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【泉涌寺塔頭】戒光寺 秋の戒光寺内陣特別参拝-2018年11月17日~25日

戒光寺 概要

名称 戒光寺 (かいこうじ) 山号 東山
泉山
御本尊 釈迦如来 安置仏 曇照忍律上人坐像
不動明王像
文殊菩薩像
開基 曇照忍律(どんしょうにんりつ)
浄業(じょうごう)
宗派 真言宗泉涌寺派
所在地 京都府京都市東山区泉涌寺山内町29
最寄りの公共交通機関 京阪電鉄/JR奈良線 東福寺 → 徒歩15分
京都市営バス 泉涌寺道 → 徒歩7分
拝観時間等 9:00~17:00 拝観料(通常) 無料
平成30年 秋の戒光寺内陣特別参拝
開催時期・拝観時間 11月17日~25日 特別参拝料 500円

泉涌寺道沿いにある戒光寺山門

泉涌寺総門から泉涌寺へ向かい泉涌寺道を登っていくと、左手に泉涌寺山内寺院、戒光寺の山門があります。山門の左手にはいつもの京都市設置の駒札、右手には「国宝 丈六釈迦如来 戒光寺」と書かれた石碑、山門正面には『重要文化財(鎌倉時代) 運慶湛慶父子の大作 釈迦如来 十メートルの木造の大佛さんです 昇殿して参拝下さい』と書かれています。戒光寺は普段から開門されていて、本殿へあげていただき、御本尊の釈迦如来像を拝顔することができるのです。しかも、無料で御本尊にお詣りさせていただくことが出来ます。

H27年9月参拝時の戒光寺山門

H27年9月参拝時の戒光寺山門

今回、秋の戒光寺内陣特別参拝期間中に伺ったところ、山門の真下に内陣特別拝観の案内が加えられていました。

平成30年11月参拝時の戒光寺山門

平成30年11月参拝時の戒光寺山門

山門の木戸には、以前JR東海で使われたというポスターが貼られています。電車の中吊りで使われたものかと思われるサイズのもの。色褪せてしまっていますが、モデルとなっているのは、この戒光寺の御本尊です。

戒光寺山門の木戸に貼られたJRの広告

戒光寺山門の木戸に貼られたJRの広告

戒光寺 山門の中へ

山門をくぐるとすぐ右手に手水鉢・弘法大師様とお地蔵様、鎮主社と思われる御社が2つあります。鎮主社2つは少しだけ奥まっているため、横に本堂がある感覚です。戒光寺は山門が開いている間(法要等がない日の9:00~17:00)ならば、誰でも無料で本堂に上げていただき、御本尊にお詣りすることが出来ます。戒光寺の御本尊は釈迦如来立像。「丈六(じょうろく)さん」と呼ばれ信仰を集めている御本尊ですが、山門前にも書かれていたように、その大きさは全体で10m。通常の参拝でもその大きさには圧倒されます。

戒光寺境内

戒光寺境内

戒光寺境内

戒光寺境内

H27年9月の戒光寺本堂

戒光寺本堂 H27年9月

戒光寺 本堂

戒光寺本堂 H30年11月

戒光寺 内陣特別参拝

常にお詣り出来る戒光寺の御本尊。とはいえ、一定の距離からお詣りをするため、拝顔することは出来ますが台座や光背などは見ることが出来ません。また、本堂の中が煌々と照らされている訳でもないので、細かなところまでは確認出来ないのが実情。ですが、内陣特別参拝では丈六釈迦如来像のすぐそばで説明も聞くことができました。

