・境内の閻魔堂に迫力満点の閻魔様。
・閻魔様から頂く閻魔札(御朱印)。
長円寺(伏見区) 概要
名称 | 長円寺(ちょうえんじ) | 山号/院号 | 壽豊山観音院 |
御本尊 | 阿弥陀如来像 | 脇侍/安置仏 | 観音菩薩様 勢至菩薩様 他 |
開基 | 不明 | 宗派 | 浄土宗 |
札所 | ー | ||
所在地 | 京都市伏見区淀新町681 | ||
最寄りの公共交通機関 | 京阪電気鉄道 京阪本線 淀駅 → 徒歩約13分 | ||
拝観期間等 | 4月〜7月 10月〜1月 | 拝観料(通常) | 無料 |
※公式サイトのTOPページの画像を見ていると、舟形光背の阿弥陀三尊が祀られているのかなぁ…?だとしたら、脇侍は観音菩薩と勢至菩薩像になるなぁ…と思いましたが、正確な情報源がないため、今回は不明としておきたいと思います。
【2020.02.07】Twitter上でご住職より「脇侍は観音様と勢至様 」と教えて頂きましたので、上記表内の脇侍、追記させていただきました。ありがとうございました。
私事ですが、初淀下車でした。
京阪淀駅。京都競馬場の最寄駅として有名な駅です。桂川と宇治川に挟まれた淀は久御山町・八幡市・長岡京市などが隣接する、京都の端にあります。長円寺に向かうために訪れた今回が初の淀駅下車となりました。
淀駅を下車し、京都競馬場とは反対方向の淀城跡方面へ。駅の端辺りに淀川渡場径の碑が立って居ます。こちらの石碑、「東南」と書かれているように道案内の石碑になっており、京都の難読地名である久御山町の「東一口(ひがしいもあらい)」にある安養寺への案内も書かれいます。石碑の右後方には淀城跡や與杼(よど)神社があります。この石碑を左方向へ、長円寺と向かいます。
京都市内とは言え、この辺りが京都市伏見区になったのは昭和になってから。完全に碁盤の目の外なので、いつものようになんとなく歩いていては辿り着けません。大きなランドマークとなる建物も少ないので、迷わないように気をつけながらコンビニなどを目印にして長円寺へと向かいました。
長円寺 参拝の様子。
生活道路を歩き、長円寺へ。山門前の道路の反対側には淀水路と呼ばれる水路が流れています。淀水路は近年桜の名所として人気が出て来ている場所でもあります。この日は1月ですが、暖冬の影響で河津桜の蕾がふっくらと膨らみつつありました。
長円寺山門。「鳥羽伏見の戦い 幕府軍野戦病院の地」という比較的新しい石碑が建てられています。長円寺は幕末の戊辰戦争の裏で多くの人を支え命を救ったお寺。長円寺は幕末に淀城には入れずに逃れてきた旧幕府軍(新撰組や会津藩など)が淀城から逃れてきて、野戦病院となったお寺なんです。
山門の反対側には、戊辰戦争で旧幕府軍を率い蝦夷共和国の初代総裁になり、その後明治政府に仕えたという榎本武揚書の「戊辰役東軍戦死者慰霊碑」と書かれた石碑も。
山門を潜り左手に観音堂。観音堂は外から拝むこともできますが、自由に上がらせて頂くこともできます。
こちらの観音堂で和泉守兼定の柄を握らせて頂きました。畳をバックにしての撮影はOKと書かれていたので、遠慮なく一枚。刀に関する知識は全くないのですが、思っていたよりも柄が短いな、と感じました。刀の握り方はよくわかりませんが、撮影の関係上利き手ではない左手で握ってしまっていたことに、今気がつきました。柄を握った写真を撮りたい方は、他の方と一緒に行かれることをオススメします。
観音堂内には御朱印を紹介した本などと一緒に長円寺所有の刀の説明と撮影の注意事項が書かれたパネルも。しっかり読んでから参拝するとご迷惑をおかけせずに済みそうです。
山門正面に本堂。こちらは非公開「進入禁止」とされていました。本堂横には慈母観音。
本堂と向かい合う様に、閻魔堂がありました。長円寺の閻魔様には参拝方法があるようで、閻魔様の前に説明パネルがありました。
2.閻魔様と目を合わせる
3.手を合わせて閻魔様を拝む
4.太鼓を3回強く叩く
という手順でお詣りするようです。
