真夏の鞍馬山 山越え
この夏、関東から京都に来た友人に付き合い、鞍馬寺〜貴船神社への山越えに出向いて参りました。私は2度目の鞍馬山の山越え。考えただけで恐ろしい無謀なチャレンジ盛夏の山越え、京都の最高気温35℃の日でしたが、最後には自然からのご褒美が待っていました。
まずは鞍馬の地まで
JR京都駅から出発した鞍馬行き。
鞍馬山は京都市左京区にありますが、街中からは少し距離があります。
今回の山越えは、徒歩で鞍馬駅から貴船神社まで歩き、貴船神社の近くからバスで貴船口駅まで向かうというルート。天狗の団扇を持っていれば、いきなり頂上でもどこでも好きな所へ行けるのですが、残念ながら、自分の足が頼りの私。
JR奈良線 京都駅から東福寺駅(1駅目:乗車時間3分)
↓ (駅構内で乗り換え出来ます)
京阪電鉄京阪本線 東福寺駅から出町柳駅(6駅目(終点)乗車時間:約15分)
↓ (地下通路から地上へ、約5分程)
叡山電鉄鞍馬線 出町柳駅(始発駅)から鞍馬駅(16駅目(終点)乗車時間:30分)
※京都市営地下鉄烏丸線京都駅 から 烏丸線国際会館駅 下車 → 京都バス乗車 という行き方もあります。

↑東福寺で乗り換えの際は、寄り道推奨。
早朝などを除き15分に1本位の間隔で走行している叡山電鉄鞍馬線ですが、1両〜2両編成と乗車出来る人数が少なく、また地元の人の大切な交通手段でもあるため、土日は混雑しています。始発駅の出町柳駅から終点の鞍馬駅まで座れないこともあります。紅葉シーズンの展望列車や、お祭りなどが行われている日は特に混雑します。
駅での移動や乗り換えなどを考えると、京都駅から1時間程かかります。京都市営地下鉄を利用した場合、途中からバスに乗る必要があります。京都駅から鞍馬に向かう方法としては、渋滞なども避けられる今回のルートが一番オススメで、メジャーなルートです。
※鞍馬寺には駐車場は用意されていません。周辺駐車場をご利用ください。
鞍馬寺の山門 くぐる前の写真撮影とか腹ごしらえとか。
叡山電鉄 鞍馬駅から鞍馬山の山門までは、徒歩で3分程です。駅舎も自然に馴染む優しい雰囲気の駅舎でフォトジェニックですが、駅前に大きな天狗の顔があります。そう、鞍馬と言えば、鞍馬天狗です!
ここでは多くの人が撮影していますが、駅の中にも天狗は居ます、是非探してみてください。
駅を出てから山門までの3分という短い距離の間に、数店の食事処があります。一旦鞍馬山に登り始めると、途中の洗心亭まで食事が出来る所はありません。勿論、付近にはコンビニもありません。お昼前後に登り始める場合は、その旨を考慮してください。また、つづら折りの山道には自販機はありません。季節に関わらず飲み物が足りそうかどうか確認して、必要ならば購入しておきましょう。
鞍馬寺山門門前に並ぶお店、多聞堂で買った『牛若餅』1個120円。腹ごしらえに購入。持ち歩きたいと伝えると、袋に入れてもらえます。袋有りの写真は、2016年秋の牛若餅。
こしあんを柔らかなお餅で一口サイズに包んであって美味しいのですが、袋から出す時に変形してしまうのが少し残念…かも。多聞堂では、おだんごやよもぎ餅なども売っていて、誘惑の多いショーケースとなっていました。
鞍馬寺で仁王門と呼ばれる山門。この写真ではわかり辛いのですが、道幅の狭い道路のカーブの位置にあり、歩道もそんなに広くはありません。この道はくらま温泉や峰定寺へ向かう道でもあるので、そこそこ通行量があります。

