・霊明殿前、常に整えられた菊の御紋の白砂
・触れられそうな距離で見ることが出来る、食堂の走り大黒天像
雲龍院 概要
名称 | 雲龍院 (うんりゅういん) |
山号 | 瑠璃山 |
御本尊 | 薬師如来 | 脇侍/安置仏 | 日光菩薩/月光菩薩 |
開基 | 後光厳天皇 | 宗派 | 真言宗泉涌寺派 |
所在地 | 京都府京都市東山区泉涌寺山内町36 | ||
最寄りの公共交通機関 | JR奈良線/京阪電鉄 東福寺駅 徒歩 → 約20分 京都市営バス 泉涌寺道 → 約15分 |
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拝観時間等 | 9:00〜17:00 (受付終了 16:30) |
拝観料(通常) | 400円 |
泉涌寺の別格本山 雲龍院
京都市東山区、泉涌寺の塔頭寺院が集まる泉山の中、泉涌寺(せんにゅうじ)の更に上に、雲龍院があります。泉涌寺の別院・別格本山と言うだけあり、泉涌寺同様皇室と深い関わりがあります。
南北朝時代は北朝の後光厳天皇の勅願により、竹巌聖皐(ちくがんしょうこう)を開山として応安5年(1372年)に龍華院と共に創建された。後円融天皇、後小松天皇、称光天皇など皇室の帰依を受けて発展したとされる。
出典:wikipedia-雲龍院
雲龍院は法要などを除き常時拝観できますが、皇室縁の寺宝などが飾られているということはなく、書院と書院から見られるお庭、本堂などを見させて頂く拝観スタイルです。
雲龍院 参拝は左の門から。
雲龍院へは
1.泉涌寺境内の大門の横から行くルート
2.泉涌寺の駐車場を超えて向かうルート
があります。泉涌寺の境内から向かう場合は泉涌寺の拝観料(大人500円/中学生以下300円)が別途必要となります。
1.2のルートのどちらから向かっても、五本の定規筋が入った塀を挟む2つの門が並んだ場所に辿り着きます。右奥の門は勅使門なので、一般拝観ができる時は閉じられた状態です。参拝の際は左側の開いている門から入り、衆宝観音や「知徳照十方」と書かれた丸い石を見ながら、整えられた石畳の道を進みます。
衆宝観音像はあまり見かけないのですが、目を引く独特の座り方をされています。衆宝観音様を信仰すると財運が高まるという話を聞いたことがあります。あまりお目にかかれない観音様なので、雲龍院で御目通りされることをオススメします。
雲龍院の『へぇ〜』ポイントに従い拝観
雲龍院の拝観受付の正面では、衝立の中から龍が睨みを効かせています。受付で拝観料を支払うと、パンフレットと「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」と書かれた案内用紙を頂くことが出来ます。この「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」、拝観ルートと見所が書かれているため、拝観中は手放すことが出来ません。
御朱印を頂く場合も、受付で御朱印帳を預けます。以前は御朱印帳を預けて番号札を受け取り、帰る際に受付に置かれた番号札のついた御朱印帳を受け取るスタイルでしたが、今回の参拝では食堂に御朱印帳が置かれていました。お抹茶や写経の申し込みも受付で拝観料を支払う際にお願いします。
雲龍院のれんげの間は、座る場所と角度が大事。
「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」に書かれたルートの順に、まずは「れんげの間」へ。れんげの間では、雪見障子のガラスに左から「椿・灯篭・楓・松」を眺められる場所があります。その様子がまるで色紙に描かれた一つ一つの絵の様に見事に当てはまることから、色紙の景色と呼ばれています。
れんげの間の中のどこからもこの景色が見られる訳ではなく、雪見障子に綺麗に納まる場所には紹介文が置かれています。部屋の中を探し歩かなくても誰でも簡単に色紙の景色を楽しめます。また、れんげの間の中は自由に見て回れるので、椿・灯篭・楓・松以外の風景を綺麗に納める場所を探すのも楽しいかもしれません。
そのまま「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」に書かれたルートを進み、大輪の間で大石内蔵助の額を拝見し、霊明殿へ向かいます。
霊明殿と龍華殿。
霊明殿と龍華殿が面する庭は、白い小石で菊の御紋が描かれていて、改めて皇室との縁の深さを感じさせます。「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」でも紹介されていますが、真ん中の灯篭が少し斜めに傾いているのにも謂れがあります。
霊明殿は皇族の位牌堂です。通常非公開なので、中に入ることは出来ません。
後水尾天皇以降の陵墓が後山にあり、霊明殿はその皇族の位牌堂のことで、現在の建物は明治元年に孝明天皇・大宮御所・静寛院宮・各尼門跡宮からの援助を受け建立されました。内陣の中央には、北朝の後光厳天皇、後円融天皇、後小松天皇、称光天皇の御尊牌そして左側には、後水尾天皇から孝明天皇までの歴代天皇、右側には東福門院・普明照院といった江戸時代の皇子・皇女の尊牌が奉安されています。
出典:雲龍院公式サイト-雲龍院のご案内–