ということで、遠慮なく太鼓を叩き、閻魔様と目を合わせ、拝んでいた所に後ろからお若いご住職様に声をかけて頂きました。「御朱印の拝観ですか?歴史ですか?」という様な質問を頂き説明を伺い「寺報2種類お持ち帰りください」とお声かけを頂きました。その後、お詣りの途中だったため再度閻魔様を拝み、太鼓を3回叩かせて頂いたところで閻魔様へのお目通り終了です。
ありがたいことに閻魔様の撮影はOKとのこと。スマホの待ち受けにしよう、と縦長の写真も撮影させていただきました。閻魔堂の横には何の説明もない仏像が。如意輪観音…?と思わせる輪王座で鎮座していらっしゃいました。
長円寺でいただいた閻魔札。
長円寺の御朱印は閻魔札と言われ「人から渡されるものではなく、閻魔様から直接受け取ってください」との説明を頂いたので、閻魔様の前の木の箱から1組頂きました。1組1000円。
綺麗にスキャンできませんでしたが「地獄審判 閻魔大王」の文字に使われた赤の箔が閻魔様の迫力を増しています。
赤の箔がわかるように頑張って撮った写真。『地獄審判 閻魔大王』の部分が赤の箔になっていて、とても迫力があります。
長円寺さんでは一般の拝観可能な月を定めていらっしゃいて、拝観不可の月は檀家様以外は境内へも立入禁止です。長円寺さんの檀家様への気遣いが伺えます。拝観可能な月が訪れるたび、閻魔札も新しく用意されている模様。またお正月やお盆にも「初閻魔」「夜閻魔」という特別な参拝もあるようで、この時だけは直書きの御朱印を頂くことができるそう。詳しい情報は公式サイトでしっかりと説明されているので、また伺う前に確認しようと思っています。
頂いてきた寺報。こちらに書かれていた「無名隊士の日誌」。史実などではなく小説なのだそうですが、わかりやすくまとめられている上、読みやすかったです。
怖い印象のある閻魔様ですが、いつか行く道、いつか逢う方ですから。そんなに褒められた人生ではないので、先にご挨拶をしておくのはアリだと思うのです。
帰り道。行きと同じ道ながらも、この道を長円寺に救いを求めた隊士たちも歩いたのかしら…?と思うと、胸が熱くなるものがありました。
長円寺 2020年春の御朱印。【2020年4月9日追記】
2020年4月〜7月までの間、参拝可能だったはずの長円寺。
伏見区淀の #長円寺 さんから郵送で拝受した御朱印。
郵送での申し込みはしないのですが、今回は特別。新型コロナウイルスの感染拡散防止の為、京都市の中でも早い段階で参拝不可とされたお寺です。
申し込み方法は公式サイトの御朱印のページ→メール問い合わせページへ。https://t.co/8fMERMFj2a pic.twitter.com/zKsLRZUQxR— 寺女【京都】 (@Love_kyoto_life) April 9, 2020
参拝期間が限られているお寺だけに、御住職も断腸の思いだったのでは…?と思います。送っていただいたのは、御朱印2種類とリーフレット2枚。御朱印だけかな…?と思っていましたが、現地で頂くのと同じリーフレットまで頂くことが出来ました。
相変わらずスキャンで読み込むと、箔が飛んでしまいますが、迫力のある御朱印。箔と青銀の文字がわかるように撮った写真が↓。
2体の龍は、閻魔様の服に起因しています。丁寧なご対応に、また参拝可能になったら伺いたい、と改めて思いました。
令和三年 初閻魔。
コロナ禍の中迎えた令和三年のお正月。ずっと予約制の参拝を行われていた長円寺さんですが、三が日だけは予約なしで伺うことが出来ました。
できるだけ時間を分散し…と思い夕方の参拝。混雑はしていませんが人が絶えることはないようで、私が伺っている間は誰かが境内に居る、という状態でした。
矢印に従い山門から境内に入り、すぐ右手の観音堂で御朱印対応をしていただきました。受付は飛沫拡散防止のためのシートが貼られた状態、消毒用アルコールも用意されており、徹底したコロナ禍対応でした。
長円寺ではお正月三が日のお詣りを初閻魔と呼んでいます。
