・お堂の裏まで是非どうぞ
・ご利益は増運!?
東寺 概要
名称 | 東寺(とうじ) (通称:教王護国寺) |
山号 | 八幡山 |
正式名称 | 金光明四天王教王護国寺秘密伝法院(こんこうみょうしてんのうきょうおうごこくじひみつでんぽういん) 正式名別称:弥勒八幡山総持普賢院(みろくやはちまんさんそうじふげんいん) |
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御本尊 | 薬師如来像 | 脇侍/安置仏 | 日光菩薩/月光菩薩 その他敷地内に多数 |
開基 | 桓武天皇 | 宗派 | 真言宗 |
住所 | 京都府京都市南区九条町1 | ||
最寄りの公共交通機関 | 近鉄東寺駅から徒歩約8〜15分 京都市営バス 東寺東門・東寺南門・九条大宮・東寺西門前 |
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拝観時間等 | 05:00〜16:30、17:00、18:00 (季節によって変わります。夜間拝観も、一度閉門退出後、再入場になります) |
拝観料(通常) | 拝観料:庭園内(金堂講堂含む)500円 ※拝観内容により変動あり・無料で見られる場所もあり |
東寺 太元堂と弁天堂、善女大龍王へ。
東寺の北大門と観智院と蓮池の間の小道の先に、太元堂、弁天堂があります。
この太元堂と弁天堂、五本の筋塀で囲まれた敷地の外側にあるためかどうかは分かりませんが、参拝している人の少ない印象があります。公式サイトでもあまり詳しく説明されていないので、存在を知らない人が多いのかもしれません。
また、2018年12月現在、定規筋を潜り東寺から抜けることができる道を塞いでトイレの工事を行なっているため、定規筋内からは見つけられないかもしれません。
北大門を出入りしなければなかなか気付きにくい場所に建っています。
正面の観智院側にあるのが太元堂、橋を挟んで弁天堂、弁天堂の後ろには善女大龍王を祀るお堂があります。
太元堂の前には、小さなお地蔵様と不動明王の立像。お不動さんは比較的新しく感じました。
公式サイトだけではなく有料拝観でいただくパンフレットにも太元堂や弁天堂の説明は見当たりません。見つけたのは、東寺の中で購入することができる『大師のみてら 東寺』の中の数行のみでした。
太 元 堂 恵運上人が中国より請来した太元帥明王(だいげんすいみょうおう)をお祭りするお堂で、以前は北総門西に利生殿としてありましたが、昭和四年(一九二九)現在地に建立されました。開運の御利益があると信仰を集めています。
出典:大師のみてら 東寺
東寺には講堂や宝物館の中に多くの明王像があり、講堂では常に立体曼荼羅として明王像を拝見することができるのですが、その中に大元帥明王はありません。また、五大明王の中にもその名を連ねてはいません。
密教においては大日如来の功徳により善神へと変じ、その慰撫しがたい大いなる力は国家をも守護する護法の力へと転化させ、明王の総帥となった。 大元帥明王は大元帥の名が示すとおり、明王の最高尊である不動明王に匹敵する霊験を有するとされ、一説には「全ての明王の総帥であることから大元帥の名を冠する」と言われる。
(中略)大元帥明王は国土を護り敵や悪霊の降伏に絶大な功徳を発揮すると言われ、「必勝祈願」や「敵国粉砕」「国土防衛」の祈願として宮中では古くから大元帥明王の秘法(大元帥法)が盛んに厳修されてきた。 なお、軍組織における大元帥や元帥の呼称は、この大元帥明王からきているという説もある。
出典:wikipedia-大元帥明王
東寺では新年の1月8日〜14日まで、鎮護国家、五穀豊穰、国土豊穰を祈願する真言宗の最高の儀式「後七日御修法」が行われます。
密教の最高儀式が行われるお寺に「国土を護り敵や悪霊の降伏に絶大な功徳を発揮する」と言われる大元帥明王が祀られているのは、当然のことなのかもしれません。
なかなかお詣りすることのない大元帥明王。東寺の太元堂でもその姿を拝見することはできませんが、お堂に備え付けられた真言を唱えることで、御縁をいただける気がします。
そして橋を渡った所にある、弁天堂。こちらに関する情報も、『大師のみてら 東寺』に書かれています。
弁 天 堂 弁財天をお祭りする堂で、創建時は不明ですが、現在の堂は江戸後期の天保年間に建立されました。かつては毎年土用の丑の日に大般若の転読が行われ、東寺泥を授けていました。東寺泥は蓮池の泥で、これを塗るとしもやけにかからないといわれていました。
出典:大師のみてら 東寺
創建は不明ながらお堂の建立時はわかっている、東寺の弁天堂。唐破風の下には双竜、そして宝珠が掘られているのがわかります。また、木鼻には獅子が。建立当時の流行りでしょうか?東寺の中では少し色が違うお堂かと思われます。
弁天堂は後ろからお詣りする人も多い様で、後ろにもお賽銭入れが置かれていました。後ろからの方がより近いから、ということでしょうか?小さな窓が宝珠の形になっている辺りからも、大切に信仰されてきたことが伺えます。
後ろからお詣りする形は、伏見稲荷大社の本殿でも取られています。
