伏見区民絶賛のお祭りへ。
「屋台の数も多いし、期間も長いし、人も多いし、これぞお祭り!って感じがするから、神社が好きなら行っとかないと!」と、伏見区在住の知人から猛烈にオススメされていた、御香宮神社の神幸祭。毎年10月上旬に9日間にわたり行われる神幸祭、2018年の神幸祭は9月29日(土)〜10月7日(日)でしたが、第1日目と第2日目は台風24号の影響を受け、花傘総参宮やお神酒頂戴などの行事は中止となってしまいました。10月6日(土)に行われた宵宮祭の花傘総参宮を見に出向いて参りました。
今回、近鉄電車の桃山御陵前駅から向かった御香宮神社。時刻は19時過ぎ、駅前を走る大手筋通では既に花傘参宮を終え地区に戻る花傘と今から門前を目指す花傘、花傘参宮に参加している氏子衆と参拝する人、花傘を見る人で既にごった返しの状態でした。
御香宮神社 宵宮祭の夜の境内の様子
過去に何度か訪れていた、御香宮神社。鳥羽伏見の戦いの際には薩軍の屯所に使用されたほどの広さのある境内ですが、この日ばかりは様子が違いました。いつもは真っ直ぐに石畳が伸びその両横には砂利が敷かれた見渡しの良い参道ですが、両脇に屋台が途切れることなく並び、石畳の上には多くの人。
普段の御香宮神社の様子はこちら↓

入り口から割拝殿まで延々と続く屋台は百数十軒。あまりの人の多さに流れに逆らいゆっくりと屋台を見ることはちょっと難しいかも…?と思うほどの混雑でした。
御香宮神社の割拝殿の中
見事な彫刻と極彩色に彩られた、御幸宮神社の割拝殿。重要文化財に指定されているこの見事な割拝殿も、神幸祭の間だけは見所が変わります。
普段は通るだけの御香宮神社の割拝殿の通路部分ですが、この日は通路内側の格子戸が外されて、大きな獅子頭とお神輿が安置されていました。
※2018年5月、割拝殿の中から見た景色。通路内側の格子戸と参道。
社殿に向かって左手に、獅子頭。天鈿女命と猿田彦命と書かれた提灯と獅子頭。奥の祭壇にはお面が2対飾られているのも見られます。
神功皇后が主祭神の御香宮神社、摂社・末社に猿田彦ご夫婦は祀られていたかしら…?と思っていたところ、すぐ下に猿田彦行列のいわれが書かれた金属板と大獅子の説明がされていました。獅子頭の重さは17貫、64kgを超えるという非常に重いもの。これほどの大きさの物が2対で行列を成すのならば、恐れ慄いて清められるような気がします。
獅子頭の反対側、割拝殿の東側の壁には、三基のお神輿。お神輿の下には翌日に行われる神輿巡幸のそれぞれのルートや予定時刻などが書かれた紙が何枚も貼られていました。
社殿への参拝は、順番待ちができるほど。私は割拝殿の終わりくらいから並び数分でお詣り出来ましたが、タイミング次第ではもっと待つ必要があるかもしれません。社殿でのお詣りを済ませた人は屋台が出ている駐車場側へと向かうことができる東側、伏見酒造組合により設営されたお神酒頂戴処側、それぞれ思う方へ向かっていました。
私は西側(社務所側)へと抜け、お神酒を頂戴しました。神幸祭の期間中の4日間、午後7時〜8時半頃の間、巫女装束に身を包んだ女性からお神酒をいただくことが出来ます。御香宮神社のある京都市伏見区は名水湧く酒所、運転されない人はぜひお神酒をいただいてください。
「千姫神輿」と本物の甲冑
割拝殿手前から割拝殿を囲うように建つ、御香宮神社の能舞台。普段の参拝の際は「立派だなぁ…」という印象だけで過ぎてしまいますが、神幸祭のこの日は少し様子が違いました。
※御香宮神社2017年の能舞台の様子
能舞台と社務所の間には「千姫神輿」と呼ばれる豪華絢爛な神輿、鳥居の奥の上の部分には龍が描かれているのがしっかりわかります。この大きさで重さ2トン越え、重くて担ぎ手がいないというこの神輿、元禄7年(1694年)から修繕を…ということは、300年以上前から存在するものということになります。手を伸ばしても触れられませんが、触れられそうな距離で見ることが出来ました。
そして、能舞台の上には明治の初めに寄進されたという甲冑。武家から寄進されたとの書かれているので、一度は武士の方が本当に身につけた甲冑でしょう。全て形が違うので、好みのものを探すのも一興です。
能舞台と千姫神輿の間にもテーブルが出され、露店で購入したものを食べる家族づれも多く見られました。境内のあちこちでゆっくり食べることができるように用意されているのは、露店が多く出されているお祭ではとても嬉しい心遣い。家族づれや近所の子供達らしき集団が多く見られたのも、境内でゆっくり食べることができる、ということを知っているからなのでしょう。
