・53mの大杉
・重要文化財のレプリカの狛犬
由岐神社 概要
名称 | 由岐神社(靫明神) | 創建 | 天慶3年(940年) |
主祭神 | 主祭神:大己貴命 少彦名命の由岐大明神 八所大明神 | ||
境内社/摂社・末社 | 三宝荒神大神 弁財天 素戔嗚命 事代主命、大山祇命 八幡大神 大杉 | ||
主なご利益 | 事業の守護神・商売繁昌、縁結び、火伏せ | ||
所在地 | 京都府京都市左京区鞍馬本町1073 | ||
最寄りの公共交通機関 | 叡山電鉄 鞍馬駅 京都バス 鞍馬温泉行 鞍馬停留所 |
圧巻の由岐神社
鞍馬山の九十九折参道を歩いていると、門構えの建造物と、立派な木が見えて来ます。鞍馬寺の鎮守社、由岐神社です。前回鞍馬に来た時に一番驚き、一瞬で大好きになった場所です。
前回訪れたときの御由緒は上のような感じでしたが、今回は何故かグレードダウンしているように感じました。大己貴命の別称が大国主命と書き加えられたのはわかりやすくていいのですが、御鎮座に関する文面が大幅に削除され、御神徳に関しても文面が変わっています。一体何があったのでしょう…?
由岐神社 割拝殿
由岐神社といえば、大杉と割拝殿、火祭りです。
鳥居の奥の門構えのような建造物は割拝殿とい、祭祀のための施設である拝殿の中の様式の一つです。舞台造り=割拝殿ではなく、拝殿の真ん中を参道が割って通っている建築形式が割拝殿です。
祭祀のための施設である拝殿に上がれることはあまりないのですが、割拝殿は繋がった屋根の下をくぐることにより、身体や心が清められる気がします。
由岐神社の割拝殿は、山の斜面の高低差を利用した懸造りになっていて、下から登って来た人だけが味わえる感動があります。
割拝殿は乙訓鎮座神社巡りに指定されている神社には何ヶ所かあると聞いたことがありますが、この大きさの割拝殿はどこにでもあるというわけではありません。
私は由岐神社の割拝殿の重厚さがとても好きです。目の前に現れた瞬間に、立ち止まり見上げる。今から神様と対峙するんだ、という気持ちが生まれてくる様です。大杉を背にした割拝殿の姿は正に圧巻で高さがあるため、写真も縦で撮ることが多くなってしまいます。
そんな由岐神社の割拝殿は安土桃山時代に建造されたもので、国の重要文化財に指定されています。
京都市内で同じように大きな割拝殿がある有名な神社は、伏見区の御香宮神社。こちらは修復された極彩色の割拝殿となっています。
由岐神社例祭の鞍馬の火祭り。
京都三大奇祭の一つとも言われる鞍馬の火祭り、私はまだ未体験なのですが、お祭り好きであちこちで御神輿を担いでいる京都の知人曰く、『絶対に行った方が良い』とのこと。
ただ、交通の便の悪さやお祭りが行われる時間帯、日付が決まっていることなどを考えると、なかなか行けそうにありません。
その火祭りの御朱印、前回の11月の参拝では見かけませんでしたが、この夏の参拝で頂くことが出来ました。1枚300円で種類は2種類、書き置きのものです。今後、期間限定なのかずっといつでも頂けるものなのかまではわかりませんでした。
鞍馬の火祭の御朱印2種
そのお祭りやその時期に行かなければ頂けない御朱印は、それはそれで大変貴重でありがたいものです。その時に行っていない以上、記念としての意味合いが高くなってしまいますが、お祭りではない時にも頂けるのはありがたいことです。
※御朱印は変更される可能性があります。
この火のついた松明を担いだ左の男性、日本てぬぐいの図柄にもなって、由岐神社で販売されていました。(記憶が曖昧ですが、600円くらいだったかと。)
割拝殿の奥へ…
割拝殿の階段を登りきり振り返ると、風格のある屋根をより近くで見ることが出来ます。
割拝殿をくぐるとすぐに本殿へ続く道が階段となって、目の前に現れます。
その階段の両脇には・白長弁財天社・冠者社・岩上社・大杉社などの末社があり、末社にいらっしゃる神様も有名どころが揃っています。
白長弁財天社の御祭神は弁財天様
冠者社の御祭神は素戔嗚命
岩上社の御祭神は事代主命様と大山祇命様
大杉社の御祭神は、そこで根を張る御神木
山を司る大山祇命様がいらっしゃるところなどは、納得の一言です。
結構急な階段ですが、両脇の末社をお詣りしたり大杉を見上げたりと忙しいので、急さを感じる前に登りきれるでしょう。
大杉社の大杉は樹齢約800年、高さ約53メートル。何故こんな山奥でここまで大きくなったのか…?と考えたとき、何らかの力やそれを信じて大切にして来た人達に守られて来たから、としか思えません。
いよいよ本殿へ
階段を上りきると、右手に社務所、正面に本堂、社務所と本堂の間に三宝荒神社があります。
割拝殿の大きさに比べると意外とあっさりしていますが、社殿建築の歴史を紐解くと、拝殿より大きな本殿というのは少ないそうです。
ここに祀られているのは、大己貴命様と少彦名命様、そして八所大明神。
そして、狛犬さんはこんな所に。
この狛犬さんはレプリカで、本物は重要文化財なので京都国立博物館に寄託されています。残念ながら、片方しか撮影していませんでした…。狛犬さんが本殿の中(と言っても室外ですが)にいるのを見たのは初めてだと思います。レプリカだとか顔が少し変わっているとか子どもと鞠を抱いているとか色々気になりました。
大己貴命様と少彦名命様と言えば…
大己貴命様と少彦名命様を主祭神にしている神社と言えば、私の中では五条天神社と私の本家が神職をしていた田舎の小さな神社を思い出します。
五条天神社と由岐神社と言えば、wikipediaにこんな一文が載っていました。
洛中の五条天神社は、国難時にその責任を取って「流罪に処す」として国の役人が神社の扉に靫を架けて閉じるということが行われていたが、『徒然草』によれば由岐神社でも同様のことが行われていたという。由岐神社と五條天神社は祭神が同じである。
出典:wikipedia-由岐神社
実はこのお話、五条天神社の神職の方から聞いたことがあります。五条天神社は五条天神社で街中の恰好のスポット。大好きな神社です。
由岐神社の御朱印
今回、由岐神社で見つけた、御由緒の他に変わっていたもの。それは由岐神社の御朱印です。書き置きの火祭の御朱印も初見でしたが、通常頂ける御朱印も変わっていました。
2019年10月10日、公式Facebookページにて、御朱印が天狗のイラストのものに変わるというアナウンスがされました。
※御朱印は変更される可能性があります。
左が今回の由岐神社の御朱印。右が去年の秋の御朱印。火のついた松明を担いでいる男性が居なくなっています。毛筆の後ろに押された朱印も新しく文字のみになっていますし、右上に押されているのは五七桐紋と菊…?(神紋でしょうか?)も加えられています。
由岐神社の公式Facebookページ
どうも京都の寺社はサイトリニューアルブームらしく、由岐神社の公式サイトもリニューアルされました。
帰って来てから色々気付き、また行きたくなる由岐神社。
鞍馬山鋼索鉄道に乗ってしまうと見逃してしまいます。貴船から登り始めても、上から先に見てしまうことになります。是非下から歩いて登って立ち止まり、見上げ、圧巻の景色をご覧ください!
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