・本堂にあげて頂けるので、足元注意。ストッキングやタイツの際は靴下持参必須!
・頂いて来た資料はA4で4ページ!
西光寺 概要
名称 | 西光寺(さいこうじ) | 山号 | 北亀山 |
御本尊 | 阿弥陀如来 | 脇侍/安置仏 | 薬師三尊 腹帯地蔵尊 十二神将他 |
開基 | 寶照院傳慶法印 | 宗派 | 浄土宗西山深草派 |
札所 | 巡礼通称寺 京都十二薬師巡礼 第11番 | ||
所在地 | 京都市中京区新京極通蛸薬師上ル中筋町495-1 | ||
最寄りの公共交通機関 | 阪急京都線 河原町駅 → 約10分 京都市営バス 四条河原町 → 約10分 |
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拝観時間等 | 10:00~16:30 | 拝観料(通常) | 無料(法事・法務の際は拝観不可) |
賑やかな通りを逸れ、西光寺へ
京都市中京区の繁華街、新京極通の店並の中に西光寺の入り口があります。周囲の賑やかさに紛れ見落としがちな上に門の前には京都十二薬師霊場の幟旗が置かれているだけ、そっと覗いただけでは中がよくわからない西光寺。観光寺院ではなく一般寺院なため、目印が少ないのでしょう。ですが、この門の先には驚くような謂れのあるお薬師さまが祀られています。
新京極通沿いの門から覗いても、西光寺のお堂は見えません。路地が長いというのも理由の一つですが、新京極通沿いの門の更に奥にもう1つ門があります。こちらの門には京都十二薬師霊場十一番霊場の札と腹帯地蔵尊・寅薬師如来と書かれた提灯が掲げられています。
ここまで来て初めて、堂宇の様子が見えて来ます。堂宇の路地沿いの一面はガラスサッシになっていて、一見民家のようです。少し戸惑いますが、本堂に上がってお詣り頂けますという趣旨の言葉に誘われるまま、呼び鈴を押し、戸をあけて頂きました。
西光寺 本堂の様子
中にあげて頂き、まずはお詣り。まず目に入って来るのは、比較的新しい飛天。淡い色彩の飛天さん達が出迎えてくださいます。そして、内陣とのしきりに書かれている西光寺沿革、正面に祀られた御本尊とそれ以上に目が行ってしまう向かって左側の仏像群。西光寺は京都十二薬師霊場第十一番のお寺ですが御本尊は阿弥陀如来様ということで、まずは正面の御本尊にお詣り。そして、左側の壁面にいらっしゃる動き出しそうな勢いのある十二神将を従えたお薬師様にも遠くからお詣りさせて頂きました。
こちらのお薬師様、京都十二薬師霊場第十一番に指定されているには大きな理由があります。
・像は弘法大師の作と伝えられ、その昔、大師が時の天皇の願いによって佛像を作ることになり、一刀彫るたびに三度礼拝し、満身の力を込めて掘り上げられました。そして成就したのが十二支でいう寅の日、寅の刻にあたることから寅薬師と呼ばれるようになりました。寅薬師は当初、宮中に御倉堂を設けて安置され、歴代天皇の信仰を集めました。弘安三年、後宇多天皇が西光寺開山の傳慶法印にこの像を下げ渡され、寺そのものを寅薬師と呼び京都十二薬師霊場の第十一番として信仰を集めました。(中略)寅薬師如来は昔から開運繁栄の運気を授け、無病息災、病気平癒の利益をお与えになります。また寅年生れの守護佛として深く信仰されております。
出典:西光寺で頂いた資料 北亀山西光寺(通称名寅薬師) より
弘法大師と言えば言わずと知れた真言密教を確率した平安時代初期の僧。京都だけでなく北海道を除いた全国各地に伝説が残る高僧です。そして仏像を彫刻するとき、一度刃を入れるごとに三度礼拝しする方法は一刀三礼(いっとうさんらい)と呼ばれ、どれほどの思いを込めて作られたのか?ということは想像に硬くありません。この西光寺では、そんな歴史的価値をも含んだ薬師如来様にお詣りすることができるのです。
そして、本堂の脇壇には提灯にも名前が書かれていた腹帯地蔵様も。西光寺の腹帯地蔵様、京都名地蔵二十一地蔵の1つとなっています。
昔、西光寺の隣にあった清帯寺に御本尊であり、行基菩薩の作と云われ六百年前から夫人の安産並びに子宝授かりの霊剣あらたかと伝えられました。
出典:西光寺で頂いた資料 北亀山西光寺(通称名寅薬師) より
行基菩薩は奈良時代の高僧。時代を考えると本当に長い間ご利益を授けてこられているお地蔵様です。西光寺では、安産祈願の腹帯授与もされています(要予約)。
新京極通沿いには、同じ安産子授けのご利益を頂ける染殿院もあります。
西光寺で頂いた御朱印
今回頂いた御朱印は京都十二薬師霊場の寅薬師如来と書かれたもの。御朱印を頂きながら説明の中の疑問点や新京極御朱印めぐり、京都十二薬師霊場の件などお話をさせて頂くことが出来ました。
京都十二薬師霊場、洛陽四十八願所の第三十四番と一般寺院とは思えないほどの信仰を集める西光寺。若い人や観光客が多い新京極の中で、これだけの歴史的価値と宗教的価値を併せ持つ仏像を守り続け、更に一般の私たちに公開されるのは大変なことだろう…と、改めて感謝のお詣りとなりました。
同じように弘法大師が一刀三礼して彫ったと言われる不動明王様が御本尊(秘仏)として祀られているのは、京都駅近くの不動堂明王院です。
最澄が一刀三礼を尽くして刻んだ不動明王様が祀られているのは、鞍馬寺の僧正ヶ谷不動堂。
一刀三礼で彫られた仏像はまだまだありそうです。
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