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熊野若王子神社 哲学の道の始まりは熊野詣のスタート地点。

熊野若王子神社 概要

名称 熊野若王子神社
(くまのにゃくおうじじんじゃ)
創建 1160(永暦元)年
主祭神 国常立神 伊佐那岐神 伊佐那美神 天照大神
境内社/摂社・末社 夷川恵比須神社、三解社、山神社、滝宮神社
主なご利益 学業成就 商売繁昌
所在地 京都市左京区若王子町2番地
最寄りの公共交通機関

哲学の道の南端にある熊野若王子神社。

京都市左京区。桜や紅葉、自然がすごく近くで楽しめる上に有名な寺社が近くにあることで人気の哲学の道。

明治の頃、文人が多く住むようになり「文人の道」と称されていた。その後、京都大学の哲学者・西田幾多郎や田辺元らが好んで散策し、思案を巡らしたことから「哲学の小径」といわれたり、「散策の道」「思索の道」「疏水の小径」などと呼ばれた。1972年(昭和47年)、地元住民が保存運動を進めるに際し、相談した結果「哲学の道」と決まりその名前で親しまれるようになった。

出典:wikipedia-哲学の道

その哲学の道の南の端、冷泉通若王子橋を山に向かい道なりに歩いてすぐのところに、熊野若王子神社(くまのにゃくおうじじんじゃ)があります。

若王子橋 20170504

若王子橋 20170504

熊野若王子神社へ伺うのは2度目。2017年5月4日と2019年6月2日の写真を織り交ぜています。

若王子橋から続く道を進むとすぐに、熊野若王子神社の最初の鳥居が見えて来ます。この鳥居の手前には梛の木、奥に見えるのは境内社の恵比寿殿。

熊野若王子神社 鳥居 20170504

熊野若王子神社 鳥居 20170504

熊野若王子神社 鳥居 20190602

熊野若王子神社 鳥居 20190602

2017年にはあった梛の木が、今回の訪問では途中で伐採されていました。台風か何かで折れたのかもしれませんが、木に絡まる植物の様子から見る梛の木に何かが起こったのはつい最近のことではない雰囲気。熊野信仰において梛の木は熊野のご神木と考えられている、非常に大切な木。なんらかのアクシデントがあったことは想像に難くありません。全ての苦難を『ナギはらう』梛の木だけに、その身を呈して苦難を薙ぎ払ってくれたのかもしれません。

熊野若王子神社の梛の木は、説明に「京都府内で最も古い梛の木」と書かれているだけに非常に気になります。

熊野若王子神社 梛の木

熊野若王子神社 梛の木

熊野若王子神社 鳥居を潜り境内へ。

梛の木がある鳥居のを潜り正面に建つ恵比寿殿。末社の夷川社の御祭神の等身大の坐像があります。朗らかな笑みの印象が強い恵比寿様ですが、熊野若王子神社の恵比寿様は等身大の坐像ということで、大きくて黒く、とても勇ましく強そうな印象を受けます。2017年に参拝した際、神職の方から色々なお話を聞かせて頂きその内容を当時のブログに書いていたのですが、「御所の辺りの夷川通りにいらっしゃったものが応仁の乱の際に『御所の真東へ』という神託(?)を請け、こちらにいらっしゃった。」のだとか。

熊野若王子神社 恵比寿社 説明20170504

熊野若王子神社 恵比寿社 説明20170504

熊野若王子神社 説明 20170504

熊野若王子神社 説明 20170504

熊野若王子神社の社殿は、恵比寿殿の横に並んで建てられています。恵比寿殿の前からそのまま向かうと、一段下に居る牛さんと狛犬さんたちを見落としてしまいます。神社の中に座る牛さんを見るのは珍しいことではないのですが、熊野若王子神社には道真さんは祀られていないはず…何の御縁でこちらにいらっしゃるのかは不明です。私がなぜ?と思っているからでしょうか?少し怒った表情に見えて来ます。

