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霊源院-建仁寺塔頭寺院 -2018年の甘茶の開花に合わせた「甘露庭」特別公開

霊源院 概要

 

名称霊源院(れいげんいん)山号
御本尊薬師如来宗派臨済宗建仁寺派
勧請開山龍山徳見
(りゅうさんとくけん)
創建一庵一麟
(いちあんいちりん)
所在地京都市東山区大和大路四条下ル小松町594
最寄りの公共交通機関京阪電車 祇園四条/清水五条駅 → 徒歩13分
阪急電車 河原町駅 → 徒歩15分
京都市営バス 清水道 → 徒歩5分
甘露庭 特別拝観
受付時間
10:00 -15:30
(16:00閉門)
拝観料(特別拝観期間)大人:500円
中高生:300円

 

霊源院、私のオススメポイント

・霊源院を囲むあじさいソックリな、甘茶の花
・長期間、仏像体内で守られていたため、非常に綺麗な毘沙門天立像
・直接見られる仏舎利

 

霊源院への道のり。

 

禅居庵以外は訪れたことがなかった、建仁寺と建仁寺の塔頭寺院。気になりながらもタイミングを逃し続けていたのですが、建仁寺塔頭の霊源院で「甘茶の庭 『 甘露庭 』 特別公開」が行われている、ということで伺ってまいりました。

今回、私は建仁寺の境内を抜けて向かったのですが、建仁寺の境内では霊源院へ看板などの道案内を見つけることが出来ず、少しわかりにくいなぁ…と。目印になりそうなのは、建仁寺の浴室。この浴室の横(イメージとしては、建仁寺の一番端)のなだらかな坂道を上がって行き、特別公開の看板にしたがって右折、といった感じでしょうか?

霊源院の前の通りへは建仁寺の境内から向かうことも可能ですが、摩利支尊天の看板がある禅居庵や建仁寺の勅使門が面する、八坂通からも向かうことが出来ます。

 

建仁寺塔頭霊源院案内板

 

いざっ!霊源院内部へ。

 

霊源院の門を潜るとすぐ、本堂の入り口があります。

※霊源院の拝観は下足を脱いで室内での拝観になります。夏場に訪れる際は、靴下持参をオススメします(ストッキングやタイツの方も、靴下持参推奨です)。

 

入り口を上がり拝観料を支払い、拝観用のチケットを頂きます。観光寺院ではないため、こちらの入り口で受付・お茶券の販売〜御朱印や授与品などの取り扱いまで全て行われていて、非常に混雑していました。

 

建仁寺塔頭霊源院門前

 

建仁寺塔頭霊源院

 

室内に入るとすぐ、左手に写経スペースがありました。そしてその奥に掛け軸と寺宝の一双の屏風が2つと中巖圓月坐像が。掛け軸→屏風→中巖圓月坐像の順番でガイドの方の説明を聞きました。

 

霊源院でガイドさんから聞いたお話

・室町幕府第7代将軍 足利義勝公が10歳の時に描いた絵。
・この義勝公は9歳で将軍職に着いたものの、10歳で亡くなっている。絵を描いてすぐに亡くなったとされている。
・置いてある屏風は現代アートの木村英輝さんと書家の金澤翔子さんの作品
・五山文学で活躍した臨済宗の僧侶、中巌円月の木像は玉眼がはめられている。
・京都国立博物館に預けられていた1996年に修理のためにレントゲンを撮ったところ、胎内仏が見つかった。それが毘沙門天像。有名な運慶(うんけい)の息子の湛慶(たんけい)の作
・この様な像は通常背中はペタンコで作られるものだが、背中に丸みがある。それはそこに胎内仏を入れる為だった。
・胎内仏の毘沙門天像。右手に三叉戟(さんさげき)、左手は丸い水晶を持つ珍しい姿。その水晶の中には仏舎利が納められている。
・この仏舎利は最澄が持ち帰ったもの。
・壁の白が水晶に写り込んでしまうので、白い棒の横辺りを見てください。

 

