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【東福寺塔頭】同聚院 十万の眷属を従えた不動明王

同聚院 概要

名称 同聚院(どうじゅいん) 通称 じゅうまん不動さん
御本尊 不動明王(重要文化財) 宗派 臨済宗東福寺派
開基 東福寺 第129世 琴江令薫(きんこうれいくん・きんこうれいこん)
所在地 京都府京都市東山区本町15丁目799
最寄りの公共交通機関 JR/京阪電鉄 東福寺駅→徒歩約10分
京都市営バス 東福寺→徒歩6分
拝観時間等 9:00〜16:00 拝観料(通常) 境内:無料
内陣拝観料:200円

東福寺塔頭 同聚院

東大路通り沿いから東福寺に向かう途中、臥雲橋を渡る前から東福寺の塔頭は並んでいます。その中の一つ、同聚院。紅葉シーズンは人が絶えない東福寺周辺。紅葉よりもお寺優先!と、紅葉シーズンが始まる前に東福寺へ。向かう途中、大きく開かれた門扉と不動明王と書かれた石碑に心惹かれ、お詣りさせていただいたのが最初の参拝でした。

東福寺塔頭ということで周囲は木々が美しく、交通量が多い東大路通から数分とは思えぬ静けさ。

同聚院

※2017年10月

いつもの京都市のこま札。風雨で変色していて読みにくい状態ですが、現地で頑張れば、なんとか読めます。

本寺は藤原道長が建立した五大堂の遺跡で、五大明王のち中尊不動明王坐像が幾多の災害をこえて本寺にまつられている。像は仏師定朝の父・康尚の作品で、像高265センチの巨大なもの。忿怒(ふんぬ)相の中にも優美さをたたえた藤原美術の代表彫刻の一である(重要文化財)。

出典:京都市駒札

定朝といえば、東福寺の隣の山にあたる、泉涌寺の塔頭の即成院の仏像や宇治市の平等院鳳凰堂の木造阿弥陀如来坐像などを思い浮かべますが、お父さんも仏師だったとは知りませんでした。(定朝の子供も仏師です。) 仏師が定朝の父親であるということは、数十年早い時代に作られた、ということ。かなり古いことがわかります。

同聚院

※2017年10月

2018年1月、友人と東福寺へ出向いた際、どうしてもこちらのお不動さんに会ってもらいたくて、再訪となりました。

周囲の木々も葉を落とした、冬らしい姿。
この日は寺紋が染められた幕がかけられていました。松の内は過ぎたはず…と思っていたところ、正月護摩祈祷大祭との張り紙が。この日は28日、不動明王の縁日。大祭の日とは知らずに拝観したため護摩祈祷には間に合いませんでした。

同聚院

同聚院

同聚院 拝観

石畳を本堂へと向かい、本堂右側の受付で内陣拝観をお願いしました。同聚院は内陣拝観が出来るお寺です。

同聚院

同聚院 内陣拝観の様子

「まだ片付いていませんが、どうぞ。鉄の扉の奥、すぐ近くまで行ってくださいね」
との言葉で始まった、護摩祈祷後の内陣拝観。畳敷きの堂内の護摩壇には護摩祈祷の跡が残された状態でまだ香りや煙が漂い、灰までもそのまま残っているという、珍しい状態。まるで後拝みのようだなぁ、と思ってしまうほどでした。護摩祈祷に参加できなかったのは残念ではありますが、これはこれで大変貴重な機会、片付け前に入れて頂けたことに感謝です。

堂内は撮影禁止のため写真はありませんが、特別広い訳ではありません。護摩壇から一段上がり、不動明王様の前に座り手を合わせ、顔を上げたら重要文化財に指定されている不動明王坐像がこちらを見ています。

「顔を上げたらそこに大きな不動明王が居て。すごくセンセーショナルだったんだ」とは、一緒に行った友人談。私も初めて伺ったとき、お堂の高さギリギリまでありそうな後背を持つ不動明王に衝撃を受けました。大きさは坐像ながら265㎝もあります。

さらに同聚院の不動明王様は、その憤怒相や長い歴史を感じさせる羂索さえも優しく感じられるのは、定朝の父親が作った不動明王様だからでしょうか?

