・桜・つつじ・皐月・紅葉が綺麗なお寺。
・御縁日の日には様々なお店が出店。
安楽寺 概要
名称 | 安楽寺 (あんらくじ) |
別称 | 松虫鈴虫寺 |
山号 | 住蓮山 | 御本尊 | 阿弥陀如来 |
開基 | 住蓮上人・安楽上人 | 宗派 | 浄土宗 |
所在地 | 京都市左京区鹿ケ谷御所ノ段町21番地 | ||
最寄りの公共交通機関 | 京都市営バス 真如堂前 → 徒歩約12分 京都市営バス 錦林車庫前 → 徒歩約15分 京都市営地下鉄 東西線蹴上駅 → 徒歩約40分 |
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拝観日・時間等 | 毎月2日 (9:30〜16:30) |
入山料 (拝観料(御縁日の日)) |
500円(おみやげ付き) |
安楽寺の拝観謝絶の山門を潜れる御縁日。
京都市左京区。如意ヶ嶽の麓、鹿ヶ谷(ししがたに)にある安楽寺(あんらくじ)を訪れました。安楽寺は普段は拝観謝絶で山門を潜ることが出来ないお寺ですが、2019年4月に葺替えられたばかりの綺麗な茅葺屋根の山門を潜らせて頂きました。
この日は皐月に合わせた特別公開+くさの地蔵様の御縁日。2015年5月から再開されたというこの「くさの地蔵御縁日」、山門前の階段下には草木染めが出店されていました。
周囲を取り囲むのは細かな青椛(あおもみじ)。安楽寺で画像検索すると紅葉に埋め尽くされた山門前の写真が多く出てきますが、青椛の中の山門も見事です。
安楽寺 境内へ。
山門を潜ってすぐの所の受付で入山料(500円)を支払い由緒略記とお土産を頂き、横の受付で御朱印帳を預けたら、拝観スタート。この日はくさの地蔵様の御縁日ということもあり、くさの地蔵様へと経路案内が立てられていました。
境内には石畳が敷かれており山門から皐月が咲く方へそのまま真っ直ぐ向かいたくなりますが、受付を右手に進み、地蔵堂へ。
案内に沿って、くさの地蔵様へ向かう途中、少し道を逸れて手水舎へ。
何気ない手水舎と手水鉢に見えて、足元には蛙と仏像…阿修羅像かと思いましたが、知識がなさ過ぎて判断が出来ませんでした。
手水鉢の足元の真ん中に積まれた瓦…水琴窟となっていました。水琴窟を見つけると嬉しくなります。お行儀悪いかな?と思いつつ、次の人がいない時は何度か水を掛け、その音を聞かせていただきます。
くさの地蔵様の地蔵堂へ。
特に広い訳ではないのですが、境内は木々に遮られ、見渡すことが出来ません。本堂の左手(西側)辺りにある、くさの地蔵様が祀られている地蔵堂。
安楽寺の「くさの地蔵」さまは、古くから皮膚病や腫瘍平癒にご利益があると信仰されてきました。平成三年(1991)の解体修理で胎内に墨書銘が認められ、鎌倉時代中期の正嘉二年(1258)五月二日の作の木造であり、作者も慶派の仏師であることが判明いたしました。(…中略…)
2015年5月2日、地蔵堂が再建され開眼供養を受けられたお地蔵様のお膝元で「地蔵縁日」も150年ぶりに再開されました。
お堂自体は新しいのですが、祀られているお地蔵様が昔から人々の信仰を集めてきたお地蔵様であることは間違いなさそうです。
地蔵堂の前にはかぼちゃの水掛地蔵。阿吽になった、口を開けたお地蔵様と閉じたお地蔵様。かぼちゃの水掛地蔵様は京のブランド産品として認定されている鹿ケ谷かぼちゃの形をしています。唐突にかぼちゃが現れた感がありますが、実は安楽寺とかぼちゃには深い縁があります。
安楽寺では、毎年7月25日に「中風まじない鹿ケ谷カボチャ供養」を厳修する。これは 今から180年程前、当時の住職であった真空益随上人が、人々を病苦から救おうと本堂で修行中に、本尊阿弥陀如来から「夏の土用のころに、鹿ケ谷カボチャを食べれば中風にならない」との霊告を受けたのが始まりで、以来7月25日に行われ、参詣者に鹿ケ谷カボチャがふるまわれる。
