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【東福寺塔頭】勝林寺 秋の特別拝観で秘仏の御本尊と紅葉を満喫

勝林寺 概要

名称 勝林寺(しょうりんじ) 創建年 天文19年(1550年)
御本尊 毘沙門天 脇侍/安置仏 吉祥天(きっしょうてん)
善膩師童子(ぜんにしどうじ)
開基 東福寺205世・高岳令松(こうがくれいしょう) 宗派 臨済宗東福寺派
所在地 京都府京都市東山区本町15丁目795
最寄りの公共交通機関 JR奈良線/京阪電鉄 東福寺駅→徒歩約8分
京都市営バス 東福寺→徒歩約5分
拝観時間等 9:00~17:00
詳細はSNSでご確認を。
拝観料(通常) 無料
平成30年 秋の特別拝観
開催時期・拝観時間 11月17日〜12月2日
10:00~19:00
(19:30閉門・昼夜入れ替えなし)
特別参拝料 大人 600円
中高生 300円
小学生以下無料

 

勝林寺 御本尊拝顔へ。

勝林寺の御本尊様は平安時代に作られたと言われる、毘沙門天像。御本尊は秘仏で、同じく平安時代作の毘沙門天像が御前立ちとして祀られています。その御前立ちの毘沙門天像をガラス越しにお詣りするのが、勝林寺の通常の参拝方法です。その秘仏の御本尊様、お正月と秋の特別公開の際に一般公開されている、と言うことで、仕事終わりに出向いて参りました。

夜限定かもしれませんが、勝林寺の特別拝観の入り口は東門。階段を登って入ることが出来る正門の南門の前にはガードマンが立ち、道行く人に声をかけ、少しわかりにくい場所にある東門へと誘導していました。東門から入り石畳の上を進むと、テントが貼られており、そこで特別拝観料を支払いパンフレットと入場券を頂きました。夜だったことや18時過ぎだったことなどもあり、受付で待つことはありませんでした。

勝林寺20181201

勝林寺東門 20181201

まずは勝林寺本堂まで。

今回の特別拝観の期間に行われている、手水花。手水鉢に花を浮かべたものなのです。勝林寺のSNSで献花の募集をしていたことも関係してなのか、この日は柄杓を入れる隙がないほど、花が溢れていました。写真には映っていませんが、まだ切られていない花があっても、この状態です。

勝林寺 手水舎の花手水 20181201

勝林寺 手水舎の花手水

東福寺と言えば、紅葉を美しくするために桜がないお寺と言われています。その塔頭寺院である勝林寺も、やはり紅葉が見事です。一番有名なのは、本堂前にある吉祥紅葉(きっしょうもみじ)。看板が立てられているのですぐにどの木なのかわかります。この辺りの紅葉としては大ぶりな葉をした吉祥紅葉、周囲の紅葉が真っ赤に染まる中で、一本の木で赤・黄緑・橙と様々な色をした葉を見ることができました。

勝林寺 境内の灯篭と紅葉 20181201

勝林寺 境内の灯篭と紅葉 2018120

勝林寺 本堂正面と吉祥紅葉(もみじ) 20181201

勝林寺 本堂正面と吉祥紅葉(もみじ) 20181201

勝林寺 特別拝観

紅葉を眺め、時折写真を撮りながら本堂へ。堂内の拝観は本堂前に置かれたビニール袋に靴を入れて持参します。右手に通常坐禅体験などが行われている部屋、真ん中に御仏像が置かれていて、左手に授与所、右の客殿には毘沙門曼荼羅が置かれており、客殿の奥のお庭を拝見することが出来るようになっていました。

この日、真ん中の仏像が安置されている部屋以外は行灯に洋蝋燭+外から差し込むライトアップの光という演出がされており、室内のほとんどが薄暗い状態。それがまた御仏像が安置されている真ん中の本堂の煌びやかさを引き立てていました。

