東寺の秋の特別拝観は、本当に特別。
・夜の講堂で後背の透かし模様を楽しむ
2017年秋期特別拝観が近づいて来ました。
東寺さんの秋期特別拝観は本当に特別です。
2017年秋期特別拝観で公開されるのは
・宝物館
・国宝 観智院
・国宝 五重塔(初層)
・講堂
です。
観智院は2017年の春から3年ぶりに公開が再開されました。この秋の特別公開でどのような形が取られるのかわかりませんが、毎年特別公開の時期には詳しい人が待機していて、説明を聞き、その場で質問することが出来ます。
2017年 東寺 秋期特別拝観
↓2017 紅葉ライトアップと金堂・講堂夜間特別拝観に行ってきました。
昼の特別拝観と夜の特別拝観の違い
東寺の昼間の特別拝観では、宝物館や非公開施設の拝観が出来ますが、夜間特別拝観では、特別公開の施設や宝物館の公開はされていません。食堂も太子堂も閉まっています。食堂が閉まっているため、御朱印は頂けません。
夜間特別拝観ではライトアップされた庭園と金堂、講堂のみが公開されます。
春の夜間特別拝観でもそうですが、夜間特別拝観では東寺の庭の池に映し出された桜や紅葉を写す人が多く、水辺には多くの人がカメラを持って順番待ちをしています。
2016年11月18日の夜の東寺五重塔と、2016年11月17日昼間の東寺の五重塔です。
正直な話、東寺は山から少し離れた平地にあるので、京都の寺社の紅葉の中ではさほどオススメな紅葉スポットではありません。
写真に納めるとそこそこ綺麗に見えますが、ライトアップ効果です。
※2012年12月2日 銀杏は綺麗に色づきます。
金堂・講堂の拝観は、夜がオススメ
2017年の秋期特別公開では、講堂で『曼荼羅世界に入る』が予定されています。
東寺公式サイトでの説明に360°とあるように、通常は正面から見るだけの立体曼荼羅(りったいまんだら)の須弥壇(しゅみだん)の後ろも見られように通路が解放されます。
昼間に立体曼荼羅の後ろを歩くのも良いのですが、夜が絶対オススメです。
須弥壇中央には大日如来を中心とする五体の如来像(五仏、五智如来)、向かって右(東方)には金剛波羅密多菩薩を中心とする五体の菩薩像(五大菩薩、五菩薩)、向かって左(西方)には不動明王を中心とした五体の明王像(五大明王)が安置されている。また、須弥壇の東西端にはそれぞれ梵天・帝釈天像、須弥壇の四隅には四天王像が安置されている。以上、全部で21体の彫像が整然と安置され、羯磨曼荼羅(立体曼荼羅)を構成している。
出典:wilipedia-東寺
簡単に言ってしまうと、立体曼荼羅とは、密教における曼荼羅図を御仏像を用いることでわかりやすくしたもの。 宇宙を統一する如来とされる最高位の大日如来を中心に、菩薩、明王などが配置されています。
東寺の立体的講堂の二十一体の御仏像は、ほとんどが国宝と重要文化財で構成されています。
昼間は人の出入りの度に光が入るのですが、夜は人の出入りがあっても光が入らないため、御仏像の後背の透かし模様がずっと同じ様子で後ろの壁に映し出され続けているのです。
須弥壇の後ろの壁と御仏像の間を歩くことで、自分の服や手にも後背の透かし模様の影が映し出されます。自分に映った後背の影を見たら立ち止まって、どの御仏像の後背の模様なのか?を見上げてみてください。
長年焚かれたお香の香りに包まれて、後ろ姿と見事な後背を見て位置を確認して、再び前に戻って御仏像のお顔を見て…そんなことを繰り返していると、立体曼荼羅の須弥壇の周りを何周も廻ってしまいます。
講堂自体が重要文化財指定されている上、二十一体の御仏像の内、十五体は平安時代前期の講堂創建時の像です。古さの違いが一目瞭然なので、見分けることが出来るでしょう。五大明王像の中でもやはる不動明王様の迫力は圧巻です。また、東寺の帝釈天様はイケメンとしても有名で、お土産コーナーでもよく見かけます。
昼間の拝観でも立体曼荼羅の須弥壇の後ろを歩くことが出来るので、アレもコレも全部満喫したい!という人には、昼間の拝観をお勧めします。
小子房と漢頂院が公開された、2016年秋期特別拝観
2016年の秋期特別公開では、前半後半に別れて小子房と漢頂院が公開され、小子房の拝観に出向きました。