初閻魔とはー閻魔様の前で、昨年の罪を懺悔(さんげ)して、心を洗い流し、新年の無事を願う行事。
出典:淀長円寺公式サイト –初閻魔–
今回、コロナ禍の中長円寺さんに出向いた理由の一つは昨年の振り返りと懺悔のため。
そしてもう一つの理由が、今回の初閻魔では直書きの御朱印がいただける、ということ。通常の参拝可能期間に頂ける閻魔札は書置きのものなので、直書きが頂けるのは非常に貴重な機会です。今までも初閻魔・夜閻魔期間中は直書き対応をされていたようですが、コロナ禍による影響を考えると、今後どのようにされるのかはわかりません。この機会を逃しては…と出向いた次第です。ということで、観音堂で頂いた直書きの御朱印。スキャンすると色が飛んでしまいましたが、墨汁に金の細かなラメが入れられており、落ち着いた色味の文字。
より実際に近い写真↓。どうしてもこの色だけは綺麗に出ない、不思議な感じ。
お正月だからなのでしょう、本堂も開けられた状態。以前Twitter上で教えていただいた阿弥陀如来様、観音様と勢至様へも遠くからご挨拶させていただけました。
閻魔札を閻魔様から頂くのは以前と変わらず。それでも閻魔様の前にも消毒用アルコールが用意されており、消毒してから閻魔札を頂くことが出来ました。
閻魔札を頂くのは箱から自分で取り出す必要があるため、多くの人が箱に触れることを考慮された結果なのでしょう。今回頂いた閻魔札。こちらの壬生狼の方は青い箔なのですが、こちらもスキャンでは綺麗な色が出ませんでした…。
箔がわかりやすいように撮った写真↓。箔の部分は反射してしまうため、どうしても綺麗に撮れませんでした。
ということで帰ろうとしたところ、閻魔様の横の観音様の横に小さなお地蔵様を発見。端の方で微笑みを浮かべておられました。あの石仏は輪王座で座られて居るから如意輪観音様かしら…?と思いつつ、詳しくないので詳細不明です。
2022年の長円寺の御朱印(閻魔札)
2022年もコロナ対策を行いながら折に触れ御朱印(閻魔札)をいただく機会が用意されています。
長円寺の前の水路沿いは河津桜の桜並木が綺麗なのですが、時期に合わせて用意されていた切り絵御朱印は早々になくなったそうで、いただくことができませんでした。
コロナ対策として行われていたTwitter上での事前予約だけではなく予約なしでも伺えるようになった、6月5日にいただいた切り絵閻魔札。
綺麗な台紙が用意されていたのですが黒の部分がわかりにくいかと思い、違う色の台紙にも合わせてみました。緑になっている部分が切り抜かれている所です。
光明寺へも…。
長円寺の御住職は、廃仏毀釈で廃寺となった光明寺の復興にも取り組まれており、その取り組みは随時公式Twitterで報告されています。
せっかくなので光明寺跡地へも出向いてまいりました。
京阪淀駅から京都競馬場の石碑の前を通り、長円寺さんへ向かう際、左手の民家の奥のコインパーキングの横にありました。通りからは見えないために、コインパーキングを意識して歩かなければわからないかと思います。
2021年のお正月の長円寺への参拝の際、長円寺で光明寺の御朱印も拝受してまいりました。
今の所「朱印村」として御朱印メインの光明寺。今後、光明寺がどのようになっていくのかも楽しみです。
2021年10月 切り絵閻魔札をいただきに。
緊急事態宣言解除後、再訪した長円寺さん。コロナ禍の最中、zoomやyoutubeなど様々な方法を模索されていた長円寺さん。好感度抜群です。今回の閻魔札は切り絵仕立て。
普通にスキャンしてしまうと黒地に白で描いたように見えてしまうので、黄色いシートを挟み込んでみました。上の閻魔札との違いがよくわかると思います。
切り絵閻魔札(御朱印)は初めてだったのですが、厚みがあります。通常の御朱印帳の見開きには貼れない厚さ。対応を考えねばなりません。
もし今後、長円寺さんで閻魔札をいただいた方は、是非台紙裏面のQRコード(赤い方)を読み込んで見てくださいね!
