・御本尊は女性救済・衆生済度の「頷きの阿弥陀」様。
・吉田神社、宗忠神社、金戒光明寺、岡崎神社などの有名な寺社の近く。
真如堂 概要
正式名称 | 真正極楽寺/眞正極樂寺 (しんしょうごくらくじ) |
通称 | 真如堂 |
山号 | 鈴聲山 | 創建 | 永観2(984)年 |
御本尊 | 阿弥陀如来立像 | 脇侍/安置仏 | 不動明王/千手観音 |
開基 | 戒算 | 宗派 | 天台宗 |
所在地 | 京都市左京区浄土寺真如町82 | ||
最寄りの公共交通機関 | 京都市営バス 真如堂前/錦林車庫前 → 徒歩約10分 | ||
拝観時間等 | 9:00~16:00 | 拝観料(通常) | 無料(庭園は有料) ※特別公開期間を除く |
京都市営バス 真如堂前から…。
京都市左京区。どうしても行きたい!と思い初めて訪れた真如堂。京都市営バスのバス停に「真如堂前」という停留所があるので、そこから向かうことに。公式サイトでは錦林車庫前(きんりんしゃこまえ)からのルートが推奨されています。
GoogleMap上では見当たらないのですが、真如堂前停留所から現地の看板に沿って歩くと山を登る道に入るのですが、その山肌に沿って建つ住宅の間に階段があり、その階段から真如堂の境内に入ることができます。この坂は京都の中ではそこそこ急勾配な坂道ですが、距離が短いので低めのヒール程度ならば登ることができます。(登ることはできますが、境内は広いので平らな靴の方がおすすめです)。
階段の途中から紫陽花群。この階段から真如堂のあじさい苑が始まっています。真如堂の境内は三脚・一脚使用禁止。営利目的の撮影や写生もお断りという、京都の中でも少し厳しめの条件。ですが、個人が楽しむ分には撮影OKのようです。真如堂の意向に添い、このページは広告非表示に設定することにしましょう。
2019年の京都、なぜか寺社仏閣のあじさいの花が少ないという噂を聞いていましたが、民家の軒先の紫陽花は咲き乱れていることが多かったため、花の少なさを実感することはなかなかありませんでした。それでも今回、すれ違ったご家族の会話からこれだけ咲いている真如堂でも「例年より花が少ない」との声が。確かに木によって花の付き方にばらつきが大きく、全く花が咲いていない場所があったり、咲き乱れていたりという状況でした。
実はこの真如堂のあじさい苑があるのは、本堂の奥に当たる場所。「真如堂前」という停留所ですが、どちらかというと裏手に到着するルートです。
ということで、本堂横の阿弥陀如来露仏像にお詣りをし、本堂へのお詣りを後にして、総門全体が見える場所へ。
真如堂 総門から境内へ。
真如堂の総門。本堂から真っ直ぐに続いている参道ですが、遮るように木々が茂っています。奥に見える階段辺りには、京都らしい細かな楓が何本も植えられていました。青紅葉も見事ですが、紅葉の季節には見事な赤に染まることが容易に想像できます。
この総門前からは、正面に宗忠神社の鳥居も見えます。宗忠神社を気にしながらも、真如堂の本堂へと進みます。
総門へ向かう途中には、荼枳尼天さまが祀られていました。
総門の屋根ほどもあるとても大きな寺標の石柱。五本の線が入った筋壁からも、天皇家の所縁があるお寺だということがわかります。真如堂の大きな総門は江戸時代に作られたもので、京都府の指定文化財です。そんな立派な総門を潜り、境内へ。
境内も緑に覆われ、正面の本堂を隠すかのよう。緩やかな傾斜を登りながら、周囲を見て回ります。境内に入るとすぐに塔頭寺院へと向かう道があるのですが、今回は本堂を目指します。まず目に入るのは三重塔。こちらも江戸時代に作られた、京都府の指定文化財。残念ながら2018年の台風被害の修繕のための足場が組まれ、覆われた状態。こちらの工事は2019年7月末に工事終了予定とのこと、秋には間に合うのではないでしょうか?