秋の戒光寺内陣特別参拝で聞いてきたこと
・丈六釈迦如来立像は寄木造り、手首の継ぎ目以外ではパッと見てわかる継ぎ目はない。
・この丈六釈迦如来立像を作ったのは、運慶・湛慶親子
・台座の蓮から光背の先まで10mくらい。
・両目には大きな水晶(玉眼)、額にある白毫(びゃくごう)にも湯のみくらいの大きさの水晶と仏舎利が入っている。
・指の爪が長いのは、爪を引っ掛けてまでも人々を救いたいから。涅槃図などにもよく見られる。
・指の間にある水かきのような縵網相(まんもうそう)がはっきりわかる。
・今も残る衣の色。修復されていないので、作られた当時の極彩色が現存している。
・衣には極楽に咲く花の模様や蓮の花などが描かれている(目視で確認できる)。
後水尾天皇が東宮だった頃、即位争いに巻き込まれて暗殺者に寝首を掻かれたが、この釈迦如来が身代わりにたたれた。そのため、釈迦如来の首元には今も跡が残っている。
・このエピソードから「悪しき事の身代わりになってくださる」「首から上の病気、のどの病気を治してくださる」と崇められている。
・足元に置かれた鏡は、神仏習合の頃の名残。いつ誰が置いたものか?は不明。
・この場所に祀られるまで何度も移転してきている。
・火災から守るため、NASAでも使われている防火カーテンが設置されていて、火災の際は紐が切れて自動で落ちてきて、御本尊を守る。
・御本尊の後ろには不動明王像があり、この不動明王は肉厚で扁平足と言われる不動明王の足の裏を見ることが出来る、珍しい不動明王像。
・毎月八日の御縁日で使われる大きなお数珠の大きな玉には仏様が彫刻されている。

 

丈六釈迦如来立像の横で一通りの説明を受けた後、御本尊を囲むように作られたルートを進みます。ショーケースには、「正倉院と同じ蘭奢待(らんじゃたい)」と書かれた香木、お札を作る時に使われる版木や宝具、壁に貼られたお釈迦様一代記。そして、その奥に説明できいいていた不動明王像がありました。こちらの不動明王像は坐像で足を投げ出して木のようなものに腰をかけています。そのため、足の裏がはっきり見える状態。岩を組み合わせたものを踏みしめている立像、坐禅を組み足の裏が上を向いていたり足の裏が衣で隠れているために、その足の裏の状態を確認することが出来ない坐像とは少し違う、変わった座り方。

さらに百万遍数珠に彫刻された仏様を見、弘法大師像と重要文化財の曇照忍律上人坐像を拝見。その後、また反対側から丈六釈迦如来立像を拝見しました。反対から見ても大きいという印象は変わりません。また、外からは見えないのですが、中から見上げると、お顔の部分だけ外から見られるように作られたのであろう窓の存在が。近くで見上げてみないとわからないことだらけだという印象を受けつつ、本堂の見学は終了致しました。

泉山七福神巡り 第二番 弁財天

本堂の正面には、泉山七福神巡り第二番の泉山融通弁財天様が祀られています。こちらの弁財天様、秘仏です。

この尊像は伝教大師作と伝えられており、秘仏ご開帳は年2回、1月の成人の日に行われる七福神巡りと11月3日の弁財天大祭のみに行われています。

出典:丈六 戒光寺公式サイト-本堂・境内

頂いてきたパンフレット(100円)によると、毎月18日が泉山融通弁財天様の御縁日なのですが、11月3日に行われる泉山融通弁財天大祭の際は境内で護摩焚きが行われるようで、控えめに写真が載せられていました。またこの日には内陣特別拝観も行われるようです。

戒光寺弁財天社H27

本堂正面 戒光寺弁財天社 H27

 

新選組や幕末の動乱の時代が好きな方にもオススメ。

さらに、戒光寺には御陵衛士墓所があります。

また、戒光寺墓地には御陵衛士伊東甲子太郎以下4名の墓がある。御陵衛士は戒光寺湛然長老の肝いりで組織され、新撰組参謀・伊東甲子太郎ら15名が参加したが、後に新撰組に襲われ伊東以下4名が暗殺された。始めに壬生寺に葬られたが、明治元年に戒光寺に改葬された。

出典:泉涌寺公式サイト-山内寺院

この4名とは毛内監物・伊東甲子太郎・藤堂平助・服部三郎兵衛。墓前にお詣りすることができます(要問い合わせ・公式サイトから事前予約必須)。幕末の動乱の頃の時代や新選組が好きな方にもオススメしたいお寺の一つです。

戒光寺の御朱印

戒光寺でいただいた御朱印。不動明王と書かれた御朱印は特別公開限定で書き置きのもの。この他にも泉涌寺七福神の弁財天や京都十三佛の文殊菩薩の御朱印などがあります。(私はまだ頂いていません。【追記:20210828にいただきました。】)

