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金札宮 金のお札が降ってきた!?

金札宮 概要

名称 金札宮
(きんさつぐう)
創建 天平勝宝二年(750年) また
貞観年間(859年-876年)
主祭神 天太玉命(白菊大明神)様 天照大御神様 倉稲魂命様
境内社/摂社・末社 公岡稲荷大明神 大國主命 事代主命 恵比須社 金刀比羅社 橋吉稲荷社 常盤稲荷社
主なご利益 五穀豊育 火難除去 家運隆昌 開運 幸運
所在地 京都府京都市伏見区鷹匠町八番地
最寄りの公共交通機関 京阪電車/近鉄京都線:丹波橋駅下車 徒歩約5分

 

・伏見の最も古い神社の一つ
・優しい彫物に囲まれた社殿
・宮司さんが親切丁寧

天太玉命(あめのふとだまのみこと)様にご挨拶に。

あちこちの神社にお詣りを続けていると、あちこちで同じ神様にお目見えします。それでも、未だに初めましての神様が大勢いらっしゃいます。八百万ですから仕方ありません。

今回はじめましてのご挨拶に伺ったのは、京都市伏見区にある「金札宮(きんさつぐう)」、天太玉命様に御見知りおきいただくのが目的です。

「金札宮」金に札(さつ)とは、なんて縁起の良さそうな名前なんだろう!というのが、第一印象でした。お金(おかね)とお札(おさつ)と思ったあなた、私と仲良くなれそうです。

金札宮の正面です。移転を繰り返しこの地に辿り着いた金札宮、今はそんなに大きな神社ではありませんが、昔は白菊井と呼ばれる名水があり、御香宮神社と変わらない規模の神社だったそうです。境内が駐車場になっているためわかりにくいですが、手を清める水盤は門を入って左側の道路沿いにあります。

金札宮

金札宮手水舎

境内に入ってまず目につくのが、この木。京都市指定天然記念物らしく、京都市による説明が書かれていました。この説明通り1745年から生えているとなると、樹齢250年は優に超えることになります。

金札宮駒札

金札宮駒札

金札宮 本殿へお詣り

本殿前には拝殿と狛犬さん。拝殿と舞殿は迷うこともありますが、舞殿はない所も多いから拝殿かしら?という感じです。金札宮のこの建物はもしかしたら舞殿かもしれませんが、本殿正面にあるので、拝殿の可能性が高いでしょう。

こちら、床がなく毛氈が敷かれた床几(しょうぎ)が置かれているという、少し変わった形になっていて、他の方のお詣りを待つ人が座っているのを見かけました。

現在の社殿は、弘化三年(1846年)伏見奉行内藤豊後守の許可により造営を始め嘉永元年(1848年)完成したものです。
本殿の縁に座る一対の狛犬は実に品良くのびやかで、往時の金札宮の繁栄を物語っています。

出典:金札宮公式サイト-縁起・由緒

金札宮狛犬と拝殿

公式サイトでも紹介されていたように、伸びやかな狛犬さん達。修復の跡が見られますが、優しいとか柔らかな、といった印象の狛犬さん。風格のなせる技、でしょうか?

金札宮狛犬

伏見(高天原より臥して見たる日本の事)に宮居建設中、突然金の札が降り、札には、永く伏見に住んで国土を守らん、という誓が書いてありました。何事かと人々が集まって来るうちに、虚空から声がして、
「我こそは天照大神より遣わされた天太玉命なり、我を拝まんとすれば、なお瑞垣を作るべし」と、聞こえたという話になっております。

出典:金札宮公式サイト-縁起・由緒

金札宮の名の由来は、この話から来ている訳ですが、金をお金、札をお札(さつ)だと思ってしまったのは、私だけではないと思います。本当に金のお札が降って来たかどうかは確かめようがありませんが、そんな事態に遭遇したら、祀るしかありませんよね?

この話は脇能の「金札」にもなっています。

この本殿に祀られているのは、天太玉命(白菊大明神)様 天照大御神様 倉稲魂命様の三柱。八百万の神様の中でも、かなり有名な神様ばかりです。天太玉命は、占いや神事をつかさどる神様、天照大神は伊勢神宮の主祭神、日本人の総氏神で太陽を神格化した神様、倉稲魂命は伏見稲荷大社の主祭神で五穀豊穣の神様です。

岩戸隠れの際、思兼神が考えた天照大神を岩戸から出すための策で良いかどうかを占うため、天児屋命とともに太占(ふとまに)を行った。

出典:wikipedia-フトダマ

金札宮本殿

本殿を見たとき、一番最初に思ったのは「瀧尾神社と同じ形式の神社建築だなぁ」ということ。

瀧尾神社 東福寺駅から徒歩3分 潜む龍を仰ぎ見る
京都でJRから京阪に乗り換える時に多くの人が利用する、東福寺駅。東福寺駅から徒歩2〜3分の所にある、豪華絢爛な彫刻に彩られた瀧尾神社。乗り換えのついでに足を伸ばしたり、東福寺や泉涌寺へのお詣りの際に立ち寄っては如何ですか?(20190407写真追加・変更しました。)