本堂の龍華殿は「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」に書かれたルートに従い参拝可能です。通常、写経道場として使われているため、非常に静かです。閉められた障子を開けてお詣りさせて頂くのですが、背筋が伸びるほど静かです。入るとすぐ目の前に写経塔があり驚きますが、ルートに沿って進めば大丈夫です。
随時受付の本堂での御写経は、御水尾天皇より御寄進された写経机が現在もそのまま使用されています。
出典:雲龍院公式サイト-雲龍院のご案内–
雲龍院での写経はお清めから始まり朱墨を使って下敷きをなぞるという、少し変わった写経。終了後にはお抹茶とお菓子を頂きながらお庭を拝観できて1,500円。東寺の食堂での写経が2,000円だったことなどを考えるとお得感のある写経体験なのですが、時間の関係上私はまだ未体験です。泉山だけで一日過ごす!という方にはオススメです。(ちなみに、普段筆を使うことのない私は般若心経の写経に1時間くらいかかります…。)
この龍華殿の正面に勅使門があるのですが、龍華殿の印象が強すぎて撮影を忘れる+印象に残っていません…。
再び雲龍院書院拝観へ。
「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」のルートに従い進むと再び書院へ移動します。悟りの間へ向かう途中、庭園に水琴窟がありました。以前はなかったような…?と思っていたのですが、帰宅後確認したところ、2017年の6月からのようです。こちらの都合で水を掛けられる水琴窟ではないのですが、静かな雲龍院なので、ちゃんと音を確認することが出来ました。
雲龍院では毎年ライトアップが行われていて、2018年に訪れた時もライトアップ期間中でした。そのためあちこちにライトアップ用のライトが置かれています。入って欲しくない場所の前には足止め様に置かれた季節の室礼があるのですが、雰囲気を壊すことなく自然に置かれています。
雲龍院の悟りの間へ
悟りの間にある、四角の「迷いの窓」と、丸い「悟りの窓」。悟りの窓の前には椅子が置かれていて、以前参拝した際には悟りの窓の前でお抹茶を頂きました。迷いの窓は人の生涯の苦を四つの角で現し、悟りの窓は禅の世界の悟りの境地を現すと聞いたことがあります。悟りの窓からは梅の枝を見ることが出来ました。早春には、掛け軸に描かれた様な梅を眺められることでしょう。2018年の秋、悟りの間の奥の障子が開けられていて、グウラデーションになった紅葉を楽しむことが出来ました。この木は季節が進むと真っ赤に色付きます。
二度と見ることが出来ない同じ風景を絵画の様に心に留めることこそが、この窓の役割ではないか?と毎回思います。
迷いの窓・悟りの窓というと、北区にある源光庵が有名ですが、雲龍院の迷いの窓・悟りの窓の方が立ち寄りやすい立地かな?と思います。
そのままルートに従い食堂へ向かい、撮影禁止の鎌倉時代に作られた走り大黒天様へ参拝。この大黒天様、ちょっとお急ぎの感じの厳しめのお顔立ちと玉眼の光具合が最初は怖かったのですが、急いで衆生を助けようとして下さっている…と思うとありがたく思えてくる、不思議な大黒天様です。
食堂で大黒天様へお目通りを終え受付に戻り、拝観終了です。
「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」によると、雲龍院にはサスペンスの女王として名高い山村美紗さんのお墓もあるようです。参拝可能かどうかは受付でお問い合わせください。
雲龍院で頂いた御朱印
頂いて来た「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」とパンフレット。非常に役立つ「雲龍院の『へぇ〜』ポイント」は変更はありませんでしたが、パンフレットは最後に記載されて居た公式サイトのURLとメールアドレスがSNSの紹介に変わっていました。内容に変更が見当たらなかった辺り、情報の発信方法は時代の流れでまた変化して行くのでしょう。
雲龍院で御朱印を頂く際は、拝観料を支払う際に御朱印帳を預け、拝観中に書いていただきます。以前は受付に置かれていた記入済みの御朱印帳、今回の拝観では食堂に置かれていました。御朱印帳の間に挟まれていた紙は、走り大黒天様のもの。実際に飾られている走り大黒天様とはちょっと違う印象ですが、数え歌が書かれていて思わず見入ってしまいます。雲龍院は泉山七福巡りの五番目、大黒天様のお寺。大黒天様の御朱印も頂くことが出来ます(未拝受のため掲載なし)。
雲龍院の公式サイトとSNS
雲龍院では、公式サイトと公式Instagram、公式Facebookがあります。基本的な情報は公式サイト、近々の情報はSNSで確認することが出来ます。四季の移り変わりを楽しめる雲龍院だからこそ、リアルタイムな情報を発信して頂けるのはとてもありがたいことです。ぜひ参拝前にはチェックして見てください。
スマホで撮影したため、薄暗い雰囲気の写真が多めになってしまった雲龍院の書院ですが、実際はもっと明るくて綺麗です。雲龍院は人が少ない穴場スポットと言われることも多いのですが、静かに参拝する人が多いため実際の人数よりも少なく感じられる穴場スポット、という印象です。ぜひ参拝して見てください。
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