壬生寺 概要
名称 | 壬生寺(みぶでら) | 別名 | 地蔵院 宝幢三昧寺 |
御本尊 | 地蔵菩薩 | 脇侍/安置仏 | 薬師如来/不動明王他 |
開山 | 快賢 | 宗派 | 律宗 |
札所 | 洛陽三十三所観音霊場第28番 京都十二薬師霊場第4番 洛陽天満宮二十五社順拝第4番 | ||
所在地 | 京都市中京区坊城仏光寺北入る | ||
最寄りの公共交通機関 | 阪急電車 大宮駅/嵐電 四条大宮駅→10分 京都市営市バス 壬生寺道→3分 | ||
拝観時間等 | 8:00〜17:00 | 壬生塚及び資料室 拝観時間及び拝観料 | 8:30~16:30 大人 200円 小〜高校生 100円 |
壬生寺 新しいお堂が並ぶ境内へ。
節分の日、天道神社から向かった先は、壬生寺。壬生寺も多くの人で賑わい、ゆっくりとは程遠い参拝となってしまったため、翌週に改めてお詣りに出向いて参りました。
坊城通りに面した表門から。平安時代に白河天皇から厚く信仰されたということだけあり、五筋壁で囲まれています。
京都市の駒札にもあるように、境内には高齢者施設や保育園などがあり、小さい子やご老人がお散歩をしていたり、関係車両が境内を走っていることがあります。参拝の際は十分ご注意ください。
壬生寺 参道を挟むお堂にお詣り
壬生寺表門から本堂へ真っ直ぐ続く参道沿いには、お堂が並んでいました。
一夜天神堂
壬生寺の表門から境内に入ると、すぐ右手(北側)に一夜天神堂があります。一夜天神様は菅原道真公が筑紫へ流罪にされる前に親族を訪ね、一夜を明かした伝説から名付けられたという天神様。壬生寺の子院の開基・託願の夢枕に立った菅原道眞公からの告命により、ここに祀られたもの。しっかりと鳥居が立っています。こちらには、壬生寺の鎮守の六所明神様と伽羅守護の金比羅大権現様も一緒に祀られています。
別れを惜しんだ道真公と親族の方々の思いから、遠方親族の安全という御利益が生まれたのでしょう。地元を離れている私も、壬生の地からそっと、地元の親族の安全を祈願させていただきました。
一夜天神堂の横には境内案内図がありました。写実的な絵と簡単な歴史、さらには年間行事予定も書かれているので、軽く一読されることをおすすめします。
夜啼き地蔵と阿弥陀堂
境内図の隣には、夜啼き地蔵、阿弥陀堂(壬生寺歴史資料室、新選組隊士墓所や近藤勇の胸像がある、壬生塚への受付を兼ねた建物)があります。阿弥陀如来像、観音菩薩像、勢至菩薩像の阿弥陀三尊が祀られているだけではなく、お守りやおみくじ、その他新選組関連の書籍なども、こちらの阿弥陀堂で扱われていました。
壬生塚は思っていたよりも狭く、興味がなければ3分ほどで見学が終わってしまいそうな広さ。近藤勇胸像、芹沢鴨らの墓や「あゝ新撰組」という歌の歌碑があるのですが、なぜか私が訪れた時にはこの「あゝ新撰組」がずっと流れているという…なかなかな演出がなされていました。続きにある阿弥陀堂の地下にある歴史資料室には平安時代に作られた薬師如来像や壬生寺の歴史に関する資料、新選組の資料などが展示されていました。その中で一番おすすめしたいのは、階段を降りてすぐの踊り場から上を見上げた所から見ることができる、1階でお詣りして来た、阿弥陀様の後ろ姿。下から見上げた後背と大きな背中は、どこか温かみを感じられました。
辨財天堂と水掛地蔵堂
阿弥陀堂の西側には、辨財天堂と水掛地蔵堂。辨財天堂の横からは、壬生塚を見ることができましたが、肝心の近藤勇胸像などは見えないように工夫がなされていました。
こちらの辨財天様、弘法大師作の秘仏だそうで。弘法大師作と言われる仏像の多さに本当に驚きます。稲荷明神と荼枳尼天と一緒に祀られているので、御利益ありそうだなぁ…と思いながらお詣り。
そして、水掛地蔵堂。こちらの水掛地蔵様は、願いを1つだけ叶えてくださるとの説明がありました。寒い季節に申し訳ないような気持ちになりながらも、遠慮なく水をかけてお願いをしました。
