・嵐山駅から徒歩圏内、夏は青紅葉、秋は紅葉の名所。
・京都市民が一度は訪れる(?)十三まいりのお寺。
法輪寺 概要
名称 | 法輪寺(ほうりんじ) | 山号 | 智福山 |
御本尊 | 虚空蔵菩薩像 | 脇侍/安置仏 | |
開基 | 行基 | 宗派 | 真言宗五智教団 |
札所 | 京都十三仏霊場 第13番 | ||
所在地 | 京都市西京区嵐山虚空蔵山町68 | ||
最寄りの公共交通機関 | JR山陰本線 嵯峨嵐山駅 → 徒歩約20分 阪急電車嵐山線 / 京福嵐山本線 嵐山駅 → 徒歩約10分 京都市営バス 阪急嵐山駅前下車 → 徒歩約10分 |
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拝観時間等 | 9:00~17:00 | 拝観料(通常) | ー |
狛丑求めて法輪寺へ。
コロナ禍真っ只中のなか迎えた2021年。コロナ禍ということもありお詣りは最低限にしていたのですが、令和三年は丑年ということで狛丑さんを求めて嵐山の法輪寺へ。撫で牛や狛牛は菅原道真公を祀る天神さんが祀られて居る神社ではよく見かけますが、お寺で牛が寝そべっている姿は余り見かけないのではないでしょうか?
ということでまずは寺標。この寺標が立つ前の道路は一車線ですが一方通行ではありません。またバスも多く通る上に歩道もちゃんと整備されていない為、この寺標の影には交通整備の方が座っておられることがあります。また、法輪寺の駐車場へもここから登って行く為、参拝の際は十分ご注意ください。
いつもの京都市設置の駒札。駒札は道路沿いの入口近くにあります。713年に始まり電気・電波まで制するという内容の濃さから、法輪寺の歴史の深さを感じられます。
寺標から山門までの間に獣魂碑など色々ありますが、その辺りは今回はスルーして、山門から。過去4回訪れている法輪寺ですが、冬の写真しか見当たらず。少し寂しげな山門に見えますが、新緑〜紅葉シーズンの美しさは想像に難くないかと思います。シンプルな山門の脇には筋塀、法輪寺の格式の高さを伺うことができます。
法輪寺の駐車場へ自動車で行ってしまうと本堂の近くまで行ってしまうので、この景色は見ることが出来ません。ぜひ一度降りて来て見てみてください。
法輪寺 山門から本堂前まで。
山門を潜るとすぐ、今は使われていないであろう手水舎が左手に、右側には「電電塔について」という説明と電電塔があります。
埋め込まれている胸額はエジソンとヘルツ。なぜ海外の偉人が…?なぜ歴史あるお寺で近代文化の象徴のような電気電波…?という謎は、山門から続く階段の途中を左に入るとわかります。
法輪寺(嵐山) 電気電波の神様、電電宮へ。
階段の中間辺りにある踊り場辺りから左に電電宮への入り口の看板があります。
看板の直前には階段沿いに法輪寺電電宮護持会会員御芳名が張り出されているので迷うことはありません。この「法輪寺電電宮護持会会員御芳名」には日本を代表するような大手電機メーカーやテレビ局、なんだか専門職の人しか知らなさそうな会社まで多くの企業が名を連ねているので、是非眺めて見てください。多分何社かは知っていることでしょう。この看板の階段を挟んだ反対側辺りにトイレがあり、その細い道を進んでいくと、渡月橋から続く橋の正面の小さな入口に辿り着いた記憶がありますが、今回はそちらには向かいません。
看板から1分も歩くことなく見えてくるのが電電宮。写真にもあるように道なりに進むだけなので、迷うことはありません。
電気電波の神様ということで、しっかりと説明もされていました。鎮守社五社明神の一つだそう。法輪寺の入口辺りにお稲荷様も祀られていましたが、そちらには説明はなく…法輪寺の境内では電電宮を除いた他の四社については言及されていなかったように思います。
電電宮のお社は柵で囲われているため、鳥居の下辺りからお詣りとなります。
法輪寺(嵐山) 階段を登って本堂へ。
電電宮へのお詣りを終えたら再び階段に戻り、本堂前へ。階段を登りきった所には摩尼車。つい本堂方面に目が向かってしまう上、階段には背を向けているため、振り返らないと気がつかないような場所にあります。
法輪寺の駐車場に車を止めると、この辺りに出てくるのではないでしょうか? 摩尼車の山手側の奥に梵鐘、多宝塔と続きます。
多宝塔の一段下には手水舎。山門から続く階段を登りきるとまず目に入るかもしれません。山門を入った所のものとは違い、こちらは現役。コロナ禍に突入以降、久々に水が流れる手水舎に出会いました。
そして右手側、舞台の手前に羊の像。
羊は虚空蔵菩薩の使いでもあり、化身でもあるとされていて、この羊を触ることにより、智恵を授かれるのだそう。
出典:LINEトラベルjp
私がイメージする羊はもう少し毛量が多いのですが、法輪寺の羊像はスラリとした羊像です。
そして、本堂前への数段の階段の脇には狛牛と狛虎。2021年のお正月に法輪寺(嵐山)を訪れた理由はただ一つ、丑年を記念してこの狛牛さんに会うためでした。
狛牛は天神さんによくいらっしゃるので見慣れていますが、狛虎は鞍馬寺、建仁寺の塔頭寺院の両足院に続く3ヶ寺目。
なぜ狛虎と狛犬がいるのかというと、虚空蔵菩薩は丑寅の方角の守護神であることから。
出典:LINEトラベルjp
狛牛と狛虎でしっかり阿吽。鞍馬寺も両足院も毘沙門天の神使としての虎でしたが、法輪寺(嵐山)では、虚空蔵菩薩が守る方位の関係の虎。同じ虎でもそれぞれの思いは違うことでしょう。