そして、この後ろからお詣りする場所の正面にあるのが、善女大龍王社。驚くほど小さな鳥居に守られています。善女龍王は雨乞いの神様として有名です。こちらの善女大龍王様は勧請された経緯がわかっています。
善女龍王 弁天堂後方に祀られています。お大師様が神泉苑での雨乞いの修法の際、勧請れた龍王様をお祀りしています。
出典:大師のみてら 東寺
雨乞いの成功により、雨乞いに失敗した官制の西寺より、雨乞いに成功した弘法大師空海率いる東寺の方が力を増して行った…というような話だったと思います。
善女大龍王の横には、善女大龍王社よりも大きなお社。一間社流造のお社ですが、現地にも『大師のみてら 東寺』にも詳しい記載がないため、所以も祀られている方も不明です。
時期にもよりますが、蓮池の橋の下などで甲羅干しをしている多くの亀を見かけることがあります。
東寺北大門入ってすぐの手水舎
北大門を入ると目に入るのが、食堂の裏と東寺の手水舎です。とても大きな手水舎。手水舎と言えば、入り口周辺にあることが多い印象なのですが、東寺の手水舎は私が知る限り、この北大門の入り口と西側の歩行者専用の入り口の2箇所のみ。南大門や慶賀門(駐車場入り口横・東側の入り口の門)付近には手水舎はありません。
食堂・講堂・金堂全てが背を向けた状態のこの北大門に手水舎があるのにも何らかの理由はあるのだろうと思うのですが、通常は裏にあたる場所に設置してあります。なかなか不思議な設置場所です。
人馴れした鳩が時々水を啄む東寺の手水舎。ある程度近づいても逃げて行きません。
東寺 食堂(じきどう)
東寺の中で無料で拝観できる一番大きな建物、食堂。東寺の食堂は現在、西国三十三所巡礼の二十三番札所、納経所(御朱印授与所)、写経や展示スペースとして使われており、比較的人が集まり混雑しています。外は人が居ないのに中に入ると御朱印待ちの人がネグネと列を成していることも、多々あります。
また、毎月21日に東寺で行われている弘法市の日にはこの食堂を一周する形で西国八十八箇所お砂踏み法要が行われています。
この食堂の御本尊は十一面観音様。「無料で拝観できる場所に十一面観音様がいらっしゃる」ということが大きなポイント、東寺の公式サイトの食堂の十一面観音様の写真の下に添えられた一文が物語ります。
ささいな願いをもらさず聞き続ける十一面観音菩薩
この食堂、以前火災にあっています。
食 堂 (前略)昭和五年(一九三〇)火災に罹り、焼損した残材を採用、人災を細くして再建したものです。このとき焼損大破した本尊の千手観音像は、復元修理が行われ、現在は宝物間に保管され、重文に指定されています。(後略)
出典:大師のみてら 東寺
元々御本尊として祀られていた千手観音菩薩像は宝物館が開いている時にしか拝見出来ませんが、非常に大きな迫力ある千手観音様です。この千手観音様は木造ですが黒焦げにならず、修復後の現在も作られた当時のものであろう金箔が残っているのを見ることが出来ます。
千手観音像は火災にあったとは思いにくい状態で残っているのですが、同じこの火災で墨のようになってしまった仏像があります。東寺食堂の左端に4体並んで立つ四天王です。この四天王、平安時代に作られた木製の大きな四天王ですが、光背や腕、持物(じぶつ)を失いながらも、樹脂で修復され、今も尚立ち続けています。
食堂内は奥の壁沿いの十一面観音像や四天王像、入り口入ってすぐ左手の納経所以外の配置が頻繁に変わります。そのため四天王像に近づかなければそのお姿をしっかり見ることが出来ないこともあります。四天王像は近くまで行くことができるので、物販用に立てられたパーテーションの奥まで入ってみてください。
東寺 食堂前 夜叉神堂
東寺の食堂前で食堂に背を向けて建つ小さなお堂が2つあります。この2つが夜叉神堂です。この2箇所、ガラス(ではないと思います)が少し曇っているので、通りがかりにパッと見るだけでは中の雄夜叉・雌夜叉共に見ることが出来ません。顔を付けるくらいの距離まで近づいて見てください。目が合うとドキっとするので、心してどうぞ。
聖観音像
食堂と御影堂の間に建つ、聖観音。こちらは柳谷観音から勧請されたという観音様です。戦中に金属供出されたものを戦後に復元したもののため、比較的新しい観音様です。詳しい説明などはがないため素通りする方も多いのですが、熱心にお詣りされている地元の方(手ぶらで来られている方)を見かけます。
東寺 御朱印 愛染明王
東寺でいただける9種類の御朱印の一つ、愛染明王様の御朱印です。愛染明王様は毘沙門堂や観智院、宝物館にいらっしゃいます。煩悩を悟りに変えていただける、ありがたい明王様。
今回紹介した場所は、全部無料で拝観出来るエリアです。気軽にフラっと散策してみてください。お時間と予算が許す方は、御影堂などで販売されている「大師のみてら 東寺」(300円)を片手に回られると、より深く東寺を楽しむことができます。
東寺は他にも見所満載、ぜひ好きな場所を見つけてください。
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