熊野若王子神社 20170504

熊野若王子神社 20170504

永暦元年(1160)後白河法皇が、熊野権を勧請して建立した若王子の鎮守社で、社名は天照大神の別称「若一王子」に因んでこのように名付けられた。

出典:京都観光Navi-熊野若王子神社

2017年の参拝の際に神職さんからお伺いした話によると、京都の三熊野の中で一番最初に建てられたのが熊野神社、その後三山を作る為に今熊野神社と熊野若王子神社を建立し、熊野神社は速玉大社を、今熊野神社は那智本宮を、熊野若王子神社は那智大社を表し、京都の中で熊野三山を表しています。かつて京都から熊野詣を目指した人たちは、この熊野若王子神社の背後の山の滝で身を清めてから熊野に出向いた、熊野詣の起点となっていた神聖な場所です。

熊野若王子神社 本殿 20170504

熊野若王子神社 社殿 20170504

社殿に掲げられた扁額。この「熊野大権現」の文字の中には烏が隠れています。何羽いるように見えるか?は人によって違うとのこと。正解も不正解もないようです。

熊野若王子神社 扁額 20190602

熊野若王子神社 扁額 20190602

宝形は神社境内に昔地仏堂があった名残。神仏分離で熊野若王子神社から移された薬師如来像は、国宝として奈良国立博物館に所蔵されているそう。

熊野若王子神社 宝形 20190

熊野若王子神社 宝形 20190602

本殿の前に手水舎があり、その横に藤棚と休憩できるスペースがあります。

熊野若王子神社 手水社 20190602

熊野若王子神社 手水社 20190602

熊野若王子神社 藤 20170504

熊野若王子神社 藤 20170504

なぜ入り口から離れたところに手水舎が…?と思いがちですが、私が入って来た鳥居とは別のところにも入り口があります。最初の鳥居を潜らずにそのまま道なりに山へ向かって歩くと、木々の合間に小さな橋があります。この橋を渡り熊野若王子神社の境内に入ると、手水舎の横から入ることが出来ます。この橋も寄贈されたもので…という歴史があったように思うのですが、詳細を思い出すことが出来ません。

熊野若王子神社 道路から 20190602

熊野若王子神社 道路から 20190602

熊野若王子神社で頂いた御朱印。

2017年の参拝の際に頂いたものと2019年に頂いた御朱印。授与所が新たに用意されていたのが大きな特徴でしょうか?また、前回は神職の方に書いて頂き、その日の終わりがけだったこともあり色々混み入ったお話もお聞かせ頂けたのですが、今回は巫女さんに書いて頂きました。基本の御朱印は変わっていませんでしたが、末社の御朱印が作られていました。2017年にお伺いした際、「●●神社は×種類もあるんですか…!」と驚かれていた、神職の方とのやりとりが思い起こされました。

熊野若王子神社 御朱印

熊野若王子神社 御朱印

熊野若王子神社 御朱印 20190602

熊野若王子神社御朱印 20190602

2017年に参拝した際の私の感想は↓

一番のオススメポイントは、社務所で御朱印をくださった、神職の方。
社務所で御朱印を頂いている間に洛中三熊野のお話や恵比須様がこちらにいらしたお話をお伺いしました。歴史年号等スラスラとおっしゃるので、実は付いて行くのが大変でした。
私のイメージする京都の人、という感じで、『応仁の乱なんて最近』という語り口。
非常に博学で楽しい神職さんでした。

ということで、今回は御朱印と日本手拭いを頂いて参拝終了です。もみじと桜の柄が素敵だったので頂いて来た日本手拭い。そういえば、熊野若王子神社は桜が多く植えられている桜の名所でもありました。

熊野若王子神社 授与品 20190602

熊野若王子神社 授与品 20190602

熊野若王子神社 授与所前から 20190602

熊野若王子神社 授与所前から 20190602

いつも哲学の道を南下して来るために遅い時間の参拝となってしまう、熊野若王子神社。今度は北上するルートで参拝して、背後の山にあるという末社にもお詣り出来たらなぁ…と思います。

若王子橋 20190602

若王子橋 20190602

 

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