勝林寺 行灯の蝋燭 20181201

勝林寺 行灯の蝋燭 20181201

勝林寺の秋の特別拝観では、本堂で説明を聞くことができました。

平成30年 勝林寺秋の特別拝観で聞いてきたこと
-秘仏の御本尊の前-
・勝林寺は臨済宗東福寺の25箇寺ある塔頭の一つ、最も北にあるお寺。仏教の世界において北東は鬼門、北東と仏法を守る毘沙門天を祀っている。
・御本尊の毘沙門天、145.7㎝、ヒノキの一木作りで平安時代中期の定朝作と言われる。
・今の御本尊が祀られるようになったのは江戸時代。
・「東福寺仏殿に毘沙門天がいるのに、誰も気づいていない」と江戸時代のご住職の夢枕にたったことから見つけられた毘沙門天像。
・毘沙門天は勝運、財運のご利益があると言われる。
・毘沙門天の使いはムカデ。戦国武将は毘沙門天が武神であるとし、ムカデが一糸乱れず果敢に前進し後ろに後退しないことから武具などにムカデをあしらった。
・お金のことを「御足(おあし)」と呼ぶことがあるが、多く足が金運を運ぶ、客足が増える、と言われ、ムカデの足の多さからムカデが使える毘沙門天が信仰された。
・毘沙門天の右側には吉祥天(きっしょうてん)、左側には善膩師童子(ぜんにしどうじ)が祀られていて、江戸時代の仏師清水隆慶(じみずりゅうけい)作と言われる。
・吉祥天は毘沙門天の奥様で、美と健康と繁栄を司る。
・左側の善膩師童子(ぜんにしどうじ)は毘沙門天と吉祥天二人の間に生まれた5人の子供の内の一番末の子。
・毘沙門天、吉祥天、善膩師童子の3尊を一緒に祀ることで家族和合の象徴と言われる。
・傾斜がついたお堂の床は人間界から天の高みにおられる仏様・神々の世界に少しでも近づけるよう、傾斜を登っていくつもりで一心に祈ることが大切である、と体験するために作られた、変わった造りとなっている。
-手前の御前立ち周辺-
・通常ガラス越しに見ることが出来る毘沙門天は御前立ちで平安時代に作られたもので、今の御本尊が御本尊になる前はその御前立ちの方が勝林寺の御本尊だった。
・御前立ちの右側奥に祀られているのは平安時代作と伝わる大日如来、脇侍2体は鎌倉時代作、右に多聞天、左が広目天。
・毘沙門天とは多聞天は同じ仏様。四天王として祀られる時は多聞天、毘沙門天と呼び時は単独で祀られる時。
・御前立ちの左側奥に祀られているのは平安時代作と伝わる延命地蔵菩薩様。半跏趺坐(はんかふざ)という座り方をしている。
・両側の寅の襖絵は大正15年の寅の年に御本尊が初公開された記念に日本画家 櫟文峰(あららぎ ぶんぽう)により描かれたもの。
・寅も毘沙門天の使いと言われている。
・お堂は江戸時代に大旦那であった近衛家(このえけ)から移築した表玄関を使用した古いもの。
・客殿には田村月樵(たむらげっしょう)が16才の頃に彫った毘沙門天曼荼羅の版木が飾られている。

 

ムカデが財運・金運を呼ぶという信仰に関しては、鞍馬寺にも同じような話があったなぁ…と思いながら、説明をきいていました。

鞍馬山 由岐神社を出て本殿金堂へ。金剛床を歩き回る。
鞍馬山 由岐神社を出て、九十九折り参道を歩き、本殿金堂へ。裏テーマ『パワースポットを教えてもらう+探す』を掲げ、金剛床をウロウロしました。私だけのパワスポ探求。御朱印も。

勝林寺の秋の特別拝観、寺宝の説明を聴き終わるまでに必要な時間は本堂と御前立ち周辺を合わせても10分もかかりませんでした。が、豊富な情報量…かなり聞き漏らした感じもします。この説明は特別会館期間中、常時行われています。10分ほどなので、少し待ってでも、最初から最後まで聞かれることをオススメします。次に秘仏の御本尊毘沙門天が公開されるのは、お正月。一ヶ月後ですが、その後はまた秋までお目にかかることはできません。

定朝作と言われて改めて、秘仏の御本尊様を拝顔すると、毘沙門天様としては柔和かなぁ…?と思えてくるので不思議です。

その後、毘沙門天曼荼羅の版木を用意されていた懐中電灯で見て、客殿奥のお庭を座って拝見し、再び本堂を出て前のお庭へ。

センスがわかる、勝林寺での写真撮影。

秋の勝林寺は特にインスタ映えする、紅葉の名所です。この秋は花手水や花小鉢も多く設置され、紅葉だけではない美しさもあります。公式Twitterのハッシュタグに や が使われるほど。カメラを構える人が多い中、いかに綺麗に撮影するか?ということまで含め、撮影センスが問われるお寺でもあります。