小子房は天皇をお迎えする施設。小子房の門を潜ったは、寺務所として使用されているために特別公開中でも非公開です。鎌倉時代に後宇多天皇の修行道場として創建された小子房、現在の建物は昭和9年に再建されたもので、それほど古い建物ではありません。建物内部は撮影禁止です。また、お庭も決められた所しか歩くことが出来ませんでした。正面の太い木は銀杏の木です。紅葉が始まると、葉の色づきが違うのでわかりやすいのですが、この銀杏、はぜの木と共生しています。
160㎝程の門を潜ります。
小子房の見どころは、日本画家の堂本印象(どうもといんしょう)により描かれた鷲の間・雛鶏の間・勅使の間・牡丹の間・瓜の間・枇杷の間という6部屋の障壁画です。また、木々の間から、国宝の蓮華門を内側から垣間見ることが出来ます。
※別の日の国宝 蓮華門。東寺の西を走る壬生通りから。
小子房勅使門を小子房側から。檜皮葺の唐門は、東寺の境内から見ても圧巻です。勅使門からの曲がって整備された砂利は、門と入り口をずらすため。今となっては名残でしかありませんが、すぐに攻撃されない様に、ということだそうです。確かに門と入り口が正面場では、矢ですぐに攻撃され入り口を塞がれてしまいそうです。
宗教的要素は少ないのですが、何故この障壁画のココにこの虫が書かれているのか?など、面白い話が聞けた、小子房でした。
※小子房 勅使門
拝観が行われていないときは、勅使門から覗くだけ、になってしまいます。ですがこの勅使門、両脇には葡萄、扉には大きな菊が彫られた豪華な門です。是非身を乗り出して見てみてください。
東寺もやっぱり筋壁は五本線入りです。
東寺 御朱印 大日如来様
講堂の立体曼荼羅の真ん中に座する大日如来様。 宇宙を統一する如来、真言密教における中心の如来様です。東寺では弘法大師の次にオススメされる御朱印です。
東寺 概要 と2017秋期特別拝観時間等
名称 | 東寺 (通称:教王護国寺) |
山号 | 八幡山 |
正式名称 | 金光明四天王教王護国寺秘密伝法院(こんこうみょうしてんのうきょうおうごこくじひみつでんぽういん) 正式名別称:弥勒八幡山総持普賢院 |
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御本尊 | 薬師如来像 | 脇侍/安置仏 | 日光菩薩/月光菩薩 その他敷地内に多数 |
開基 | 桓武天皇 | 宗派 | 真言宗 |
所在地 | 京都府京都市南区九条町1 | ||
最寄りの公共交通機関 | 近鉄東寺駅から徒歩約8〜15分(どの入り口から入るかにより異なります。) 京都市営バス 東寺東門・東寺南門・九条大宮・東寺西門前 |
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拝観時間等(通常) | 05:00〜16:30、17:00、18:00 (季節によって変わります。夜間拝観も、一度閉門退出後、再入場になります) |
拝観料(通常) | 拝観料:庭園内(金堂講堂含む)500円 ※拝観内容により変動あり・無料で見られる場所もあり |
2017 紅葉ライトアップと 金堂・講堂夜間特別拝観 時間 (10/28〜12/10) |
18:30~21:30 (拝観受付は21:00まで) |
2017 紅葉ライトアップと 金堂・講堂夜間特別拝観 拝観料金 |
大人 1000円 中学生以下 500円 |
2017 秋期夜間拝観拝観料 | 大人 500円(宝物館のみ) 9/20〜10/27(金堂・講堂・小子房・宝物館の共通拝観)1,000円 10/28〜11/25(金堂・講堂・小子房・宝物館・五重塔初層の共通拝観)1,300円 11/26〜12/10(金堂・講堂・小子房・五重塔初層の共通拝観)1,000円 セットの入場券は15:30までの販売、拝観受付は16:30までです。 |
東寺は他にも見どころいっぱい。
夜間拝観料金がまた値上げされました…去年は800円でしたよね?
立体曼荼羅は、娘も大好き。立体曼荼羅の不動明王像を見て、『あの不動明王の膝で眠りたい』と言った彼女はツワモノ。
念持仏が不動明王立像の我家に生まれた彼女には、睨みを利かせたお不動さんも怖くないようです。
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