中院と歯薬師様
表門から伸びる参道の南側には、中院と薬師如来様。中院は壬生寺に唯一残っている塔頭で、観音様が祀られています。洛陽三十三観音巡礼の札所の第二十八番札所です。
隣の鐘の様な窓の奥には薬師如来様。こちらの薬師如来さまは十二薬師霊場の四番札所です。「ははは」と笑っているようなお顔、という所から歯薬師と言われているそうです。しっかりと日光/月光菩薩様と一緒に祀られていました。お顔を拝見しましたが、声を立てているかどうかと言われると微妙ですが、本当に穏やかなお顔をされていました。
壬生寺 本堂へお詣り。
表門の正面にある、本堂。壬生寺の本堂は昭和37年に放火にあい、御本尊と共に消失してしまったため、その後建立された新しく綺麗な建物です。御本尊は律宗の総本山から招かれた、地蔵菩薩様(重要文化財)。大きな寺院ですが、柵が閉められているために、御本尊にお詣り出来ない雰囲気。私が知らないだけだと思いますが、大きな寺院で御本尊もしくは御前立にお詣り出来ない寺院はあまりなかった気がします。ご祈祷を申し込んだり、拝観可能な日があるのだろうとは思いますが、案内がなかったために詳細は不明です。
壬生寺は、境内の端に沿って建物が建てられていて、真ん中が広くあけられています。ここで節分会の2月2日には聖護院の山伏の方々により護摩焚が行われます。この広い境内では新選組の沖田総司がよく近所の子供を集めて遊んだりしたという微笑ましい話も残っていますが、同時に兵法の訓練に使われていたというのは、少し悲しい気がします。壬生寺に屯所を構えていた頃が、一番勢いがあったのではないでしょうか?
色々思いますが、それもこれも平和な日本に育っている私の感覚でしかないんだろうと思うと、平和にお詣りができる現代に生まれたことに、感謝です。
千体仏塔
壬生寺の南門から入ってすぐにある、千体仏塔。かなり目立ちます。明治時代の区画整理で集められた石仏を千体使って、平成元年に作られたものだそう。本堂横や三界蔓霊碑の隣、北門横の三福川稲荷堂の手前など、境内には千体仏塔に使われなかった多くの古そうな石仏が見受けられました。大きさも種類も作られた年代も違う石仏。明治から平成元年まではどのように置かれていたのか?も少し気になりました。
壬生狂言の舞台 大念仏堂を覗き見
節分会で見ることを諦めた壬生狂言。無言劇として非常に長い歴史を持つ壬生狂言が行われる舞台を横から眺めて来ました。 こちらの舞台、重要文化財に指定されています。壬生狂言も、重要無形民族文化財に指定されているので、重要文化財で行われる重要無形民族文化財を見る、というなんとも豪華な組み合わせ。
2018年2月3日 壬生寺 節分会
節分の日、天道神社→壬生寺→梛神社と参拝してきました。壬生寺の南入り口沿いを東西に走る仏光寺通も、東側を南北に走る坊城通りもお店が立ち、境内だけではなく、周辺まで多くの人で賑わっていました。焙烙(ほうろく/ほうらく)焼きに名前と年齢を書いて厄除け祈願をする、節分厄除け焙烙に使われる焙烙を売るお店が何店舗も出ていたのが印象的でした。
その他にも、干し柿や豆、かるめら焼き、最近の流行りで言えば肉巻きおにぎりやベーコンエッグたい焼きのお店も。お店が出ていると、お祭り気分が高まってしまいます。
本堂前には祭壇が作られ、お供えが所狭しと並べられ、真ん中の前だけが開けられていました。祈祷がなされていたらしく、外にまで響いて来た大きな音に驚いてしまいました。
節分会の日は壬生狂言の「節分」という演目が1日8回行われていて、壬生狂言を無料で拝見できるチャンスだったのですが、既に多くの人が並んでいて次回には入れそうになかったため、諦めて壬生寺を後にしました。
壬生寺 限定御朱印+御朱印