2018年の京都は真夏の酷暑、台風被害など、多くの自然災害が起こりました。また、例年に比べて暖かな秋になっているため、ご老人たちから「この秋はも一つやな」という声もチラホラ。それでもやっぱり綺麗だと思える、京都の秋。自分だけのお気に入りの写真を撮影するのも、寺社巡りの楽しみの一つです。

勝林寺 本堂正面と吉祥紅葉(もみじ)2 20181201

勝林寺 本堂正面と吉祥紅葉(もみじ)2 20181201

勝林寺 境内の紅葉 20181201

勝林寺 境内の紅葉 20181201

勝林寺 紅葉 20181201

勝林寺 紅葉 20181201

花小鉢は人が集まっていればわかるのですが、地面に置かれているため素通りしてしまうことも。思わぬところに置かれていたりします。

勝林寺 花小鉢 20181201

勝林寺 花小鉢 20181201

勝林寺 境内紅葉を見上げて 20181201

勝林寺 境内紅葉を見上げて 20181201

帰り際、再び花手水を覗いたところ、最初には気がつかなかった紅葉が一葉。花手水だけでは季節感がわからなくなりがちですが、色づいた紅葉が一葉あるだけで、秋らしさを感じられるなぁ…と思った次第です。

勝林寺 花小鉢 20181201 2

勝林寺 花手水2 20181201

ちなみに、堂内は撮影禁止です。堂内から外の紅葉を写すのはかろうじてOKかもしれませんが、堂内が写らないよう、ご配慮を。

勝林寺 平成30年秋の特別拝観 日没後限定御朱印とパンフレット

季節ごとに使用する和紙の柄を変え、常に多くの種類の御朱印を拝受することが出来る、勝林寺。基本的には書き置きの御朱印がメインですが、直書きの御朱印をいただくことも可能です(人数制限あり/詳しくはSNSにて)。ここのところ「手首メンテナンス」のために直書きが行われない日が出て来ていることが少し心配です。

今回私が頂いた御朱印は「夜吉祥紅葉」と名付けられた書き置きで見開きの御朱印(800円)。日没後、期間中毎日50体限定で授与されているものです。他にも特別拝観限定の御朱印が用意されていたのですが、せっかくなので数量限定のものを頂いてまいりました。実際の御朱印はもう少し紅葉の色は明るく、黄土色に見えるところは金色です。

勝林寺限定御朱印

夜吉祥紅葉 見開き御朱印 期間中毎日50体限定・書き置き(800円)

 

過去に頂いた御朱印はこちら↓

【東福寺塔頭】勝林寺 豊富な御朱印と花手水が人気のお寺
東福寺塔頭の一つ、勝林寺。勝林寺は御朱印の多様さと座禅やヨガ、写経や写仏などの体験が出来ることから、いつ訪れても参拝客が多いお寺です。SNSで発信される情報量も非常に豊富。書置の御朱印がメインですが、台紙が変わるので全ての御朱印が限定じゃないか?と思うお寺です。【追記】2019年7月、再訪。花手水の写真と限定御朱印を追加しました。

今回、入り口で拝観料を支払った際に拝観用チケットとパンフレットを頂きました。帰宅後、前回参拝時に頂いたパンフレットを確認したところ、パンフレットが変更になっていました。毘沙門天像の全身の姿ではなくなってしまいましたが、お顔がよりはっきりとわかる新しいパンフレット。特別拝観の文字はないので、特別拝観限定のものではないと思います。内容も一部変更になっていましたが、大きく変わった訳ではありませんでした。

勝林寺パンフレット

勝林寺パンフレット(左が今回、右は2018年1月)

 

勝林寺のSNS

ほぼ毎日、翌日の御朱印の直書きに関するお知らせと坐禅体験の空き状況を発信している、勝林寺。京都の中でもここまでインターネットやSNSを上手に使っているお寺はないのではないでしょうか?坐禅体験を始めとする体験は、公式サイトからも申し込みができます。また、公式サイトでは過去に取り扱われた御朱印を見ることもできます。

勝林寺公式twitter

勝林寺Facebookページ

勝林寺Instagram

実は秋は東福寺周辺は非常に混み合い、通ることを避けていた場所でもありました。この秋はなぜか何度も足を運びましたが、これもご縁なのでしょう。ありがたいお話です。

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その時期だけ…というところも。タイミングが合ったなら、それも御縁です。

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【東福寺塔頭】龍吟庵 2019年秋の特別拝観へ。
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