他にも一休さんの掛け軸やお饅頭からの塩瀬総本家さんや塩芳軒さんのお話なども伺いましたが、忘れてしまいました…。

説明を聞いたあと、順番に毘沙門天像の水晶を覗かせて頂くことに。もちろん、ガラスケース越しで覗いたのですが、肌色っぽいものがポツンと見えました。

東寺の五重塔、東寺から分けたと言われる鹿苑寺の金閣舎利殿(金閣寺)、泉涌寺の舎利殿には喉の部分と、意外とあちこちにあると言われている仏舎利ですが、実際に目で見たのは今回が初めて。貴重な体験をさせていただきました。

 

ネット上で見られる、霊源院の毘沙門天像。

 

古い記事なのでいつ削除されてしまうかわかりませんが、霊源院の中巌円月坐像(重要文化財)と胎内仏の毘沙門天立像についての記事を見つけました。(なぜか四国新聞の記事です…。)

http://www.shikoku-np.co.jp/national/culture_entertainment/20150107000616

 

こちらは小学館の雑誌のサイト。

【京都 美の鑑賞歩き】 第2回~建仁寺 霊源院で鑑賞できる、名仏師・湛慶作の像を秘めた重要文化財の謎多き彫刻
国の重要文化財に指定されている中巖圓月坐像(木造、南北朝時代)。京都では毎年春と秋に、通常は非公開の国宝や重要文化財を含む仏像や建築、絵画、庭園などが「特別公開」される。この催しは、「京都非公開文化財特別公開」と呼ばれ、この秋で通算68回を数える。今回は市内の20社寺などで開催されるので、京都を訪れた際はぜひ、普段見る

 

※霊源院では拝観時、仏像・寺宝の撮影は禁止されています(室内の撮影は可と現地で伺いました)。

 

茶室 也足軒で甘茶をいただきました。

 

お庭を見ている方々が多くいらした為に、先に甘茶を頂きました。(甘茶席は別途500円)

一畳台目とは別にあるお茶室。こちら、別棟建てにはなっていませんが、也足軒と額が掲げられています。室内でにじって入るお茶室というのは非常に珍しいなぁ…と思いながら入室し、券を渡して甘茶を頂いてまいりました。

壁ににじり口だけを作るだけではなく、上部も違い引き戸にしてあるので開放感があり、四畳半よりも広く感じました。

 

建仁寺塔頭霊源院茶室也是軒

 

他の方のお茶が終わられて、私一人というタイミングだった為に一番お庭が見える位置へ案内して頂きました。咲き誇るかの様に甘茶が咲いていてとても綺麗…でしたが、ベストであろう角度には他の方が写り込んでしまう程、この日は多くの方が訪れていました。

 

建仁寺塔頭霊源院甘露庭

 

室内の床の間のしつらえ。達磨さんのお軸、香炉、中国の故事が描かれてそうな細かな螺鈿細工が施された香炉台(花器台)、今年の干支の犬は香箱でしょうか?お扇子を読む前に、お茶が運ばれて来ました。

 

建仁寺塔頭霊源院也是軒床の間

 

こちらの也足軒で頂いたのは、毘沙門天像の前でお伺いしていた塩芳軒さんのお菓子と甘茶。和三盆の中に大徳寺納豆が入ったものと、毘沙門天の毘の字が入れられたお干菓子。甘茶は煎茶用の茶器(金属製の茶托とおちょこサイズの湯のみ)で頂きました。

 

京都・西陣の御菓子司「塩芳軒」
創業以来、百有余年。塩芳軒は京都・西陣にて京菓子をつくり続ける御菓子司です。材料の性質を熟知し、その持ち味を活かしながら、皆様に喜ばれる御菓子を常にお届けいたします。

 

お茶を頂く時のTips!

