・前のめり気味な不動明王。
・お隣、世界遺産仁和寺の別格本山。
蓮華寺(右京区) 概要
名称 | 蓮華寺(れんげじ) | 山号 | 五智山 |
御本尊 | 阿弥陀如来 | 脇侍/安置仏 | 不明 |
開創 | 藤原康基 | 宗派 | 真言宗御室派 |
札所 | 近畿三十六不動尊巡礼 第15番 | ||
所在地 | 京都市右京区御室大内20 | ||
最寄りの公共交通機関 | 嵐電 御室仁和寺駅 → 徒歩4分 京都市営バス 仁和寺前 → 徒歩3分 | ||
拝観時間等 | 8:00〜17:00 (12月〜2月は16:00) | 拝観料(通常) | ー |
蓮華寺 仁和寺東門前の参道から。
京都市右京区の蓮華寺。蓮華寺は仁和寺のお隣(仁和寺駐車場の北側)に位置する真言宗御室派の別格本山のお寺。仁和寺東門のほぼ正面に蓮華寺の参道入口があります。
どれくらい近いか?というと、蓮華寺の参道入口から見た仁和寺東門はこんな感じ。仁和寺と蓮華寺の間には道が一本あるだけ。
今回はこの参道から参拝スタートです。
蓮華寺の秋 境内の様子
参道の坂を登ってすぐの左側に鐘楼があります。五智の鐘と書かれた石碑と鐘楼、その奥には鎮主社と見事に染まった紅葉。
見事な紅葉よりも目を引くのは、境内の真ん中に鎮座する大きな五智如来像と十一坐像です。
駒札も、五智如来像の前に建てられていましたが、ほぼ解読不可能な状態。建て直しを希望したいところですが、こう言う時に便利なのが京都観光Navi。同じ内容が掲載されています。
蓮華寺 石仏五智如来像。
ということで、改めて石仏五智如来像。
寛永18年(1641)に江戸の樋口兵太夫翁が再興し、山頂に木食(もくじき)上人単称(たんしょう)が彫刻した石造五智如来像を安置した。その後、乗円・雲寂上人等を出して栄えたが、火災にかかって焼亡し、昭和3年、現在の地に再興されたが、石仏群のみは山上にとどまっていたのを昭和33年にこの地に移された。
出典:京都観光Navi-五智山蓮華寺 駒札–
生垣に隠れているのでわかりにくいのですが、近づいて見るとそれぞれの仏座の下には石像の名前が掲示されています。事前に並び順を確認する必要はありません。作成されてからざっと350年は経っている、五智如来像。修繕はされていますが、350年以上風雨に耐えて来たとは思えないほど綺麗な状態です。
それぞれ一体ずつで撮影して並べるとこんな感じ。西から釈迦如来・阿弥陀如来・大日如来・宝生如来・薬師如来。推しの如来様がいるならば、青空の下で撮影して待ち受けにしたくなるよねぇ…と思うほど。一定の距離まで近くこともできるので、じっくり拝見させていただけます。
蓮華寺 石造11体
五智如来像のすぐ後ろには、五智如来像に仕えるように11体の石仏が並んでいます。京都観光Naviでは観音坐像11体と説明されているのですが、立像もあります。また、観音様…?という雰囲気のものもあります。蓮華寺の公式サイトやいただいたリーフレットにも説明はありませんでした。駒札に離散・損傷していた石仏群を収集・修復して境内にあらためて祀ったともあるので、今となっては詳細がわからないのでは?と思います。そのためかどうかはわかりませんが、若干新しい石仏も混じっている印象を受けます。
五智如来造と石造11体の間は広くなく、石造11体だけを正面から撮影することは不可能でした。
蓮華寺 不動堂へ
石造の五智如来像と11像の東側に、近畿三十六不動尊巡礼の札所本尊である五智不動尊が祀られている不動堂があります。この不動堂も無料お詣りさせていただけます。
元々は本堂として使われていた不動堂で、石造の五智不動尊にお詣り。御本尊は奥におられ、外陣からお詣りです。内陣は護摩供の祭壇でしょうか?法具らしきものが置かれており、いつでもご祈祷が受けられそうな感じです。
不動堂には、寛朝大僧正が円融天皇中宮藤原詮子のために安産を祈ったといわれる不動明王像を安置する。
出典:京都観光Navi-五智山蓮華寺 駒札–
右肩が前に出ている感じの不動明王像は、前のめり気味とでも言いましょうか?「今すぐ救いに行こう」という印象を受ける、非常に暖かみのある五智不動尊です。
境内の納経所の案内に従い本堂前を通り納経所へ。本堂は閉められていました。
納経所は山門の横から。この日一番紅葉していたのは、山門の紅葉。不動堂の奥の墓地にも綺麗な紅葉が見受けられましたが、山門の紅葉の方が見頃を迎えていました。
山門を道路側から。高低差があること、曇空であること、スマホカメラであることなどから、紅葉の色と門の暗さのどちらに基準を合わせたら良いのか…迷いながら調整しながら何枚か撮影してみましたが、紅葉の色が明るく撮れすぎたり、山門全体が暗くなり過ぎたり…上手に撮影できませんでした。
それでも、紅葉の見事さは伝わるかと思います。
山門側から見るとよくわかる、続く五筋の筋壁。参道から入ると見えなくはないですが、見落としてしまいがちな筋塀。蓮華寺の寺格の高さを表していますが、その理由は境内に置かれていたこの石碑に記されていました。
蓮華寺でいただいた御朱印。
蓮華寺でいただいた御朱印。紅葉が見事な山門のすぐ横の納経所でいただきました。納経所はガラス戸になっているのですが、インターホンも用意されていました。
※御朱印は変更となる可能性があります。
山裾に祀られているために京都を見守る形となっている、蓮華寺の五智如来像。京都の暑さ寒さ、風雨にも耐えているお姿は今でも行をしているかのようで、少し悲しいようなありがたさが増すような、そんな蓮華寺でした。
蓮華寺は世界遺産の隣にあるというだけでなく、「きゅうり封じ」でも有名なお寺です。夏の土用の丑の日にも是非伺いたいお寺です。
蓮華寺 2022年秋 再訪
2022年10月に行われていた浄土宗寺院特別大公開で公開されていた轉法輪寺さんへの参拝後、久々に立ち寄った蓮華寺、流石に紅葉はまだ。
境内に入り、なんかちょっと雰囲気が違う…と思ったのですが、理由はすぐにわかりました。それは至る所に可愛らしい動物の石像が増えていたこと。親子のペンギンや三猿など…風雨に晒されて荘厳さを感じさせる五智如来像と真逆のとても愛らしい雰囲気がプラスされていました。
五智如来像といえば、東寺講堂の立体曼荼羅と安祥寺。安祥寺の五智如来像は京都国立博物館に寄託されています。
参道入口の正面の仁和寺東門。
こちらから仁和寺の境内に移動することができます。一緒にぜひ。
蓮華寺の北側には、御室大仏が御本尊の轉法輪寺も。
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