三重塔の奥に手水がありました。伺ったこの日は紫陽花をメインにした花手水となっていました。一面を覆うでもない花手水は趣を感じます。
参道を挟み、茶所との木札が掲げられた建物。少し開けられて覗き込めるようになっているところが気になり近づくと、中が照らし出され、一光三尊の阿弥陀如来様・観音菩薩様・勢至菩薩様が。すぐ隣に善光寺黒如来と書かれた説明がなされているので、読みながらじっくりとお詣りできます。
お抹茶などがいただける「茶所」として営業していることもあるそうですが、この日は茶所は閉まった状態で人もなく、善光寺黒如来様を独り占めさせていただきました。
再び参道をまっすぐに本堂へ。この辺りも葉の小さな楓。葉の密度の濃さもありますが、ようやく本堂全体の半分くらいが見えてきました。
真如堂 本堂と本堂周辺
ようやく本堂全体が見られる場所へ。それでもすぐ前に植えられている菩提樹が非常に大きく、本堂を隠しています。真如堂には京都市の京都巨樹名木に指定された木が多く、山の上にあるからという理由を超えて緑が多い雰囲気があります。本堂前には仏教の三大聖樹の一つと言われる沙羅双樹が花をつけていました。
ここにきてようやくいつもの駒札。駒札にも書かれているように、真如堂の正式名称は真正極楽寺(しんせいごくらくじ)。
「極楽寺と名乗る寺は多いが、ここが正真正銘の極楽の霊地」という意味を込めて名づけられ、その本堂を表す「真如堂」が通称として定着しました。
私が真如堂を訪れたいと思った理由は、真如堂が「正真正銘の極楽」だから。霊地として極楽かどうかまでは私には分かり兼ねますが、これだけの巨木と紫陽花、青紅葉、沙羅双樹、藤棚に桜に萩…極楽と言われても可笑しくない美しい風景が揃っています。
無料で本堂へ上がらせていただくことができるので、靴を脱いで上がらせていただき、御本尊様をお詣りです…と言いたいのですが、御本尊様が一般に開扉されるのは、11月15日に行われる本尊特別拝観の日だけ。さらに9:00~14:00、14:00~16:00と時間も限られています。御本尊様は平安時代に作られたという阿弥陀如来様、重要文化財に指定されています。
本尊の阿弥陀如来は「頷きの阿弥陀」とも呼ばれており、慈覚大師円仁が一刀三礼にて彫刻したもので、完成直前に「比叡山の修行者の本尊となりたまえ」と言って白毫を入れようとすると、阿弥陀像は首を三度横に振って拒否されたので、「では京の都に下って、一切衆生をお救い下さい。中でも女人等を救いたまえ」と言うと、阿弥陀像は三度頷かれたという伝説がある。
また、本尊の両脇には安倍晴明の念持仏だと言われる平安時代に作られた不動明王像と伝教大師最澄作と伝わる平安時代に作られた千手観音像も。歴史好き・陰陽道好き・仏像好き…など多くの人の好奇心を満たすであろうことが伺えます。
広い本堂の内陣まで上がらせて頂いた訳ではないのですが、とても静かで人も少なく、ゆっくりさせていただけました。
真如堂 本堂から庭園へ。
本堂の左手の受付で庭園の拝観をお願いし、そのまま道なりに庭園へ。
途中に再び花手水。青紅葉と紫陽花、広い水面と軒丸瓦。涼しげな様子に足が止まります。
足元に置かれている矢印を頼りに、涅槃の庭へ。東山三十六峰が見渡せると聞いていたのですが、周囲の木の勢いに負けています。涅槃の庭の名の通り、しっかり涅槃に見える石。奥に見えているのは、大文字山。お天気に恵まれたならば、より一層綺麗に見られることでしょう。
再び案内に沿って本堂へ。振り返ってもこの景色。お手入れもさぞ大変だろうと思わずにいられません。
真如堂 境内の様子。
本堂へのお詣りを終えたら、境内の散策です。境内には毎月3日に元三大師堂で行われる護摩供法要や地蔵堂などの他、塔頭寺院の法話会の張り紙などもされていて、ゆっくり散策しながらお詣りをするのに最適な環境。
北の方には、洛陽三十三観音巡礼の五番札所、新長谷寺が。こちらも近づくとライトアップされる御本尊。ライトアップされるお姿は、なかなか斬新です。
本堂前、端っこに映画誕生の碑と書かれた、石碑も。しっかりと前に説明書きがなされていました。
真如堂で頂いた御朱印2種
本堂の中、左手にある庭園への拝観受付が授与所を兼ねています。御朱印も受付でお願いしました。今回頂いた御朱印は、2種類。真如堂の御朱印と境内にある新長谷寺の御朱印。御本尊を表す無量寿と洛陽三十三観音の五番札所である、新長谷寺のもの。
※御朱印は変更となる可能性があります。
再びバスに乗るため、あじさい苑を通り抜け、真如堂を後にしました。
コメント