今熊野にある、新熊野神社
・神仏合祀の熊野信仰が京都で学べる
・参加出来る神事/祭事が多い
京都市東山区には、今熊野(いまぐまの)という地名があります。
この地にある新熊野神社は、新熊野と書いて「いまくまの」と読みます。
※2016年9月22日
当社が「新熊野」と書いて「いまくまの」と読むのは、紀州の古い熊野に対する京の新しい熊野、紀州の昔の熊野に対する京の今の熊野という当時の都人の認識が、その由来となっています。
出典:新熊野神社 公式サイト-御由緒
京都での熊野信仰の中心的な認識だったのでしょう。その名の通りの新熊野神社では『京の熊野古道』として境内の一角で熊野信仰の教えや考え方を紹介しています。
京都には「熊野神社」「熊野若王子神社」という熊野系の神社があり、京都三熊野の一つが今熊野神社です。新熊野神社の先代の宮司さんは熊野神道系の宮司さんの講師(先生?)をされていたそうで、この新熊野神社の知識の濃さは、先代譲りなのでしょうか?
京の熊野古道とは?
本殿の奥から本殿の背後の丘に設置された摂社末社と熊野神社の説明が、新熊野神社の京の熊野古道です。ここでは熊野信仰の説明がギッシリされています。全部を理解するためには、ある程度の国造りの知識と仏教の知識、歴史的知識が必要かもしれません。
このように、どの社にどの神様がいらっしゃるのか?を記載した看板が建っているのですが、神仏習合の世界ではこの神様はこの仏様、というのがあり、事前に知識がないととても難解に思え、混乱してしまいます。
神は姿形がありません。従って、神を描こうとすれば仏で代替するしかないのです。仏を拝むことは神を拝むことであり、神を拝むことは仏を拝むことでもある。日本人にこの信仰があるから、仏で以って神の世界を描くことができるのです。
出典:新熊野神社公式サイト-境内案内
その他にも、熊野曼荼羅や八咫烏など、多くの説明があります。文字だけではないので、じっくり見て、熊野信仰の考えに触れてみてください。
また、新熊野神社の境内や本殿前に植えられた梛の木も熊野信仰にはかかせない木。熊野系の神社では熊野権現の御神木として扱われている木です。『災いを薙ぎ払う』『(海の)凪』など様々な意味から、厄除や道中安全のお守りにされて来ました。
秋分の日は大樟祭 2016年の様子と2017年の様子
秋分の日に行われる、新熊野神社の大樟祭。2年連続で新熊野神社の大樟祭の祭事に参加させて頂きました。
2016年 大樟祭
2016年は、今熊野観音寺のお砂踏法要の後で新熊野神社の大樟祭に伺いましたが、お祭りの少し前から、雨が降り始めました。
大樟祭の主役は、東大路通沿いにある大樟です。この樟の木は石碑にも書かれている様に、後白河上皇が自らの手で植えたと言われています。
※2016年のお祭の看板と大樟
雨で、外で行われる予定だった神事が本殿での神事に変更になり、本殿に入り切れなかった人が外から多く眺めていました(私もその1人)。ガラス越しで撮影したため、かなり画質が悪いです。
この時は新熊野神社の宮司さんによる祝詞の後で、今熊野観音寺の御住職により般若心経が読まれるなど、神仏習合の色が濃い神事となりました。
2017年 大樟祭
2017年の大樟祭は、曇り空ではあるものの境内で行われました。
最初に樟に向かって作られた祭壇で神事が行われ、参加者一同、宮司さんから説明とお祓いを受けました。『禊(みそぎ)とは、身についた穢れを身の一部を削ぐかのように取り払い、清めること。』のようなことをおっしゃっていたのが印象的でした。
そして、水に見立てた紙と塩を一緒に撒いてもらい、心も身体も清めて頂いてから、人生初の玉串奉納をいたしました。神事に参加することが出来てもなかなか玉串奉納までさせてもらえることはなく、非常に貴重な体験となりました。
その後、お供えしていたお神酒とお米を少し頂き、身体の中から清めて頂きました。更に、大樟祭の説明と、うちわ、樟のしおりも頂きました。しおりの裏には樟の押し葉が挟まれていました。
空手道場の先生と生徒による古武者舞、バレエ教室の生徒による子鳥田楽、神歌の翁、申能楽の白髭、これら全てが、今熊野猿楽として奉納されました。2017年は説明書きを頂いたので,非常にわかりやすかったです。また合間には、宮司さん自ら、動きやその意味の説明もありました。
新熊野神社は能楽発祥の地でもあるのです。
永和元年(1375年)、室町幕府の三代将軍足利義満は、京都の今熊野において、観阿弥とその息子の世阿弥による猿楽を鑑賞した。彼らの芸に感銘を受けた義満は、観阿弥・世阿弥親子の結崎座を庇護した。これがのちの観世座の前身である。
出典:wikipedia-猿楽
来年の大樟祭はどんな神事になるのか、今から楽しみです!
新熊野神社の御朱印
新熊野神社の御朱印は、現在4種類。日付以外はスタンプですが、からす文字で書かれているので、見ていて楽しくなるものばかりです。
新熊野神社 概要
名称 | 新熊野神社 | 創建 | 1160年 後白河法皇 |
主祭神 | 熊野牟須美大神(伊弉冉尊) 樟大権現 その他 | ||
境内社/摂社・末社 | 上ノ社 中ノ社 若宮社 下ノ社 樟社 | ||
主なご利益 | お腹の病によく効きます。 | ||
所在地 | 京都市東山区今熊野椥ノ森町42 | ||
最寄りの公共交通機関 | 京都市営バス今熊野バス停下車 徒歩3分 |
新嘗祭の時期の火焚祭も山伏の恰好をした人が居てなかなかの迫力でしたが、このお祭りも今年は去年と変わるのでしょうか?
屋根の上には、阿吽の八咫烏。すぐにみつかります、探して見てください。
2018年 節分祭のお知らせ
2018年1月に参拝した際、節分祭と月次祭および講座のお知らせが張り出されていました。こちらの新熊野神社は本当に参加出来るものが多いのが、ありがたいと思います。その場で聞く大祓は、どこの神社で聞いてもやはり迫力と空気感があり、ありがたいものです。
お時間が合えば、是非。
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