切り絵閻魔札に惹かれて伺った…かのように見えて、実はお寺の境内でよく寝ているという猫(しっぽな)がお目当だった、私。残念ながら定位置にも周囲にも見当たらず…出直し確定です。
SNSで【コロナ禍でも元気を届けたく(第1回)】の 記念品をいただきました。
上で紹介したQRコードを読み込み、その内容に従い投稿したツイート。
久々の参拝に選んだ先は、淀の長円寺 @chouenji1さん。
長円寺さん初の切り絵御朱印。切り絵がわかりやすいように、黄色のシートを挟み込んでみました。
参拝可能な日や郵送での授与に関してはhttps://t.co/8fMERMFj2a
でご確認を。お目当てのしっぽなは不在でした、残念。#淀長円寺#長円寺切り絵 pic.twitter.com/HThQZM83xg
— 寺女 (@Love_kyoto_life) October 3, 2021
このツイートがご縁となり、長円寺様より【コロナ禍でも元気を届けたく(第1回)】の記念品を頂戴いたしました。こちらは通常の参拝ではいただくことができないもの。指定されたハッシュタグと共にいただいた閻魔札の画像を投稿することが参加条件となります。
御朱印サイズのクリアファイルと御朱印。限定中の限定御朱印です。
2022年 寅年 初閻魔
2022年のお正月。閻魔様に初詣に出向き、御朱印をいただいてまいりました。雪の和紙を使用した初閻魔の書き置きの御朱印と、直書きでいただけた寅えんまの御朱印。
そして、淀光明寺の御朱印を一緒に。今回は長円寺さん周辺に住んでいるしっぽな親子の形をした御朱印でした。画像で見てしまうと猫の絵に見えますが、猫の形の御朱印です。しっぽな親子については、長円寺さんの公式ツイッター(@chouenji1)やYouTubeチャンネル等のSNSで紹介されています。
今回は直書き御朱印を書いていただいている間に、しっぽな親子の近況を教えていただきました。
2023年お正月 初閻魔
新年ということで改めて伺った淀の長円寺さん。2022年年末に閻魔堂の内部が改修されたことを知り、再訪してまいりました。
新しく背景が加わった、閻魔堂。後ろに書かれている閻魔様や倶生神のお顔が閻魔堂の像とそっくりで迫力があります。思わず見入りながら「私多分後ろで煮込まれる方だな…」と思ったり、色々改めようと思ったり。やはり閻魔様の前に出ると、日頃の行いを見直してしまいます。
その後観音堂でご住職から直書きの御朱印と書置きの御朱印をいただきました。お伺いしたところ、閻魔堂の絵は過去の御朱印の絵を書かれている日本画家さんが書かれたとのこと。閻魔様のお顔などはやはり似せて書かれたものだそうです。
色々な取り組みをされている長円寺さんですが、何度かお話させていただいたご住職は本当に柔和で親切な方。お忙しい中期間を区切ってのご対応、本当にありがたいなぁ…と思わせていただけるお寺です。
淀光明寺さんとしての活動はこちらから。
京阪淀駅から徒歩で出向く時は…
淀駅から長円寺さんまでの間に、伊勢向神社と天満宮があります。御朱印対応はされていないような、小さな地域の人に大切にされているであろう神社。伊勢向神社の扁額には「伊勢御門大神宮」と書かれていました。
こちらは社務所もない小さな天満宮…と思いきや、本殿の手前には三社の境内社がある天満宮。こちらも地域密着なのでしょう。
淀駅から長円寺まではそこそこの距離があります。見かけたらフラリと立ち寄るのもいいのではないでしょうか? それもご縁かと思います。
早咲の河津桜の名所の前
長円寺自体は桜の名所ではなく境内には桜はありませんが、長円寺の前を流れる淀水路は京都随一の河津桜の名所。淀駅の案内板にも淀水路への道案内が貼られ、私が訪れた日も多くの人が訪れていました。
長円寺さんと淀水路の河津桜は関係がないので、問い合わせなどはお控えください。TwitterやInstagramなどのSNSで『淀 河津桜』で検索をするのが一番早い情報を得られるかと思います。
淀の河津桜は京都市観光協会のサイトでも紹介されています。
長円寺さんに出向いた際に一緒にお参りするのは、こちらの神社。淀駅からすぐです。
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