出典:wikipedia-安楽寺(京都市)–
こちらの水かけ地蔵様は2019年の5月の地蔵縁日の際にお披露目されたばかり。ハートにくり抜かれた石の水を掛けるのでしょうが…水を掛けて水垢離して頂くには可愛過ぎて、今回は水を掛けるのを辞めておきました。
安楽寺 本堂へ。
手水舎の辺りまで戻り、仏足石を遠くから眺め(近づけないため詳細は見られませんでした)、本堂へ。
地蔵縁日のこの日、本堂へも上げて頂くことが出来ました。私が上がる直前まで本堂では縁日の演奏が行われており、非常に賑やかな雰囲気が残っていました。
本堂の中は非常にシンプル。正面の壁一面に法然上人の坐像・御本尊・住蓮・安楽両上人、松虫・鈴虫両姫の座像と並んでいらっしゃいました。
本堂には本尊阿弥陀三尊像を安置し、傍に住蓮・安楽両上人、松虫・鈴虫両姫の座像、法然上人張子の像等をまつっている。
出典:京都観光Navi-安楽寺駒札–
本堂に祀られている2人の姫。安楽寺の前身のお寺と深い繋がりがあります。
安楽寺は、1207年(建永2)におこった建永の法難のきっかけとなった法然の念仏道場「鹿ヶ谷草庵」の後身の寺であり、寺宝として安楽房遵西・住蓮坊と後鳥羽上皇の女官であった松虫・鈴虫関連のものが残されている。山号の住蓮山は住蓮坊の、寺号の安楽寺は安楽房の名を記念したものである。
出典:wikipedia-安楽寺(京都市)–
本堂から縁日の出店が行われている客殿「椛」へ。物販よりも体験系の出店が多く、好みのリトリートを見つける為の空間、と言った感じでしょうか?他の寺社の御縁日とは一線を画した印象です。
回廊をから見えた境内は一面様々な緑で埋まり、新緑の季節の終わりを感じさせるものでした。
伺ったこの日はくさの地蔵様の御縁日だけではなく、皐月の特別公開も兼ねていました。境内には皐月が咲き誇り…と言いたい所ですが、満開とは言いがたい状態。自然相手の難しさを感じました。
ところで。安楽寺では皐月(サツキ)の前に躑躅(ツツジ)の特別公開も行われているのですが、皐月と躑躅、見分けられますか?
【ツツジとサツキの違い】
・花が散ってから新芽が出るのがツツジ、新芽が出てから花が咲くのがサツキ
・葉が出るよりも先に花が咲くのがツツジ、葉が出てから花が咲くのがサツキ
・新芽や葉に生えている細かい毛が緑色なのがツツジ、茶色なのがサツキ
・4月中旬~5月上旬に開花するのがツツジ、5月中旬~6月中旬に開花するのがサツキ出典:ベネッセ 情報教育サイト-ツツジとサツキの違いって知ってる?–
残念ながら私は咲いている時期によって見分ける方法でしか、見分けが付きません。
本堂〜客殿の拝観を終え、境内をブラブラ。住蓮・安楽両上人の五輪石塔や松虫・鈴虫両姫の五輪石塔を遠目に眺め、躑躅の中に咲く小さな白い花を愛でました。
安楽寺で頂いた御朱印。
入山料を払った後で預けた御朱印帳を受け取り、この日の拝観は終了です。受付では松虫・鈴虫両姫を描いた御朱印帳も扱われていましたが、他のお寺よりも授与品が少なく、至ってシンプルだったのが印象的。
※御朱印は変更される可能性があります。
紅葉の頃には、拝観謝絶でも多くの人が安楽寺の山門前で立ち止まることでしょう。ぜひ一度、この目で紅葉に埋め尽くされる山門を見て見たいと思わせる、安楽寺でした。
安楽寺を出たあと、哲学の道を歩いて大豊神社へ向かいました。
お隣にある霊鑑寺へ向かう際、安楽寺の山門前を通過しました。開いているかのように見える山門も、しっかりと柵がなされていました。時代を錯覚しそうな風景です。
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