・蟇股の印象的な翁
・立派な藤棚、花の季節に期待!
剣神社 概要
名称 | 剣神社 (つるぎじんじゃ) |
創建 | 794年(平安遷都の頃) |
主祭神 | 伊邪那岐命、伊邪那美命、邇邇藝命、白山姫命 | ||
境内社/摂社・末社 | 朝日神明宮 | ||
主なご利益 | 子供の守護・疳虫封じ 神経痛封じ どもり封じ その他諸病平穏 | ||
所在地 |
京都府京都市東山区今熊野剣宮町13
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最寄りの公共交通機関 | 京都市営バス 今熊野/泉涌寺道 → 約7分 JR奈良線/京阪電鉄 東福寺駅 → 約13分 |
剣神社 出会いは一枚のポスター
剣神社(つるぎじんじゃ)を知ったのは、2018年1月、知人と瀧雄神社ー東福寺ー即成院を廻った日のことでした。
東福寺・泉涌寺・智積院・新熊野神社と多くの有名寺社に囲まれた今熊野商店街の店の壁に貼られた一枚のポスター。2018年2月11日に行われた、つるぎ御弓始祭の斎行を知らせる為に貼られたものでした。ポスターを見つけた日も祭事の当日も予定があって伺えないのはわかっていたものの、神社自体が気になり、備忘録として写真に残していました。
京都市内を廻っていると、この様な白と朱色のポスターを見かけることがあります。多くの場合はその地区の小さな神社の祭事を知らせるもので、商店の軒先や町内の掲示板、民家の壁などに貼られています。バスの待ち時間などにチェックしてみてください。

剣神社御弓始祭案内
剣神社 8月と11月の様子。
東山区、東大路通沿いにある今熊野観音寺から東に入った住宅街の中にある、剣神社。カーブに差し掛かる辺りにある剣神社、道路を挟んで反対側に看板が建っています。社殿や鳥居は遠目からは見えにくいので、あまり大きくはないですがこの看板を探して行くと迷いにくいと思います。

剣神社 駐車場の看板

剣神社 正面から
私が探し足りなかったのでしょうか?京都市の駒札は見当たりませんでしたが、社務所が設置した御祭神と「掟之条」が書かれた板と狛犬さんが目に入ってきます。書かれている内容は以下の通り。
掟と言われてしまうと厳しい感じがしますが、神域であるということを理解していればさほど問題がないでしょう。
阿の狛犬さんの正面には、もちろん吽の狛犬さんがいます。この吽の狛犬さん、口の中から何か出していた過去があるのでは…?と思われる、形跡が。詳しくはわかりませんが、マーライオンのようになっていたのでは?と思いながら見ていました。吽の狛犬さんの上には大きな藤棚があります。木肌の苔生した感じ、なかなかの藤棚です。

剣神社 掟之条と吽の狛犬 20180827

剣神社 阿の狛犬と藤棚、奥に社務所 20180827
剣神社 鳥居の中へ。
8月に伺った時にはなかった、鳥居再建のお願いの立札。残念ながら、剣神社も平成30年に京都を襲った災害の被害を受けていました。9月の台風直撃の被害を受けた寺社は多かったのですが、剣神社はそれよりも前の8月に被害を受けた、とのこと。2箇所の入り口付近に立てられていました。

剣神社 鳥居再建のお願いの立札 20181118
手水社と手水鉢。鉢に書かれた「つるぎ」の文字は剣ではなく劔の字。旧字体で書かれた手水鉢、旧字体が常用漢字として使われていた頃に奉納されたものでしょうか?

剣神社 手水社 20181118

剣神社 手水鉢 20181118
剣神社の社殿は一段高い所にあるのですが、その手前に「撫石(なでいし)」があります。この石を撫でてから自分の体の悪いところを撫でるとご加護がいただける、というありがたい石。このように「●●を撫でてから自分の体を撫でてご利益やご加護をいただく」という、びんづるさんの様なものはアチコチにある気がしますが、こんなに大きな石は珍しいのではないでしょうか?
撫石の横にも鳥居があるのですが、11月の参拝の際、8月に伺った際にはなかった鳥居の支えが。もしかしたら、9月の台風の影響を受けたのかもしれません。

剣神社 撫石 20180827

剣神社 撫石 20181118
剣神社 社殿
剣神社の社殿。拝所から。拝所の横にはしっかりと御祭神の伊邪那岐命、伊邪那美命、邇邇藝命(ににぎのみこと)、白山姫命のお名前が書かれていました。この四柱の神様から子供を守るご利益というのは少し謎が残るのですが、伊邪那岐命、伊邪那美命がご夫婦だったことから守っていただける…ということでしょうか?

剣神社 拝所

剣神社 拝所から本殿を覗く。
拝所と本殿の間には、祭事の際や祈祷を受ける人が座れる様に、木製のベンチが置かれています。また、横には少し色あせた絵馬が掛けられていました。
横から入ることができる様になっていたので、失礼して本殿へお詣り。蟇股に見事な彫り物がありました。中国の故事かなんかでしょうか?陽気な表情の翁です。

剣神社 蟇股
本殿の前から横を見ると、左手に祭事と祈祷の案内、右手に絵馬が掛けられていました。また、右に出た所には、木の棒が大量に箱に入れられていました。憶測ですが、お百度を踏む方ようの棒かなぁ?と思います。
剣神社に掛けられていた絵馬は飛魚のものと干支のもの。内陸の京都で飛魚とは…とも思いますが、一説によるとその姿が剣に似ているから…と。そう言われれば納得です。
この絵馬は絵馬蒐集の好事家の間に評判が高い。(石子順造著 「小絵馬図譜」による)
出典:剣神社 由緒略記

剣神社 祈祷案内と祭事

剣神社 絵馬(飛魚)と木の棒
剣神社 境内社
剣神社社殿の横に2つ並んで社殿があります。写真左の大きな方が朝日神明宮、天照大神様が祀られています。左の小さな方はどなたが祀られているのかはわかりませんでしたが、三社宮でした。

剣神社 境内社
境内社の前の石畳の先が竹で作られた鳥居となっていました。倒れたのはここに建てられていた鳥居の様で、すぐ横に大切に保管されていました。
御朱印を頂いた時に伺ったのですが、元号が変わる頃には再興出来るのでは?とのこと。またその時期に伺ってみたいと思います。

剣神社 竹の鳥居

剣神社 置かれた倒れた鳥居

剣神社 歌碑
剣神社 御朱印と由緒略記
剣神社で頂いてきた御朱印と由緒略記(100円)。由緒略記の裏面は神社にある「狛犬」や「鈴」などの説明となっていて、改めて意味を理解するいい機会となりました。鈴がなる音…初見でした、勉強させて頂きました。

剣神社 御朱印と剣神社由緒略記(100円)
泉涌寺の管理下に置かれていたこともある、剣神社。住宅街の中の細い道を抜けると、泉涌寺の総門横へとたどり着くことができます。祭事の日程も明白なので、体験したい方はぜひ日程調整を。
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