確実な遺作は伝存しないが、東福寺同聚院不動明王坐像は伝康尚作とされる。本作の制作にあたって、康尚は智証大師請来様と言われる図様に従いながらも、醜悪さを廃し優美さを盛り込んだ。仏教的な規範よりも美意識を優先できる、専業仏師ならではの作品と言え、洗練・優雅な定朝様の先駆となる作品である。

出典:wikipedia-康尚

蔵の扉のような鉄の扉の奥に進むと、中央に不動明王坐像、右手に小さめの不動明王様、左手には説明はありませんでしたが、十一面観音様と思われる仏像が安置されて居ます。

本寺は藤原道長が建立した五大堂の遺跡で、五大明王のち中尊不動明王坐像が幾多の災害をこえて本寺にまつられている。

出典:京都市駒札

※2020年10月現在、個人での内陣拝観は特別拝観時を除き終了しています。詳しくは公式サイトにて。

同聚院 境内の様子

 

同聚院の境内は非常にあっさりしています。入り口右手に手水舎、山門の正面から少しずれた所に本堂、本堂右手に庫裡、本堂左手に不動明王2体と鎮守社らしきお社。裏手に墓地がありますが、パッと見た感じは本当に必要なものだけを置いている、という感じです。

境内に並ぶ不動明王様の大きな方のお不動様は水かけ不動様だそうで「勢いよくパッとお水をかけて!」と教えていただきました。水かけ不動といえば、水垢離(みずごり/水行のこと)ができない私たちのような一般人の代わりに禊を行ってくださる、ありがたいお不動様。冬の寒空のもと、少し申し訳ないような気持ちになりながらも、思い切り掛けさせていただきました。

同聚院

 

こんな感じで、勢いよくかけるようです。

同聚院9

 

同聚院の御朱印

 

同聚院でいただける御朱印。 十万不動と書かれています。内陣拝観の際にいただいた由緒書きには、十と万の字が引っ付いた状態。土と力が引っ付いた、ともいえます。こちらのお不動様、「十万の眷属がいる」とか「土の力、土地を守るお不動様」と言われています。火災から唯一焼け残ったことから、火除けとしての信仰も厚いとのこと。

どちらにしても、ありがたく優しく、美しいお不動様であることは間違いなしです。

同聚院 御朱印

 

<2019年7月 御朱印が変わっていました>

 

久々に訪れた、同聚院。御朱印が書置のみ、全5種類と変わっていました。全5種類のうち、今回は気になった2種類を頂きました。内陣拝観は年内との期限が告知されていたのも気になりますが、また改めて伺うことにします。更に2019年秋には、秋だけの御朱印が門前に張り出されていました。

同聚院 御朱印 書置 20190709

同聚院 御朱印 書置 20190709

<追記>2019年秋の再訪

東福寺塔頭巡りをした、2019年の秋。もう何度目かわからない同聚院さん。山門前から境内にかけてお店が出ていて、非常に賑やか。他の塔頭よりも出店数も毛氈が敷かれた床几台も多く、この日は山門からでは本堂を見ることができませんでした。

同聚院 門前から 20191128

同聚院 門前から 20191128

人を縫うように境内で秋を探してみました。

同聚院 境内 20191128

同聚院 境内 20191128

今回はお詣りと御朱印をいただいて、サクサク退散です。秋限定の御朱印が3種類用意されていたので、1つだけ拝受。シンプルながら秋らしい御朱印です。

同聚院 2019年秋限定御朱印 20191128

同聚院 2019年秋限定御朱印 20191128

内陣拝観は常時行われているとは限りません。法要などにより中止されていることもあります。絶対見たい!という方は、予約をお勧めします。 内陣拝観は終了しています。特別拝観などの機会をお待ちください。

広島に十万不動様を崇拝されている方がいらっしゃるのでしょうか?前回も今回ももみじ饅頭が供えられていたのが、印象的でした。

こうして塔頭を回って素晴らしいお寺に出会ってしまうと、お目当のお寺になかなか辿り着けないという、贅沢な悩み。

同聚院の後は、東福寺へ。

【東福寺】京の冬の旅2018 非公開文化財特別公開へ。【通天橋の南側のみ】
京の冬の旅 非公開文化財特別公開、2ヶ所目に選んだのは東福寺の禅堂と経蔵の特別公開。経蔵が初公開される、とのことで喜んで伺って参りました。時間の関係上、通天橋を渡りませんでしたが、それでも初公開の経蔵を見られて感激でした!

