺りが気になるけど行けないんだよ。多分そこがパワースポットだ、と言っていました。
※翔雲台の左側
連なる山々の深い緑に、朱色が映えます。朱は守りの色。
以前、他の知人で海の近くで育った人と三千院に行ったとき、沢の水の豊富さに驚いていたことを思い出しました。山育ちの私には、山に沢があってそこを大量の水が流れていても、それは普通のことであって驚きでもなんでもない見慣れた風景なのですが、海の近くで育った人には、山奥で大量の水が自然に流れていることは驚きの材料なのかもしれません。
これだけの量の木々に囲まれ、その分新鮮な空気(酸素)に囲まれ、沢には綺麗な水が流れている。これだけ人の身体に必要な空気や水が綺麗な地。昔は普通にあったものが減って来ている昨今、生きて行くために必要な基礎的なものが自然に溢れ出している、それだけで、パワースポットとなのだろう、と思います。
鞍馬寺の御朱印と御朱印帳
2016年秋に参拝したとき、鞍馬寺の御朱印帳を買い求めました。白地に寺紋が織り込まれ、金糸で鞍馬山の寺紋と鞍馬山、御朱印帳と刺繍されています。この御朱印帳の値段は御朱印帳+御朱印で2000円。この他にも数種類の御朱印帳が扱われていました。
2016年秋も2017年夏も、人が途切れることがあるのは参道だけで、金堂本殿辺りは常に人が居る状態でしたが、御朱印を貰う人が列をなしているということはなく、2,3人待てば御朱印を頂ける状態でした。
御朱印帳の下のイラストマップは、叡山電鉄の駅で頂いたもの。詳しさは、山門で頂いた案内には劣りますが、非常に可愛らしいイラストマップでした。
鞍馬寺は新西国三十三箇所の十九番でもあります。新西国三十三箇所用の御朱印帳には、ご詠歌を書いて頂ける様ですが、御朱印を頂く所にはご詠歌の御朱印は見当たりませんでした、残念。
鞍馬寺公式サイトは↓
鞍馬寺 概要
名称 | 鞍馬寺 | 山号 | 鞍馬山 |
御本尊 | 尊天 (毘沙門天王・千手観世音菩薩・護法魔王尊) |
脇侍/安置仏 | 阿弥陀如来座像 木造毘沙門天立像 木造吉祥天立像 木造善膩師童子立像 他、山内に多数 |
開基 | 鑑禎 | 宗派 | 鞍馬弘教 (仏教ではありません) |
所在地 | 京都府京都市左京区鞍馬本町1074番地 | ||
最寄りの公共交通機関 | 叡山電鉄 鞍馬駅 京都バス 鞍馬温泉行 鞍馬停留所 |
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拝観時間等 | 入山は24時間可能 諸堂は9:00~16:30 |
拝観料(通常) | 愛山費として 300円 |
鞍馬山はこれでようやく半分。
登ったら、降りなければなりません!
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