・境内には唯一の願いを叶えてくれるお稲荷様が
・優しい言葉の小指みくじ
城興寺 概要
名称 | 城興寺 (じょうこうじ) |
山号 | 瑞寶山 |
御本尊 | 千手観世音菩薩(秘仏) | 脇侍/安置仏 | 永久元年(1113年) |
開基 | 藤原忠実 | 宗派 | 真言宗泉涌寺派 |
所在地 | 京都市南区東九条烏丸町7-1 | ||
最寄りの公共交通機関 | 京都市営地下鉄烏丸線 九条駅2番出口すぐ 京都市営バス 大石橋 → 徒歩2分 京都駅八条口 → 徒歩6分 |
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拝観時間等 | おみくじ授与 AM9:00〜PM4:30 |
拝観料(通常) | 無料 |
地下鉄出口から徒歩1分以内の城興寺
新しいホテルやゲストハウスが急増している京都市南区。南区の中でも一際便利な地下鉄九条駅の出口からすぐの所に、城興寺へと続く細い通りがあります。どれくらい近いかと言うと、下の写真位。看板から山門までも1分もかからないため、本当に地下鉄出入り口からすぐ、という印象。京都駅ビルも見える程、立地条件の良い場所にあるお寺です。
山門手前の看板にも書かれているように、城興寺は洛陽三十三観音霊場巡りの二十二番札所。洛陽三十三観音霊場巡りをしている人や地元の方にはよく知られたお寺です。反対側には京都市設置の駒札が建てられていました。
※京都市設置の駒札
城興寺の境内の様子
城興寺の境内に入りすぐに目に着いたのは、本堂ではなく、大銀杏とお社。敷地の端の方ではなく、少し真ん中よりにありました。こちら、台座に摂社と書かれた次郎吉稲荷様と御神木の大銀杏。後ろの看板の説明によると、唯一の願いだけ叶えてくれるお稲荷様だとか。「唯一の願いだけ」と言われている所を考えると、シンプルに1つお願いするのが良いのでしょう。
私は「何が唯一の願いなのだろう?」と考え込んでしまい、結局ご挨拶だけさせていただきました。
薬院社のお稲荷様
次郎吉稲荷様の斜め後ろにある、薬院社の由来の案内。ここに書かれている薬院社は、本堂の前にあります。
お寺の境内に大きな鳥居、鳥居の下には珍しい陶器の狛犬さんたち。こちら、阿吽ではなく阿阿の狛犬さん。陶器製ということもあるかと思うのですが、シーサーを思い浮かべるような明るい雰囲気です。
設置されている看板に詳しく書かれていたのですが、こちらの薬院社に祀られているのは、施薬院稲荷様。
平安の昔、当地の西北二〇〇m(東九条中殿田町)の地に施薬院が また北一〇〇m(上殿田町)には施薬院御蔵(みくら)がありました。
(…中略…)
鎌倉初期これらの施設は他所へ移転し、御蔵跡の「薬院の森」には施薬院稲荷の祠が残り、以来地元・東九条の人々が村の鎮主さまとしてあがめ親しみました。明治になって廃仏毀釈に続いて辻堂禁止令が発布され明治十一年(一八七七)、施薬院稲荷も廃止の憂き目を見るところでしたが、地元農民の熱意により当、城興寺の荼吉尼天堂に合祀されました。
(後略…)出典:城興寺 境内の看板より
歴史を辿ると遥か平安時代にまで関係が及ぶ、施薬院稲荷様。いつからそこに…という具体的な年代はわかりませんが、古くからこの周辺で大切に祀られて来たお稲荷様であることは間違いありません。
また、施薬院のお稲荷様と言うことで医薬福祉→病気平癒と、荼吉尼天様の夫婦円満のご利益が一緒に頂けるようです。
城興寺 本堂へお詣り
城興寺の本堂には、外からお詣りをさせていただきました。こちらのご本尊の千手観音様(秘仏)は、慈覚大師円仁が遣唐使として入唐した際、無事の帰国を祈願して船の中で制作されたもの、と伝えられています。円仁といえば、夏の京都の風物詩の「五山の送り火」の中の1つ、舟形と非常に縁が深い方だと聞いたことがあります(舟形の由来は諸説あります)。
掲げられた額には、向かって左から「大日如来」「薬師如来」「千手観音」「城興寺」「不動明王」「弘法大師」と書かれていて、真言宗らしいお寺と言ったお名前が並んでいます。
当初は、四宗(顕・密・禅・律)兼学の道場であったが、のちに天台宗となり、天台座主最雲法親王の没後、その弟子の以仁王(もちひとおう)が当寺を領した。その後、治承3年(1179)、平氏によって寺領を奪われ、このことが、平氏討伐の挙兵の一因になったと考えられている。
出典:城興寺 京都市設置の駒札より。
「四宗(顕・密・禅・律)兼学の道場」「平氏討伐の挙兵の一因」とは、かなり勢力を持ったお寺だったことが伺えます。
城興寺の御朱印と小指みくじ
城興寺の御朱印は、境内に入ってすぐ右手(北側)の綺麗な寺務所でいただきました。寺務所に「小指みくじ」と書かれた小さな幟があったので、ひかせていただきました。
小指みくじは1回100円。吉凶を試すと言うよりは、その時に必要な言葉が出てくるようです。少しほっとするような優しい言葉が出て来て、思わず微笑んでしまいました。吉凶のおみくじではないため境内に結びつける場所もなく、自宅に持ち帰らせていただきました。
お火焚祭のポスター【追記】
烏丸九条を通った時に見つけた、2018年11月3日に城興寺境内で行われる、お火焚祭のお知らせの張り紙とポスター。このポスターを見る限り、当日は火渡りがありそうです。近隣の方が多く来られるお火焚祭でしょう、タイミングが合えば伺いたいお火焚祭です。
城興寺 公式Facebookページ↓
2023年11月3日 お火焚祭に参加してきました。
数年前からいつかは!と思っていた、城興寺さんのお火焚祭。2023年ようやく参加することが出来ました。境内にはご近所さんらしき軽装な方からバックパッカーらしき人まで、多くの方が参加されていて、用意されていた座席はほぼ満席。護摩木(1本100円)だけ書かせていただき、御本尊にお参り。この日は蔀戸が開けられていて、初めて直接拝顔させていただきました。
山伏さんとお寺の方により粛々と進むお火焚き。焼香が回って来たのはお火焚きでは初体験でした。城興寺さんは街中で広い敷地ではないのですが、宝弓を飛ばされる山伏さんがとてもいい感じに拾いにくく飛ばしすぎない場所に弓を放たれていて、時々見受けられる「我先に(宝弓が欲しい)」という人もおらず、とても穏やかなお火焚祭でした。
あちこちでお火焚きを見ている私ですが、城興寺さんのお火焚きに参加したかった理由はただ一つ、お火焚きの最後に火渡りをさせて頂けるからです。お火焚きを行う神社仏閣は多々あれど、火渡りが出来るところはあまりないのではないでしょうか?
山伏さんたちが手際よく薬院社へと続く通路を用意してくださり、促されるまま火渡りをして施薬院稲荷様へお参りさせていただきました。
帰る際にインスタントのおしるこをいただき、城興寺のお火焚祭は終了です。お寺の歴史や薬院社の歴史や関係者の方の話に軽く触れながらもコンパクトにまとまったご住職のお話など、飽きることなく参加させていただけた、城興寺さんのお火焚祭。また来年も伺えることを楽しみに待ちたいなと思った、今回の参拝でした。
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