壬生寺では壬生狂言や節分会の時に拝受することができる限定御朱印と、通常の御朱印(3種類)をいただくことができます。御朱印帳も扱われていました。2017年には、京都市とワンピースのコラボに際し、期間限定の御朱印も扱われていました。節分会の日は限定御朱印を、翌週の再訪時には御本尊の地蔵尊の墨書きの御朱印をいただきました。節分会の時は御朱印を求める人の列が寺務所から境内まで続き、私も15分ほど並んでいただいて来ました。
壬生寺の御朱印は、境内にある有料介護付き老人ホームと本堂の間にある寺務所で拝受することが出来ます。ちなみに、寺務所の受付手前に水琴窟がありました。自由に水を流すことができるので、ぜひその綺麗な音を楽しんでください。水琴窟って、ある場所はわかっていても遠かったり高速のSAだったりと、なかなか聞くタイミングがありません。見つけると嬉しくなって、何度も水を流してしまいます。壬生寺の水琴窟は、周囲の音に負けないように、筒に耳をあてて聞けるようになっていました。
再訪の際にいただいた御朱印。以前はなかった不動明王の書置きの御朱印と弁財天の御朱印。不動明王の御朱印は御縁日にあたる毎月28日限定でいただくことができます。壬生寺も御朱印が増えており、新撰組絡みのものや弥陀三尊、25日限定の一夜天神のものなどがあります。2023年1月28日、授与所には新撰組絡みの弥陀三尊の御朱印の情報はありましたが、新撰組絡みではない弥陀三尊がいついただけるのかはよくわかりませんでした。
2023年4月30日、京都十二薬師巡礼で訪れた際、春季特別公開に合わせた御朱印が用意されていたのでいただいてまいりました。
洛陽三十三観音巡礼に関しては、こちら
2019年、節分会厄除大法会に出向いて来ました。【追記】
2019年、降り始めた雨に打たれながら辿り着いた、壬生寺の節分会厄除大法会。雨のせいか節分当日(日曜日)の16時半頃という時間のせいかはわかりませんが、境内は混雑というほどでもない人出でした。
まずは焙烙奉納。
2019年は無事に焙烙(ほうらく)奉納で厄除をお願いすることが出来ました。この焙烙、山門の外でも販売されていますが、今回は雨のために比較的空いていた境内で購入することが出来ました。
1.奉納
2.「家内安全」「無病息災」など、お願いしたい内容
3.○○家
4.性別と年齢(かぞえの年齢)
を記載し、「ほうらく 納め所」と書かれた、本堂向かって左側に持参。納め所で別途奉納料(1枚 100円〜)を支払い、奉納していただきました。
壬生狂言と焙烙せんべい
焙烙を奉納して本堂でお詣りをし、ふと見ると、壬生狂言の列がガラガラな状態。この機会を逃しては…!と、雨の中、傘をさしたまま20分ほど待ち、壬生狂言を拝見してまいりました。壬生狂言は動画静止画共に撮影禁止です。
壬生狂言は国の重要無形民俗文化財に指定されている無言劇で、執り行われる大念佛堂も重要文化財に指定されています。節分会では13時から20時まで、毎時ごとに同じ演目が上演されます。演目自体は40分ほどですが、入替等の関係で1時間おきとなっています。大念佛堂の正面に建てられた保育施設の上に階段状の観覧席が用意されていて、そこから見学します。早く入場した人から好きな場所に座ることができるのですが、3〜4人が座れる長椅子に座っての見学になるので、譲り合って座ることになります。
雨が降った今回は、濡れる席に観客を案内することがないよう、一度に収容する観客を少なくしていたように思います。上映時間に合わせて並んだ人をロープで区切るのですが、2019年は雨の為か2018年よりも少ない人数で区切られていました。
壬生狂言は無言劇なので、言葉での説明は一切されません。事前にあらすじを見ておくことをオススメします。大念佛堂でも壬生狂言の全演目が解説された解説本が販売されているので、詳しく見たい方は開演前の購入をオススメします。
