土御門家ゆかりの地
京都市下京区にある、稲住(いなずみ)神社。京都の人でも知っている人は少ないであろう、稲住神社。でも、御祭神は超有名な、あの人です。
御祭神は安倍晴明(あべのせいめい)卿。安倍晴明公といえば晴明神社の方が晴明公宅の跡地近くにある神社として有名で観光地化していますが、この稲住神社は、安倍晴明の子孫と言われる土御門(つちみかど)家のお墓のある、梅林寺(非公開寺院)から徒歩2〜3分の所にある神社です。稲住神社や梅林寺のある梅小路八条周辺(うめこうじはちじょう)は、昔、土御門家の邸宅があったため、安倍晴明及び土御門家に関わりのある寺社が残っています。
梅林寺(非公開寺院)と言えばオーバーツーリズムの被害を受け、早めに事前予約での拝観受付に切り替えられたお寺。
陰陽師ブームから数年経ち、清明神社はすっかり観光スポットとして定着し、あちこちの寺社で清明神社の御朱印帳を持った方々を見かけるのですが、こちらの稲住神社は同じ阿倍野清明を祀っているのに本当に静かな神社なのです。
移り変わる…【了承していただいています】。 #京都 #梅小路 #銭湯 #稲住湯 pic.twitter.com/gF2FKWbJYe
— 土御門殿御菩提所梅林寺 (@bairin_ji) July 18, 2021
稲住神社の前の道は、幅2mもないでしょう。自転車がすれ違うのがギリギリであろう程細い路地の中に、地元の人に守られながら隠されるかの様にひっそりと佇んでいます。
社殿です。鳥や小動物除けの網で囲われています。提灯には、稲住大神、清明大明神、稲住弁財天、薬一大明神などと書かれていました。
境内に魔王尊
社殿の前に、社殿に対して斜めに魔王尊という提灯が掲げられたお社があります。
社殿に対して斜めに建てられているのですが、中を覗くと、中のお社も更に斜めに祀られています。言い表すのが難しいのですが、◇の中に□という感じでしょうか?
無人であるがために、何故そのような建て方になっているのか全くわかりませんでした。知人のスピリチュアルマニアの方曰く『そういう建て方は、その上に祀られている神様の力で何かを封印しているんだよ』と言っていましたが、それが正しいのかさえ、確認のしようがありません。
魔王尊と言えば、護法魔王尊。鞍馬寺の御本尊の一つです。もし、魔王尊の力で何かを封印しているのならば、稲住神社は鞍馬寺とも関連している可能性が出て来ます。史実は検証のしようがないとは言え、想像を掻き立てられる魔王尊です。
散策がてら、近くの土御門家縁のお稲荷様へ
残念ながら徒歩2〜3分で辿り着く、土御門家の菩提寺である梅林寺さんオーバーツーリズムの被害後は一般公開されていません。拝観希望の方は事前に予約が必要です。
稲住神社から梅林寺前を通り過ぎ、10分程歩くと、鎌達稲荷神社に辿り付きます。鎌達稲荷神社は元は土御門邸内に祀られていたと言われている、西寺跡にある神社。安倍・土御門家の鎮守杜と言われている程、安倍・土御門家に縁の深い神社です。
是非一緒にお詣りしてみてください。
稲住神社 概要
名称 | 稲住神社(いなずみじんじゃ) | 創建 | 不明 |
主祭神 | 安倍晴明 | ||
境内社/摂社・末社 | 魔王尊社 | ||
主なご利益 | 不明 | ||
住所 | 京都府京都市下京区梅小路石橋町 | ||
最寄りの公共交通機関 | 京都市営バス 西大路八条 JR東海道本線 西大路駅 |
稲住神社には、御前(おんまえ)通という南北に走っている通り沿いの、稲住湯という銭湯を目指して行ってください。稲住湯の北側の細い通りの奥です。(追記:2021年7月、稲住湯は閉業されました。)
隠れるようにある小さな神社さえ、歴史に裏打ちされる事実や、そこから広がる想像がある。だから京都巡りは止められません。
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