2018年宵宮祭花傘総参宮を楽しむ。
本殿へのお詣りを済ませたあとは、この日の目的の一つ、2018年神幸祭 宵宮祭 花傘総参宮の見学です。見学とは言え、山門前は立ち止まらないようにアナウンスがされていたため、大手筋通りを歩き、山門を目指す花傘を見て来ました。
「アラウンヨイヨイ、アラウントマカセ…」の掛け声と一緒に傘を大きく揺らしたり回したり。子供達は自前の手作り傘を周辺で回し、メインの傘に花を添え…。
山門前で他所の花傘の参宮している間、大手筋通りでは他の氏子の方々が順番待ち。近くで見るとどの傘もナイロン製の花が使われていたり電飾がされていたり。この傘、長年の歴史を引き継いだ…というより手作り感が溢れています。子供達が手にしている傘も、ペーパーフラワーなどで彩られた奥にキャラクターが見え隠れ。この花傘には翌日のお神輿のお迎え提灯の意味があるということで、神様をお迎えするために力が入っている様子を伺うことができます。
大手筋通りは御香宮神社に向かい少し坂になっているため、御香宮から大手筋商店街に向かうと、順番に歩いてくる傘が見えます。傘だけではなく、お神輿を担いで参宮している氏子地区団体も見かけました。
三段の大きな傘。私が見た中で一番大きな傘だったのではないでしょうか?この大きな傘を大手筋商店街の中で立ち止まり揺らし回す瞬間に立ち会えました。
大手筋商店街のアーケードが終わりに近づいたあたりでは、花傘パレード特設観覧席前が用意されていて、来賓の方と思われるスーツ姿の方々の前で、掛け声と共に傘を揺らし回す様子が見られました。ここでは撮影をしている人も多く、遠目で拝見。
9日間の日程をかけて行われる、御香宮神社の神幸祭。大手筋商店街のアーケードからかけられている垂れ幕もお祭りの様子を写したものが掛けられていました。全て違う画像の垂れ幕でした。
御香宮神社の御朱印帳と御朱印
神社用の御朱印帳がいっぱいになっているタイミングで伺った御香宮神社の神幸祭。タイミングもご縁とばかりに御朱印帳と御朱印を拝受していまいりました。
おもて表紙と裏表紙の色が若干違う仕様の御朱印帳。実物はもう少しツヤ感のある美しい御朱印帳。内側に使われている紙は生成色です。
御香宮神社散策のお供。
今回、御香宮神社散策のお供に購入したのは、近鉄京都線 桃山御陵前駅の改札を出たところで売られているたい焼き、薄皮たい焼 粉こ楽さんのたい焼。
常時色々な種類のたい焼を販売されているので、帰宅時間や休日などには並んでいる人もいる粉こ楽さん、今回は季節のたい焼「ごろごろチーズベーコン味」と定番の「うふクリーム味」。端まで餡が詰められたたい焼、美味しくいただきました。
ベーコンエッグ味が定番メニューとして販売されているので、お祭りではない時でもベーコンエッグたい焼が食べられる嬉しいお店です。
私は頭から食べる派です。
御香宮神社 概要
名称 | 御香宮神社 (ごこうぐう/ごこうのみやじんじゃ) |
創建 | 不詳 |
神幸祭 | 毎年10月上旬 9日間行われる | ||
主祭神 | 神功皇后 | ||
相殿 | 第14代仲哀天皇 第15代応神天皇 瀧祭神(龍田大神) 宇倍大明神(武内宿禰) 河上大明神(豊玉姫命) 若宮(応神天皇御子、第十六代仁徳天皇と御弟菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)命) 高良大明神(高良玉垂(こうらたまたれ)命) 白菊大明神(白菊翁) |
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境内社/摂社・末社 | 稲荷社 弁財天社 松尾社 東照宮 北末社(金札 那智 熊野 新宮 天満宮 春日) 大神宮 豊國社 東末社(住吉 八坂 恵比寿 若宮八幡) | ||
主なご利益 | 安産祈願 幸せを招く 守護する | ||
所在地 | 京都府京都市伏見区御香宮門前町174 | ||
最寄りの公共交通機関 | 京阪電車 伏見桃山駅 → 徒歩約7分 近鉄京都線 桃山御陵前 → 徒歩約5分 JR奈良線 桃山駅 → 徒歩約10分 |
9日間も行われると、どのタイミングで伺おう?と悩むこともあるのですが、やっぱり宵宮祭で露店が出ていると聞くと、宵宮祭に伺いたくなってしまいます。
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