戒光寺御朱印

戒光寺 限定御朱印(左)と御朱印(右)

※御朱印は変更される可能性があります。

戒光寺特別公開のフライヤー

戒光寺特別公開散華、戒光寺パンフレット(100円)

戒光寺再訪 2021年08月28日。

何度も再訪していた戒光寺。緊急事態宣言下ではありましたが、Twitterで本堂の一部崩壊を知り、募金のために再訪して来ました。

戒光寺 融通弁財天前から見た本堂 20210828

戒光寺 融通弁財天前から見た本堂 20210828

一部崩壊したのは、本堂の裏側ということで、パッと見た限りではいつもと変わらぬ穏やかな戒光寺さん。御本尊様も無事、いつものように立派なお姿で一安心でした。どうやら人的・仏像への被害はなかったとのこと。本堂に置かれている募金箱に募金をさせていただき、いただいていなかった文殊菩薩と弁財天の御朱印を貰って早々に帰宅しました。追加の情報は戒光寺さんの公式サイトもしくはFacebookページで順次報告されています。

戒光寺 御朱印 20210828

戒光寺 御朱印 20210828

※御朱印は変更される可能性があります。

護摩供や転読など様々な法要が行われ、参加も可能な場合の多い、貴重なお寺です。1日も早い復興を願っております。

戒光寺 大修理 趣意書

戒光寺 大修理 趣意書
初めて参拝した時に頂いた、戒光寺大修理趣意書。どこがどのように修理が必要なのか?ということが写真で説明されていて、非常に興味深いもの。今回は頂かなかったので、もしかしたらもう配布されていないのかもしれません(未確認)。

2021年11月、丈六市へ。

2021年11月20日〜28日までの間、泉涌寺を始めとする泉山一帯で行われていた「京都泉山 秋さんぽ」。以前もこの時期にスタンプラリーが行われていた泉山ですが、志向が変わったようなので出向いてまいりました。

ということで、8月以来の戒光寺さん。秋さんぽに合わせて境内では丈六市という市が開かれ、多くの人がゆっくりとした時間を過ごされていました。

戒光寺 門前看板 20211121

戒光寺 門前看板 20211121

私の中での戒光寺さんのイメージは、この山門正面のお花。毎回この大作を飾られる奥様には頭が下がります。

戒光寺 山門正面 20211121

戒光寺 山門正面 20211121

私もお釈迦様にお供えした大根で作られたという大根炊きの「おかげ大根」をいただきました。しっかり煮込まれているのに優しいお味。勧められるままにかけた柚子七味がいいアクセントになっていました。

この日、あちこちで参拝客に声をかけたりお店の方へ気遣いをしたりされていたのは、奥様。普段お伺いしても丁寧な対応をしてくださいますし、同じ女性として素晴らしいと思わずにいられません。

戒光寺 おかげ大根 20211121

戒光寺 おかげ大根 20211121

 

戒光寺の公式サイトでは年中行事予定が記載されているので、参拝前にぜひご確認ください。

戒光寺公式TwitterやFacebookページでは、戒光寺で行われる阿字観という真言密教瞑想法の体験会や法話会の予定が告知されています。

戒光寺さん、ブログもあります。法話会や体験会の詳細はこちらの方が詳しいです。

せっかくここまで来たら、他の塔頭寺院もご一緒にどうぞ。

 

他にも大きな仏像が見たい!と言う方にはこちらもオススメ。

【東福寺塔頭】同聚院 十万の眷属を従えた不動明王
東山区にある東福寺塔頭 同聚院。一見目立たない同聚院ですが、本堂には大きな不動明王の坐像が。そして、息がかかりそうな距離まで内陣に入り拝観することが出来るんです。秋・冬と2度に渡り訪れた同聚院の様子を。【2019年7月、御朱印の対応が書置に変更となっていました。】
仲源寺(めやみ地蔵) 雨からも眼病からも人を救うお地蔵様。
京都市東山区にある仲源寺。仲源寺は八坂神社の参道にあたる祇園商店街の中という人気観光地にあります。日本人のみならず訪日外国人旅行者も多く行き交う四条通から一歩踏み込んだ先には大きな丈六の地蔵菩薩座像と千手観音座像(重要文化財)が祀られていました。

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