唐風の屋根の拝所やその上の彫刻など、思わず見入ってしまいました。

御朱印をいただいた時に宮司さんにお伺いした所、同じ頃に作られた神社はこのような形式になっているのでは?と。金札宮の宮司さんは滝尾神社の宮司さんともお知り合いだそうで、「瀧尾神社さんは干支があるでしょ?」と。滝尾神社の宮司さん曰く「金札宮の彫刻は優しい雰囲気」だそうです。確かに、目力のある彫刻が隙間なく彫られている瀧尾神社の彫刻に比べて金札宮の彫刻は、弁財天らしき琵琶を持った女性や鳥、鼓など、彫られているモチーフも優しいものが多いので優しい印象を受けるのかもしれません。

金札宮本殿の蟇股

本殿横に、無料のおみくじが置かれていました。筒を振って出た棒に刻まれた本数を数えて該当する番号を見るのですが、所々にじんでいたり達筆だったり…残念ながら「十三番 大吉」ということだけしかわかりませんでした。この形式のおみくじは時々見かけます。

金札宮おみくじ

金札宮 末社

金札宮の末社は、本殿横にえびす様からずらりと並びます。末社のうちの半分がお稲荷様です。

金札宮えびす様

こちらは公岡稲荷大明神様。中にお社が祀られています。公式サイトによると、平成に入ってから鎮座された神様もいらっしゃるようです。

金札宮境内社

金札宮境内社

金札宮 御朱印

今回いただいたのは、天太玉命の御朱印です。金札宮では1月の恵比寿さん、2月の節分などの祭事に合わせ、限定御朱印を拝受することが出来ます。

宮司さんがお手隙の場合は、御朱印帳を預け「声をかけますので少々お待ちください」と伝えられます。預けてから参拝すると、待つ必要がありません。

金札宮御朱印

※御朱印は変更される可能性があります。

今回、「由緒書きがあったらいただきたいのですが」とお願いした所「こちらでよければ」と自作と思われる沿革を頂戴いたしました。その際、色々お話させていただいたのですが、非常に柔和な方でした。訪れた寺社でこのような対応をいただけると、また伺いたくなります。

金札宮の出入り口は、大黒寺の斜め前になります。大黒寺は大黒寺でなかなかなお寺。是非一緒にお詣りしてください。

大黒寺【通称 薩摩寺】薩摩藩の躍進は、出世大黒天のおかげ!?
2018年のNHK大河ドラマ「西郷どん」に合わせた「京の冬の旅」非公開文化財特別公開の1つ、伏見区の大黒寺に行って参りました。本堂や西郷隆盛ら、幕末の動乱の中心人物が会談を行った部屋を説明を聴きながら拝観!

金札宮・大黒寺の前を走る道路は一車線、区役所も近く、伏見区民の生活道路として交通量も多いです。参拝の際はどうぞお気をつけて。

20211028 金札宮 再訪

仕事終わりに所用があり歩いていたところ、金札宮前を通りかかりました。時刻は17時半過ぎ程。煌々と照らされた提灯に惹かれ、フラフラと参拝してまいりました。

金札宮 20211028

金札宮 20211028

前回は平成29年だったため、久々の金札宮。夜ということもあり、多くの境内社は遠慮しましたが、参拝するには困らない明るさでした。

社務所は閉まっていましたが御朱印が選べるように飾られていました。以前は一種類のみでしたが、今は4.5種類あるよう。これは明るい時間に再訪決定です。

金札宮 拝殿 20211028

金札宮 拝殿 20211028

ということで、すぐ再訪してまいりました。


仕事の合間だったため、写真はなしです。
選べるように飾られた御朱印を頂こうと社務所の受付の下に設置された呼び鈴を押すとすぐご対応いただけました。スキャンの関係で漉き込んである模様は見えませんが、金糸模様の和紙を使った見開きの白菊大明神の御朱印。同じ和紙で天太玉命の御朱印もありました。この御朱印と木札で1500円。「何の記念の御朱印ですか?」と伺ったところ、毎月数量限定で用意されているものが今日まで残っていた、とのこと。他にも節分や大祭の折には限定の御朱印が用意される、とも教えていただきました。

金札宮 記念限定御朱印 20211115

金札宮 記念限定御朱印 20211115

そして、金札恵比寿のものと天照大御神のもの。コロナ禍の影響なのか、全て書置きと書かれていました。こちらもスキャンの関係で模様が飛んでしまいましたが、透かし模様の入った綺麗な和紙です。

金札宮 御朱印 20211115

金札宮 御朱印 20211115

金札宮で用意されている御朱印は、2021年11月現在【天太玉命・白菊大明神・天照大御神・金札恵比寿】の4種類のようです。

御香宮神社まで、徒歩20分もかからないくらい。ふらふら京都散策に持ってこいです。

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