・赤い毛氈(もうせん(薄い絨毯の様なもの))が敷かれて居る時は、できるだけ毛氈の上に座ります(ここに座ってください、という意図で敷かれています)。
・お茶席で頂くお菓子はそのまま食べず、出来るだけ一口サイズに割ってから頂きましょう。
・この手のお干菓子は割ると粉が出るので、下に敷かれた懐紙を広げて逆に折り返し、真ん中を谷の様にして粉を受けながら頂くと粉の飛び散りを防ぐことが出来ます。
・懐紙はお菓子の包みやクロモジなどを包んで持ち帰ることもあるものなので、折られた状態を維持しなくても大丈夫、汚さずに食べ終われる様に上手に使いましょう。
・煎茶用の茶器の金属製の茶托は、茶托ごと手のひらに乗せて。手のひらの上の茶托から茶碗だけを持ちあげてお茶を頂きます。

 

建仁寺塔頭霊源院甘茶とお菓子

 

お運びをしてくださった女性に「煎茶用の茶器を使われていましたが、煎茶道のお点前には甘茶のお点前もあるのでしょうか?」とお伺いしたところ、「甘茶の流派やお点前はございません。ごく稀にですが、甘茶を飲みすぎると中毒症状を起こすことがあるのでこの量でお出ししているのですが、少なかったでしょうか?」とのお返事。

とても美味しかったのでもう少し頂きたい!と思ったのは間違いないのですが、中毒症状が出ることがあるとは全く知らず。今まで花祭りでいただていた甘茶はどれだけ薄かったんだ!と思ったほどに味・香り共に濃い甘茶なので、ちょっと物足りない位のこの量が一度に飲む適量なのでしょう。

甘茶を頂こうとする方も多く、私が飲み終わる頃には席が空くのを待っている方がいらっしゃる程でした。

 

改めて「甘露庭」を拝見。

 

霊源院の甘露庭、今回の特別拝観ではお庭に降りることは不可、室内からの甘茶鑑賞です。
石塔が何基かあるのは見えたのですが、今が盛りと花開く甘茶と青々と茂る新緑に埋もれていました。

 

境内の南西に広がり、本堂から眺める事ができる枯山水庭園。仏陀釈尊の生誕から入滅までを表現している庭です。甘茶がたくさん植えられ、花梨の植栽や松も配されています。

出典:霊源院 公式サイト-霊源院について

 

今回、庭についての説明をあまり聞かなかったように思うのですが、庭の形だけではなくそこに咲く花や木まで含めて、生誕から入滅までを表現されたお庭なのでしょうか?そうならば、甘茶が咲き乱れるこの季節は、釈迦の誕生を表している、ということになります。

枯山水を瑞々しいと言うのは何だかおかしな気もしますが、それくらい所狭しと咲く甘茶と甘茶に負けない周囲の木々。生命力を感じるお庭でした。

 

 甘茶とは…?

 

ところで。「甘茶」というお茶の存在を知っていても、

・甘茶の木を見たことがない
・知っているけれど飲んだことがない

という人も多いのではないでしょうか? そもそも甘茶とはどんなものでしょう?

 

①日本特産のユキノシタ科の落葉低木。ヤマアジサイの変種。
②アマチャ・アマチャヅルの葉を蒸してもみ,乾燥したものを煎(せん)じた飲料。黄褐色で甘みが強く,食品の甘味料ともする。

出典weblio-甘茶とは

 

霊源院があじさいで有名なお寺と説明されているのを見かけたことがあるのですが、甘茶がヤマアジサイの変種であれば、そっくりでも間違ってしまっても仕方がない気がします。

そして、甘茶≒花まつりという人も多いのではないでしょうか? 私も子供の頃に地元の観音堂で毎年いただいていたので、甘茶は花まるちに飲むもの、と思っていました。

 

灌仏会(かんぶつえ)は、釈迦の誕生を祝う仏教行事である。日本では原則として毎年4月8日に行われる。釈迦(ゴータマ・シッダッタ)が旧暦4月8日に生誕した伝承に基づいている。降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、龍華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)、花祭(はなまつり)の別名もある。

(…中略…)

日本では、様々な草花で飾った花御堂の中で、甘茶を満たした灌仏桶の中央へ安置した誕生仏像に柄杓で甘茶を掛けて祝うが、釈迦生誕時に産湯を使わせるために9つの竜が天から清浄の水を注いだとの伝説に由来する。釈迦を本仏としない日蓮正宗等を除く大多数の寺院で執り行われて参拝者にも甘茶がふるまわれ、甘茶で習字すれば上達するとの願掛けや害虫除けのまじないを作るなどする。

