・毎年成人の日に行われる『京都泉山七福神巡り』のお寺の一つ
・御寺泉涌寺の山内寺院のため、周辺に他の塔頭寺院がある。
今熊野観音寺 概要
名称 | 今熊野観音寺(観音寺) | 山号 | 新那智山 |
御本尊 | 十一面観世音菩薩 (秘仏) |
脇侍/安置仏 | 不動明王 毘沙門天 他 |
開基 | 弘法大師 | 宗派 | 真言宗泉涌寺派 |
札所 | 西国三十三所 第15番 神仏霊場巡拝の道 第122番(京都42番) ぼけ封じ近畿十楽観音霊場 第1番 洛陽三十三所観音霊場 第19番 泉山七福神巡り 第3番(恵比寿) 巡礼通称寺 |
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所在地 | 京都府京都市東山区泉涌寺山内町32 | ||
最寄りの公共交通機関 | JR 東福寺駅(奈良線)/京阪電車 東福寺(とうふくじ)駅→徒歩約15分 市バス202 207 208号 泉涌寺道(せんにゅうじみち)→徒歩約10分 |
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拝観時間等 | 8:00~17:00 | 拝観料(通常) | 無料 |
御寺泉涌寺塔頭 今熊野観音寺
今熊野観音寺(いまくまのかんのんじ)は泉涌寺の塔頭の一つで、泉涌寺の総門の中にある西国三十三ヶ所観音霊場の第十五番札所です。京都泉山七福神巡りのお寺の一つでもあります。
塔頭(たっちゅう)は、禅宗寺院で、祖師や門徒高僧の死後その弟子が師の徳を慕い、大寺・名刹に寄り添って建てた塔(多くは祖師や高僧の墓塔)や庵などの小院。(…中略…)やがて塔頭に類する塔台を建立するようになった他宗派も現れたり、後に改宗や廃絶したものの塔が残ったりなど現存例は混然としている。
出典:wikipedia-塔頭
京都で大きな寺院に出向くと、塔頭という小さなお寺が周囲にあることがあります。塔頭は公開していたり非公開だったりと様々ですが、御寺泉涌寺(みてら せんにゅうじ)の塔頭は参拝可能なので、あちこち移動することなく、多くのお寺に参拝することができます。
今熊野観音寺
泉涌寺へと続く参道から今熊野観音寺に向かいます。今熊野観音寺への入り口は石柱が建っているため、迷うことなく進むことが出来ます。泉涌寺のあるお山は紅葉の名所でもあり、今熊野観音寺周辺も紅葉が多く見られます。
秋分の日の辺りはまだまだ青紅葉ですが、晴れた日には、柔らかな秋の日差しと青紅葉と入り口に向かう朱色の鳥居橋のコントラストが見事です。
縁記にも書かれている様に、平安時代に弘法大師様が熊野権現様より観音尊像を授かり、嵯峨天皇の勅願により開運厄除の寺として開創されたお寺ということで、その歴史の古さが伺えます。
今熊野観音寺 秋分の日に行われるお砂踏法要とは?
紅葉が多い場所は晩秋に訪れるのも素敵ですが、今熊野観音寺では9月21日~23日の3日間、四国八十八ヶ所お砂踏法要が行われています。
お砂踏み法要とは
(…前略)四国の各霊場より聖地のお砂を頂戴して、道場に八十八の霊場の御本尊を祀りお砂を敷き、皆様にそれを踏みながら参拝をして戴き、京都の地にいながら四国の霊場を巡拝したのと同じ功徳を積んで戴けるように発願されたのが、このお砂踏法要のはじまりです。
昭和28年より絶えることなく続けられ、日本全国から善男善女が参拝に訪れ、お子さまからご年輩の方まで、幅広い人々にお参りいただいております。(後略…)出典:今熊野観音寺公式サイト-お砂踏法要
私が知る限り、京都で四国八十八箇所お砂踏法要が出来るのは
・仁和寺 裏山 御室八十八ヶ所巡りのコース
・東寺 毎月21日 弘法市
・今熊野観音寺 毎年9月21日~23日(3日間)
の3ヶ所です。
そのうちの一つ、今熊野観音寺のお砂踏み法要はお彼岸の時期であると同時に室内で行われるため、天候に関わらず多くの人が訪れます。
境内に入ると、子護弘法大師像が出迎えてくださり、多くの方が記念撮影をされています。この日も写真を取り損ねてしまいました。
・入り口にて参加料(1300円)を支払い、参拝券と納札を受け取る
・心身を清める塗香(ずこう)をいただく
・授戒所で十善戒などの戒と御真言をいただく(お寺の方から法話を伺う)
・お砂踏道場に移動
・おいづるを借りる
・お賽銭を両替してもらう(2015年はお賽銭は10円で用意されていましたが、2016年は5円への両替も用意されていました。)
・説明を受けてお砂踏法要スタート