せっかくなので正面からも…と思ったものの、狛牛は身長が足りずに正面から撮影することが出来ませんでした、残念。狛虎さんの方はなかなかの迫力です。
狛牛・狛虎さんが見守る数段の階段を上がるとようやく本堂前。お正月らしく門松、そして左の門松の奥に見える真っ赤な像は賓頭盧(びんづる)様。左手には授与所があります。有名なmicroSDお守り(虚空蔵菩薩様の画像データ入り)はこちらでいただくことが出来ます。このmicroSDお守り、時代の流れと共にギガ数が大きくなっている記憶があります。
以前、娘の十三まいりで伺った時には境内左手に複数のテントが張られ、受付や本堂に呼ばれるのを待つ晴れ着姿の子供たちが一文字書道をする場所になっていました。
十三詣り – 3月13日-5月13日(4月13日の前後1か月)および10月-11月。本来は旧暦3月13日(新暦の4月13日)。「知恵詣り」とも呼ぶ。数え年で13歳になった男女が、健康を願い参詣する。また、お詣りが済んだ後の帰路、渡月橋を渡るまで、後ろを振り返ると知恵が本堂に帰ってしまうという言い伝えがある。
出典:wikipedia-法輪寺–
お正月には固く閉ざされていた本堂。十三まいりの際には本堂に入れていただき、子供たちの名前を呼んでいただき加持祈祷を受けることができます。コロナ禍の影響で蜜を避けるために現在は季節問わず受けられるようですが、娘の時は受付順に集団で加持祈祷を受けました。
本堂の西側には大黒天様を祀っているお堂が隣接されています。大黒天堂の前にもびんづる様がいらっしゃいました。横並びのびんづる様は珍しい印象です。
最近は東寺の塔頭寺院の観智院さんでも十三まいりを受け付けているようですが、まだまだ知名度がない印象です。
2022年の10月。「電電宮にお詣りに行きたい」という知人を案内して訪れた法輪寺。紅葉シーズンではなかったのですが、それでも見応えある景色。
境内の東側には見晴台があり、市内を一望することができます。伏見稲荷の四辻から見る京都市は東→南側、泉涌寺塔頭の悲田院からは東→南西、清水寺からは東→西と市内を一望できる神社仏閣は多くありますが、西から見られる神社仏閣はなかなか少ないように思います。なぜここに見晴台があるのかはよくわかりませんしその歴史は不明ですが、比較的新しい造りかと思います。
記念に…と思いパノラマ撮影にチャレンジしましたが、なかなか難しいものですね。
寒い。 pic.twitter.com/z4b43bvBIA
— 寺女【自粛中】 (@Love_kyoto_life) January 3, 2021
見晴台の手前にうるしの碑という石碑がありました。
このうるしの碑辺りでは、正月三日だというのにすでに梅の花が咲き始めていました。
境内にいた他の方もお正月から咲く梅の花にスマホを向けられていました。そういえば…と思い娘の十三まいりの際の写真を確認したところ、その時は3月中旬で桜が咲いていました。この日、市内の小学校の多くで卒業式が行われいたのですが、小学校の桜は咲いていなかったんですよね…そう思うと法輪寺の梅も桜も開花が早いように思います。嵐山という市内の西側の山手にあり、日の当たる時間が長いからでしょうか?毎年訪れている訳ではないので確証はありませんが、「花の季節には少し早すぎた!」という時には法輪寺さんに出向いてみると良いかもしれません。
ということで、過去を思い出しながらのおまいりは終了、とことこ歩いて駐輪場へ向かいがてら、渡月小橋でもう一つの法輪寺への入口の写真を撮影しておきました。渡月橋→渡月小橋と桂川を渡るとその正面にひっそりと入口があります。山門からの景色ほど美しくはありませんが、わざわざ正面まで向かう時間がない、なんども伺っているから正面に行かなくても良い、という方はこちらから伺うのもありかと思います。
法輪寺(嵐山) 御朱印
ということで、嵐山の法輪寺でいただいた御朱印、平成と令和のもの。同じ御朱印ですが書き手さんが違うと別物に見えます。
※御朱印は変更される可能性があります。
個人的な感想と思い出ですが、十三まいりの際には亡き母も一緒にお詣りしました。卒業式後に法輪寺へ母と娘と向かうのは階段もあり色々大変だったことは大変だったのですが、今となっては良い思い出だなぁ…と。本来十三まいりでは、女の子は袖の肩を上げた(子供の袖の長さの調整に使う方法)状態のまま伺い、帰ってきてから上げを下ろすという行為までしなければならない、と聞いたことがありますが、身長の問題で一切上げずに向かった我娘。さらには一緒に行った私の母のことが気になりすぎて、渡月橋を渡り切ったかどうか微妙な時点で振り返っていたため、もしかしたら知恵はいただけていないかもしれません。それでも京都の儀式を一つ一緒に終えられた、貴重な体験でした。
ウィズコロナが始まった2022年10月の嵐山渡月橋。人が増えつつありますが、まだまだ問題なく歩ける感じ。
京都駅からは自転車で1時間弱程かかるのではないでしょうか?
欲張りたくなるけど、暗くなる前に帰ろう…。 pic.twitter.com/1H9KAZhZWn
— 寺女【喪中+自粛中】 (@Love_kyoto_life) January 3, 2021
参拝の際は公共交通機関の利用をおすすめします。
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