感想としては、ずっと上演されて来たことへの尊敬と、冷えたのか…途中で退場して戻って来たお囃子の子の可愛らしさと、後家役の人が大きいなぁと言うのと…雨がかからない屋根の下とはいえ、寒かったです。劇中に何度も小槌を縁に置く場面があったのですが、細心の注意をはらいながら置いているなぁ…と。寒さと風向きにより吹き付ける雨の為に、少し集中力を欠いた見方をしてしまった気がします。
節分名物「炮烙せんべい」納品されました。昔ながらの味、卵煎餅です。 pic.twitter.com/vNxryPKiMH
— 壬生寺 (@mibu323) 2019年1月29日
壬生狂言見学後、焙烙せんべいを購入して来ました。優しい素朴な味。値段は失念しましたが、個別に包装された焙烙せんべいを一袋にまとめた形で販売されていました。販売元や賞味期限等は記載されていませんでしたが、裏面に焙烙せんべいの説明がされた紙が添えられていました。
壬生狂言は春と秋にも上演されます。お時間が合いましたら、ぜひどうぞ。
2020年 節分会(2月2日)と改元限定御朱印。
日曜日が2月2日だった、令和2(2020)年。翌日の節分当日は仕事だったので、節分前日は大護摩祈祷が行われているという壬生寺へ。3年連続の壬生寺の節分厄除け大法会となりました。
本堂前に組まれた護摩壇。山伏の方々の襷には「聖護院」の文字。壬生寺の大護摩祈祷は聖護院の山伏さん達により行われていました。翌日の節分祭当日には聖護院で護摩祈祷があるために前日なのでしょうか?詳しいことはわかりませんが、多くの人が見守る中、粛々と進められて行きます。
粛々と…とは言え、確実に背中を向けている人も。背中を向けている人々は、壬生狂言の順番待ちの方々。
約1時間の大護摩祈祷を拝見したあと、授与品を拝受して休憩です。2019年に壬生狂言を拝見した際の参拝では焙烙せんべいを頂いて帰りましたが、こんな目立つ袋に入っていたかな…?と。記憶がはっきりしていませんが、写真には納めて居ませんでした。
改元限定御朱印
2020年に拝受して来たのは御朱印(¥500-)と節分豆(¥300-)。こちらの御朱印はいつもの寺務所ではなく、境内に用意された授与所でいただくことができました。この御朱印のことを知ったのは、壬生寺の公式Twitter。
池大雅作「恵美子・大黒天」朱印授与のお知らせ
壬生寺節分会2月2~3日に、当寺伝来の木版画を32年ぶりに授与します。(前回は平成元年・元号が変わった年に授与) pic.twitter.com/QknMdGtjne— 壬生寺 (@mibu323) January 21, 2020
改元の時という、ごく珍しいタイミングでのみ用意される、御朱印。スキャンして見ましたが、実際はもっと金色。キラキラしている上に少しザラザラしていて、非常に硬いです。紙…?という感じ。恵美子・大黒天共に銀に近い色で描かれています。紙も絵も角度を変えると色や煌めき方が変わる、非常に面白い御朱印です。
なんやかんやと節分は壬生寺、となりつつあるここ数年。今回は新型コロナウイルスの影響なのか前日だからなのかはわかりませんが、昨年・一昨年よりも人が少なかったように思います。
節分当日とは違う催事が行われているので両日ともに楽しめるな、と改めて思った、壬生寺でした。
20230128 再訪
壬生寺の不動明王の御朱印の話を聞いてから随分時間が経ちました。28日が休みで用事がなくて…というタイミングに恵まれ、ようやく訪れることができた壬生寺。2月3日の節分祭に向け、境内では着々と準備が進んでいる様子が伺えました。
節分祭当日は俸禄焼きのお店や出店が並び、求める人も多く訪れ、この広い境内も動き辛いほどの賑わいを見せます。
2023年の節分祭は残念ながらお仕事予定。少し早めに気分を味わえた壬生寺再訪でした。
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