・本堂周辺は御本尊や蛸だけでなく、十二神将や不動明王像や愛染明王像も。広さからは想像できない凝縮された空間。
・本堂の右横から入る、阿弥陀堂(妙心寺)
永福寺(蛸薬師堂) 概要
通称 | 蛸薬師/蛸薬師堂 (たこやくし/たこやくしどう) |
山号 | 浄瑠璃山 |
院号 | 林秀院 | 名称 | 永福寺(えいふくじ) |
御本尊 | 薬師如来 | 脇侍/安置仏 | 日光菩薩/月光菩薩 |
開基 | 林秀 | 宗派 | 浄土宗西山深草派 |
札所 | 京都十二薬師霊場 第12番 新京極八社寺 巡礼通称寺 |
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所在地 | 京都府京都市中京区新京極蛸薬師東側町503番地 | ||
最寄りの公共交通機関 | 阪急電車 河原町駅 → 約5分 京都市営地下鉄/京阪電車 四条 → 約10分 京都市営バス 四条河原町 → 約5〜10分 |
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拝観時間等 | 8:00~16:30 | 拝観料(通常) | 無料(一部志納) |
ご利益 | タコ・イボ取り、病気平癒、癌封じ、心の病、厄難滅除、子授け、財産…他 |
蛸薬師堂 新京極商店街の中の一寺
京都の真ん中辺りを東西に横切る、蛸薬師通の名前の由来となっている通称蛸薬師(たこやくし)さん。山門と呼んでいいものか少し悩んでしまう蛸薬師堂の入り口は、京都の繁華街の1つである新京極通沿いに面しています。この永福寺、京都の通り名を順番に歌った「まるたけえびす」の歌の「姉(あね)・三(さん)・六角(ろっかく)・蛸(たこ)・錦(にしき)」の中の「蛸」にあたる蛸薬師通の名の由来になったお寺でもあり、京都市民には永福寺よりも蛸薬師堂の名の方が知られているお寺で、通称寺と呼ばれるお寺の1寺です。(※蛸薬師通の名前の由来に関しては、他にも説があります。)
残念ながら(?)、2019年2月の時点で蛸薬師堂さんの境内は全面撮影禁止。至る所に「撮影禁止・ No photograph」と書かれた張り紙がされていました。ということで、今回は少し離れたところから撮影させていただいた正面の写真のみしかありません。

蛸薬師堂(永福寺) 20190303
いつもの京都市設置の駒札も、撮影出来ず…なので、以下参考記事でご確認ください。
蛸薬師堂(永福寺)の境内の様子。
新京極通から入るとすぐ正面に、小さな梵鐘があり、その奥にいきなり本堂があります。本堂周辺は蛸薬師堂からの注意書きや説明が。ほとんど手書きの墨書きで書かれているため、それらを見るだけでも結構な時間を要します。
本堂左手前から不動明王像と愛染明王像、その奥に授与所、本堂、奥へと伸びる道、お地蔵様…と続いて居たような(写真がないので、少し曖昧です)。足元には「お花の代わりに風車を…」という蛸薬師堂さんの呼びかけに応じた方々から備えられた風車が。こちらの御本尊は秘仏ということで、蛸薬師堂の奥に祀られているそうです。
色々な仏像や説明でギュッと濃縮した本堂前で特に興味深かったのは、
・本堂前に置かれた摩尼車
・薬壺を持ったなで薬師(賓頭盧蛸/撫で蛸)
・その奥に置かれた円空仏のような仏像。
摩尼車はお賽銭を入れてグルグルと回させていただきましたが、蛸薬師堂さんの摩尼車は小さめですぐに一周してしまうタイプでした。
なで薬師は木製の蛸の像。「左手で触るだけで全ての病が癒される」というご利益を頂けるとのことで、頭のあたりを撫で撫でしてまいりました。ちなみに、蛸の丸い部分は胴体にあたるので、撫でる時はご注意を。
そして、円空仏のような仏像。さほど大きな仏像ではありませんでしたが、荒削りながらも優しい雰囲気。京都で円空仏はあまり見かけないので、非常に印象的でした。
蛸薬師堂の裏には阿弥陀堂が。
蛸薬師堂の本堂の南横から裏へ抜ける道を抜けると、誰でも自由に記入できるノートとホワイトボードが用意されています。そして、志納を納めて向かう先には、阿弥陀堂がありました。こちらは法性山無量寿院妙心寺という別の名前のお寺。境内に2つのお寺がある珍しいお寺です。蛸薬師堂の濃縮された空間とは逆に、こちらの妙心寺は街中なのにふわりとした雰囲気。ぜひ一緒にお詣りを。
永福寺(蛸薬師堂)でいただいた御朱印
2019年2月の時点で、永福寺(蛸薬師堂)の授与所には8種類の御朱印が掲げられて居ました。境内の妙心寺の阿弥陀如来様の御朱印や京都十二薬師霊場会第12番などの霊場めぐりの御朱印もある為、多くの種類の御朱印が揃えられていました。
迷ったり欲張ったりしてしまいそうな中、何を指定するでもなく「御朱印をお願いします」と言っていただいた御朱印は、御本尊の「蛸薬師如来」。初めましてのご挨拶には、ピッタリの御朱印。

蛸薬師堂 御朱印 20190303
街中で若い人や修学旅行生も多く通る、新京極通。海外旅行客も多くお詣りされていました。それもこれも間紙に書かれている
「薬師堂永福寺は、昔より寺内に一歩踏み入れただけでも、蛸薬師如来さまのご加護があると言われています。皆様に種々良いご縁がありますように。(後略)」
という張り紙の内容のとおり、その蛸薬師如来様の優しさに惹かれた人が吸い寄せられているのでは?と思わされる空間でした。
2020年、年越し後すぐの蛸薬師堂(追記)
年越し後すぐに通りかかった蛸薬師堂。真っ暗な新京極通の中で唯一と言っても良いほど賑やかで多くの人が集まっていました。
賑わっていた理由は境内で振舞われていた大根炊き待ちの若い人たちの団体さん。この団体さんが去った後は数人の参拝者がいる、という静かな状態でした。
志納ということで参拝後に大根炊きをいただきました。大根2切れと三角形のお揚げさん。甘みも塩みもしっかりとしたお味。午前10時からずっと弱火で置かれていたのでしょうか?中までしっかりと染みていて美味しかったです。
この辺りは新京極通も河原町通も寺町通も四条通も三条通もアーケードがあり、雨の日も気軽に参拝できます。折角来たのに雨…そんな日にもオススメです。
2023年4月 再訪
京都十二薬師巡礼で再訪した蛸薬師さん。相変わらず門内は写真禁止です。コロナ禍が開けて行動制限のないGWということもあり、多くの人で賑わう新京極通り。周辺のお店も大きく様変わりした印象がありました。

京都十二薬師巡礼の御朱印と一緒に三社稲荷の春の御朱印をいただいてまいりました。


今回、意外だったのはお詣りをしているのは海外の人が多かったこと。なぜかアジア系の人が多く参拝されていました。またアジアのお寺でかかっていそうな音楽がかかっていたのもとても印象深かったです。COVID19の影響だと思いますが、本堂裏の阿弥陀堂への参拝が15時までとなっていました。
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