2022年11月、再訪

同聚院 20221119

東福寺周辺が一番賑やかになる11月。同聚院さんの公式Twitterで不動明王の特別拝観を行なっていることを知り、近くの大好きなお寺を堪能したあとで同聚院さんに立ち寄りました。

15時過ぎという少し遅めの時間だったため、参道前の東福寺へ繋がる道は多くの人で溢れていましたが、同聚院さんの境内は人はまばらな状態、ゆっくりお詣りさせていただきました。

同聚院さんの入り口は塀を囲うように白バラ「ユキサン」が咲き誇っていました。そして、看板。ご開帳よりも大きく書かれた大根炊きの文字とその上の厄除け長寿の文字。折角なので大根炊きも頂いて帰ることを決め、境内へ。

同聚院 2022年11月現在の境内の様子

久々の同聚院さん。境内の片隅にいらっしゃった水掛不動さんが手水社の所に移動して来ていました。場所的に水を掛けやすい位置に変わったなという印象を受けました。また以前は十万不動明王の幟旗でしたが、最近は「働く女性の守り本尊」と書かれた幟旗が加わっていました。

同聚院 20221119
同聚院 20221119

境内。以前水掛不動さんがいらっしゃった場所には鳥居と玉垣。藤棚も記憶にありませんがその下では大根炊きの鍋が並べられていました。随分雰囲気が変わった印象が強い同聚院、境内に朱色が増えたことは大きいかもしれません。

同聚院 境内 大根炊き 20221119
同聚院 境内 大根炊き 20221119

同聚院 2022年秋の特別拝観の様子

授与所で拝観と大根炊きのセットを(¥1,000-)をお願いしたところ護摩木も一緒にいただきました。その場で一緒に御朱印もいただき、本堂内へ。以前は畳敷きで一段上がっていたような記憶(正座してお詣りした記憶)があるのですが、堂内は石畳で床几が並べられており、以前のようにお不動様の間近まで行くことは出来ないようになっていました。相変わらず大きなお不動様。そういえば足ってあまり印象にないな…と思っていましたが、確認出来る高さではありませんでした。
堂内の左側に用意されていたペンで護摩木を書き、護摩木に嵌め込まれた根付を取り外し、紐をいただいてお詣り終了です。

同聚院 2022年秋、大根炊き

堂内の拝観を終え、境内でいただいていた番号札を渡して大根炊きをいただきました。切り昆布の乗ったしっかりした味付け、お腹がいっぱいになるくらい大きな大根を入れていただきました。写真にあるのは、護摩木から外した根付。大きさ的に付けられる場所は限られそうですが、お守りいただけそうな根付です。

同聚院 大根炊き 20221119
同聚院 大根炊き 20221119

遅めの時間ということもあり、のんびり過ごさせていただいた同聚院。やっぱり同聚院のお不動さんは力強くどっしり構えて私たちを待っていてくださる印象です。

同聚院 境内 20221119

同聚院 2022年秋の特別拝観でいただいた御朱印

今回いただいたのは見開きの秋の御朱印(¥1,000-)。他にも用意されていましたが、東福寺塔頭らしい紅葉の御朱印にしました。同聚院さんの弁財天様の御朱印は初めていただきました。

同聚院 2022年秋の特別拝観 御朱印
同聚院 2022年秋の特別拝観 御朱印

東福寺塔頭寺院は他にもあります。

季節によっては普段拝観謝絶になっている塔頭寺院の門を潜ることができるかも。

他にも大きな仏像を!と言う方は康尚の息子、定朝縁の丈六地蔵菩薩坐像と千手観音坐像が祀られている長源寺へどうぞ。

泉涌寺塔頭の戒光寺もオススメ。運慶・湛慶親子作の丈六釈迦如来立像が祀られています。立像の大きさは迫力が違います。

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