出典:wikipedia-灌仏会

 

そんな仏教とのつながりの深い甘茶の木で埋め尽くされた庭。拝観中、その庭を黙々と手入れしている方がいらっしゃいました。本当に、「黙々と」という言葉通り、ひたすらに手入れをされている姿が印象的でした。

 

建仁寺塔頭霊源院甘露庭

室内から見た建仁寺塔頭霊源院甘露庭

 

霊源院で頂いた御朱印

 

今回霊源院で頂いたのは、2種類。

毘沙門天+初夏と書かれたものが通常のスタイル(の初夏バージョン)の様で、白い和紙に書かれたものと金と銀が混じった用紙に書かれたものの2種類が用意されていました。この毘沙門天の朱印と毘沙門天の墨書き、奉拝の文字が入ったものが300円。

そして、甘茶の花と布袋様に弥勒菩薩と書かれたもの、こちらはこの甘露の庭公開のタイミングの御朱印なのでしょう。この布袋様は山門辺りにいらっしゃいました。この他に背景に甘茶や達磨、一休禅師等の印刷がされた和紙にそれぞれに合った墨書きが書かれた御朱印が6種類、こちらは400円でした。

 

霊源院御朱印

 

全て書き置きでの対応ですが、年に数回の特別公開の時にだけ拝観出来る寺院なので、どの御朱印を頂いたとしても、貴重な御朱印となりそうです。

帰宅後に気が付いたのですが、弥勒菩薩様にはお会いしなかったような気がします。次回のタイミングで弥勒菩薩様に御目通りしなければ…と。

 

建仁寺塔頭霊源院

 

特別拝観の期間以外は、団体で事前予約しなければ入ることが出来ない、霊源院。
仏舎利を直接見ることができる、というだけでも本当に貴重な機会です。特別拝観は公式サイトやFacebookページ、Twitterで告知されています。

「由緒書きや縁起などはありませんか?」とお伺いしたところ、「扱いがないので、ネットを見てください」とのお返事、意外にもネット参照推奨の霊源院でした。

 

甘茶の寺の霊源院|臨済宗大本山建仁寺塔頭寺院 京都五山文学の最高峰 
臨済宗大本山建仁寺の塔頭寺院です。より多くの皆様に坐禅を知っていただきたく、禅寺として門を開けております。
臨済宗建仁寺塔頭 霊源院
臨済宗建仁寺塔頭 霊源院、京都市 - 「いいね!」924件 - 臨済宗建仁寺塔頭寺院 霊源院です。次回はGWの特別拝観(4/28-5/6)を予定しております。数珠巡礼は11月12日をもちまして退会しました。今までありがとうございました。
霊源院(@reigenin)さん | Twitter
霊源院 (@reigenin)さんの最新ツイート 京都にある大本山建仁寺塔頭寺院 霊源院です。次回の特別拝観はGWの特別拝観(4/28-5/6)と甘茶の特別拝観(5/19-6/17)を予定しております。2017年11月12日をもちまして、数珠巡礼を退会致しました。 京都市東山区小松町594 霊源院

 

建仁寺周辺に訪れる前には、甘茶の開花シーズンではなくとも公式サイトやSNSをチェックして、画像や画面越しではない仏舎利を見てみてください。

 

※同じ臨済宗のお寺で東福寺の塔頭寺院にも、霊源院というお寺があります。今回の甘露の庭の特別拝観が行われているのは、建仁寺の塔頭寺院の霊源院です。ルート検索の際は十分ご注意ください。

 

このあと、同じ建仁寺塔頭の両足院の特別公開へ向かいました。

両足院-建仁寺塔頭-2018年、半夏生に合わせた初夏の特別拝観。
建仁寺塔頭の両足院。半夏生が開花する時期に合わせた特別拝観(2018年は5月25日~7月12日)に伺って来ました。非常に静かで人の少ないタイミングで訪れることができたのですが、半夏生の見頃がまだだったこと、時間の関係で駆け足になってしまったことなど…既に再訪したい、両足院です。

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