撮影の際は十分ご注意ください。
紅葉の季節もとても綺麗に色づき人気が高いのですが、青々とした木々に包まれた朱色の山門は、そのコントラスト故に見応えがあります。
山門前には、狛犬ならぬ狛寅(ちょっと角度が悪いですが、虎です。)
しっかり阿吽の虎となっています。
確か左右で造製年月日が違っていたような記憶がありますが…今回は見逃していました。
看板にもあるように、鞍馬寺は鞍馬弘教の総本山です。
鞍馬山には、神代以前からの古神道や陰陽道、修験道等の山岳宗教の要素も含まれています。宗派に捉われない懐の深さは鞍馬寺の宗教伝統となっています。 昭和22年、初代管長信樂香雲は、このような多様な信仰の歴史を統一して鞍馬弘教と名付け、昭和24年、鞍馬寺は鞍馬弘教の総本山となりました。
出典:鞍馬寺公式サイト-歴史
仁王門の名前の通り、門に居るのは仁王様。見ての通り、阿吽で憤怒・筋肉隆々です。仁王様は仏敵から守る為に門に居る守護神、と聞いたことがあります。
そういえば、仁王様って門以外(宝物館など)ではあまり見かけないな…と思って調べた所、金剛力士様が阿吽の二対で門を守っている時のお名前だそうです。宝物館などで見かけないのは金剛力士様として紹介されているからなんだ、と納得しました。
鞍馬山 浄域の中へ。
山門をくぐり、愛山料(300円)を支払い、鞍馬山に入ります。
入り口には山全体を記した地図などが置かれています。この地図は行程順に番号と名所が記してあって、わかりやすい作りとなっているので非常に助かりました。無料の杖の貸し出しもしています。必要かも…と思われる方は、ここで杖立てに立ててある杖を借りて行きましょう。この杖は、途中のあちこちで貸し出し+返却が出来ます。
また、鞍馬寺からお知らせがある場合などもこの入り口に貼られています。混み合う場所ですが、目を通しておきましょう。
※初めて鞍馬寺を参拝した時は11月でしたが、6月の熊の目撃情報に対する注意喚起がされていました。過去には女性の1人歩きに対する注意喚起がされていたこともあるようです。
多くの人が訪れる場所ではありますが、広大な山ですので、人がまばらになる所も多々あります。動物や昆虫も多いです。
神聖な場所とは言え、注意しながら登るに越したことはないようです。
登り始めてすぐ、鳥樞沙摩明王(うすさまみょうおう)殿があります。鳥樞沙摩明王は密教では『烈火で不浄を清浄と化す』と言われる、火神・厠の神様です。
そうです、鳥樞沙摩明王(うすさまみょうおう)殿はお手洗いです。この後しばらくお手洗いはありません。山の中ですが、清潔なお手洗いでした。手を洗った水がやたらと冷たくて、暑い夏の日にはとても気持ちよかったです。
ケーブルカー(鞍馬山鋼索鉄道)の山門駅のケーブル普明殿を通り過ぎ、そのまま登って行くと、九十九折参道の始まりです。ケーブルカーに乗ると多宝塔駅まで2分で行くことが出来ますが、九十九折参道にある名所のほとんどを見ることが出来ません。
鞍馬山 九十九折参道を歩く
九十九折参道を歩き始めると、山の下から順番に、放生池→吉鞍稲荷社→魔王乃滝と鬼一法眼社が参道の右側に現れます。この辺りは全て近い場所にあり、見逃すことはありません。
この辺りの九十九折参道は未舗装で砂利が轢かれています。また、坂というに相応しい坂道が由岐神社まで続きます。
魔王乃滝は上に小さなお社があり、護法魔王尊が祀られているそうです。肉眼では何らかの像が立っている、というのを確認するのが限界で、その姿をはっきりと目にすることは出来ませんでした(私の目が悪いからかもしれません)。
滝とは言うものの、「崖沿いの岩肌を流れ落ちる」ものではなく、落差がある所に樋のようなもので滝口を作り水を落としている、という感じです。
※鬼一法眼社と魔王乃滝
数年前に鞍馬寺の公式サイトを見た時には、魔王乃滝は女人禁制だったと書かれていた気がしたのですが…今回の再訪に合わせて確認した所、書かれていませんでした。修験の山や霊山などの中には昔は女人禁制だった地も多く、鞍馬山が女人禁制だったとしても何の不思議もありません。
鬼一法眼社と魔王乃滝から参道に戻り少し歩くと、すぐに由岐神社に到着します。

鞍馬寺公式サイトは↓
鞍馬寺 概要
名称 | 鞍馬寺 | 山号 | 鞍馬山 |
御本尊 | 尊天 (毘沙門天王・千手観世音菩薩・護法魔王尊) | 脇侍/安置仏 | 阿弥陀如来座像 木造毘沙門天立像 木造吉祥天立像 木造善膩師童子立像 他、山内に多数 |
開基 | 鑑禎 | 宗派 | 鞍馬弘教 (仏教ではありません) |
所在地 | 京都府京都市左京区鞍馬本町1074番地 | ||
最寄りの公共交通機関 | 叡山電鉄 鞍馬駅 京都バス 鞍馬温泉行 鞍馬停留所 | ||
拝観時間等 | 入山は24時間可能 諸堂は9:00~16:30 | 拝観料(通常) | 愛山費として 300円 |
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