お砂踏みを終えたら参拝之証を頂きおいづるを返却し、各自自由に本殿に移動し、お参りをします。
ご本尊は、弘法大師御作と伝えられる十一面観世音菩薩が秘仏として祀られていて、普段は御前立の観音様です。(2017年春 西国三十三所各札所 特別拝観で本尊御開帳 特別内陣参拝 刀八毘沙門天特別公開が行われていました。)
秋分の日の三日間はその観音様から結ばれた五色の糸が垂らしてあり、その糸を握ることで御縁を頂くことが出来ると言われています。
お砂踏のスピードが人それぞれ違うのと、その後御朱印を貰いに行く人が居たりで、本堂がいきなり混雑するようなことはありません。ゆっくりご縁を頂きましょう。
観音様の脇には智証大師円珍作と伝えられる不動明王と、運慶作と伝えられる毘沙門天、更に東寺にもある三面大黒天、大聖歓喜天、薬師如来、恵比寿様にもお参りすることが出来ます。
今熊野観音寺の境内
お砂踏み法要の日、境内ではおうどんとおそばを販売していました。春分の日と秋分の日にしか出向いたことがないので普段から販売されているかどうかは不明です。
昨年の秋は午後から出向きましたが、お砂踏法要後にはおうどんが販売終了していたので、おそばを頂きました。
また、泉涌寺の敷地内には喫茶店やカフェ、コンビニはありませんが、自販機があるので、お砂踏法要後に喉が渇いた場合などでも、今熊野観音寺の敷地内で購入することが出来ます。
本堂の他にも、弘法大師ゆかりの五智水や大師堂、ぼけ封じ観音、稲荷社、熊野権現社、金龍弁財天など、多くの見どころや参拝出来る場所があるので、お砂踏法要後もゆっくりと堪能することが出来ます。
春は春で梅や桜、藤の花が色づき、境内に色を添えてくれますが、やはり山にあるお寺なので、紅葉シーズンの美しさの方が際立っているかもしれません。
2017年の春分の日には、五色の糸で観音様とのご縁を結んでいただきました。
春・秋の彼岸には欠かさず訪れたい、今熊野観音寺です。
紅葉の名所でもある、今熊野観音寺
泉涌寺塔頭の新善光寺と戒光寺の特別拝観に伺った後、今熊野観音寺へと向かいました。
今熊野観音寺へは、泉涌寺がある月輪山の中の「もみじ谷」と呼ばれる場所を通ります。11月中旬にも関わらず、紅葉が遅かった2018年はまだまだ紅葉の始まりといった雰囲気でした。
この分かれ道から左に向かうとすぐに宮内庁の月輪陵墓監区事務所、そしてそのまま道なりに進むと来迎院があります。今熊野観音寺へは今熊野川にかかる赤い鳥居橋方面へ。
今熊野川にかかる鳥居橋を越えると上り坂になり、すぐに今熊野観音寺の石柱が見えてきます。
今熊野観音寺ではこの日、もみじ祭が行われており、境内にはおだんごなどを扱う茶店が出ていて、多くの人がのんびりとした時間を過ごしていました。八十八ケ所お砂踏み法要の時はまずは受付へ…という人が多い印象なのですが、この日は本当に周囲を眺めながらのんびり過ごす人が多かったです。私もお詣りとスタンプをいただき、のんびりとした時間を過ごしました。
この日一番見事に色付いていたのは、子まもり太子像の後ろのもみじ。境内の真ん中あたりで見事に色付いていました。
2021年11月 今熊野観音寺再訪
コロナ禍が少し落ち着き、京都にも観光客が戻って来ていた2021年11月。久々に訪れた今熊野観音寺さん。紅葉も見頃を迎え、多くの人が訪れていました。
今熊野観音寺の御朱印
2021年11月21日の参拝で、11月現在拝受可能な御朱印を全ていただいた、今熊野観音寺。以前は間紙が由緒略記だったのですが、最近は由緒略記じゃないような…最近のことの方が覚えていないという事態。「ぼけ封じ観音」様にもう一度御目通りにまいらねばなりません。
2017年は西国三十三箇所が草創1300年記念ということで、朱印が一つ増えています。
古くから紀州熊野の地は、南方にあるという観音の補陀落浄土としての信仰の中心でありました。そして京都の今熊野の地にも熊野信仰と、その本地仏としての観音信仰が栄えました。白河法皇(1053-1129)のころには、すでにこの地は熊野修験の中心地であったことがわかっています。
出典:今熊野観音寺公式サイト-由緒沿革
今熊野の地に相応しく、泉涌寺のお山の近くには新熊野神社があります。この新熊野神社の例祭「大樟祭」も同じ日に行われ、生の笙や横笛、能や子供たちの舞を見ることが出来ました。
今熊野観音寺から新熊野神社までは、徒歩で15分程。大樟の木も大迫力なので、一緒にお詣りしてみてくださいね!
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